イラク:子育てプログラム、家族の生活再建を手助け
2023年12月26日 イラク発
2023年12月26日 ニナワ県(イラク)発
イラクのモースル市アル・カラマ地区に暮らしていたラスミアさん(55歳)と娘のラフマさんとアセールさんは、2017年、イスラム過激派組織の支配下の厳しい現実に直面しました。彼女たちは逃げる場所を求めてニナワ県のアル・ジャダー第一リハビリセンターにたどり着き、7カ月間このセンターに身を寄せました。
「避難民キャンプでの生活は厳しいものでしたが、モースルでのイスラム過激派組織のもと耐えしのぐ生活よりは良いものでした。」ラスミアさんがアル・ジャダー第一リハビリセンターでの生活を振り返って語ります。ニナワ県が完全に解放され、ラスミアさん一家は故郷であるモースル市に戻ったものの、生活再建にあたって多くの課題に直面しました。そこで彼女たちが出会ったのが、アル・カラマ地区のセンターで行われている生活スキルと心理社会的ケアに関する研修でした。この支援は、日本政府の資金協力でUNICEFが支援を行っている子どもの保護プログラムの一環として実施されました。
このプログラムは、ラスミアさんのような家族が子どもの発達について学び、生活再建に向けた複雑な道のりを歩む子どもたちの支えになっていけるようにするために、重要なサポートを提供しています。
強く生きる母親のストーリー
生き延びるために煙草を売り、厳しい生活に耐えしのいできたラスミアさんは、多くの課題に直面しました。「イスラム過激派組織の支配下では私たちに自由はなく、仕事もお金もありませんでした。生活が常に危険に晒されていました。」夫がおらず大黒柱として家族を支えなくてはいけなくなったラスミアさんには、さらに多くの困難が伴いました。しかし、彼女は息子と3人の娘を育ててきたことに誇りを感じていると言います。
「私はセンターで受けた研修で変わることができました。見識を広げて、自分の感情をうまくコントロールできるようになりました。以前は小さなことにイライラしてしまい、時には家を出てしまうこともありました。センターで学んだおかげで、日々の生活がうまくいっています。」ラスミアさんが語ります。
避難の余波:平穏を求めるラスミアさん一家の闘い
ラスミアさんの娘のラフマさん(20歳)も、避難前には困難な状況下に置かれていました。「通りには遺体が散乱していました。私たちは飢えに苦しみ、全く自由がありませんでした。アル・ジャダー第一リハビリセンターに身を寄せて安全な生活は手に入りましたが、特に雨が降ると、テントでの生活は容易なものではありませんでした。」と、ラフマさんが語ります。
ラフマさんは生後8か月の娘のガザルちゃんのため、母親や妹と一緒に積極的に子育てプログラムに参加して育児スキルを身に付けています。
子育てプログラムは、夢を追い求め、苦難を乗り越えて生活を好転させていこうとするラスミアさん一家を支えてきました。アル・カラマ地区のセンターは、紛争や避難というトラウマを乗り越え、複雑な生活再建の道を歩んでいく彼女たちの第二の故郷、そして学びの場ともなりました。