UNICEF東京事務所代表ロベルト・ベネス インタビュー【後編】
2021年6月10日 東京発
2021年6月9日 東京発
2021年4月、ロベルト・ベネスがUNICEF東京事務所代表に就任しました。UNICEFの国事務所や本部で20年以上のキャリアを築いてきたベネスに、UNICEFでの仕事とプライベートについて質問しました。後編では、ワークライフバランスの保ち方や、国際協力に興味のある若者たちへのメッセージなどをお届けします。
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来日されてから約1カ月が経ちました。代表としてだけでなく、新しい場所で新しい生活を始めた父親としても、やらなければならないことがたくさんあるかと思います。日本での生活と仕事には慣れましたか?
来日して1カ月が経ちました。仕事の面では、チームやUNICEFの大切なパートナーのことをもっと知るため、パートナーに会い、同僚とたくさん話しをしています。もちろん、最初の2週間は自己隔離が必要だったため、容易なことではありませんでした。しかし、オンラインでも多くのことが可能です。そして、新しい環境に慣れ、理解できるように勉強しているので、とても忙しいです。いくつかの講座を受講して、日本の政治や経済、歴史、マナー、コミュニケーションの方法などを学びました。また、周りのことを少しでも理解するために、基本的な日本語を学ぶ予定です。妻と3歳半の幼い娘と一緒に日本に来ました。世界で最も素晴らしく、最も尊敬されている国や都市の一つであるこの地で暮らせることを、とても幸運だと感じています。どこで物を買うのか、どこにスーパーマーケットがあるのか、どこに行くのかなど、まだ模索中で、毎日新しい発見があります。日本に来ることができてとてもうれしく思います。
日本での生活を楽しんでくれることを願っています。休日はどのように過ごしていますか?長い間楽しんでいる趣味はありますか?
私の娘はまだとても小さいので、仕事以外の時間のほとんどは、家族と過ごしています。娘とできるだけ多くの時間を過ごすようにしています。朝、娘を保育園に連れて行ってから、オフィスに行っています。週末は、娘と一緒に公園に行って、一緒に遊ぶようにしています。おそらく、家の周りの地域のすべての公園を知っていますね!家でも、娘と一緒にいろんなことをします。街を理解するためにも、さまざまな場所に訪れるようにしています。特に夜に娘が眠りについた後、近所に散歩に出かけています。
私がいつもやっていることが、いくつかあります。特に、国内と世界の最新の情報を得るために、できる限り読書することを心がけています。また、ジョギングや瞑想が好きです。肉体的、精神的な健康を保つためにもジョギングをします。もう一つの趣味は飛行機です。機会があれば、飛行機の操縦の勉強をしたいと考えています。UNICEFで働いていなかったら、パイロットになっていたと思います。他にも趣味はありますが、時間がなくあまりできていません。
長い間、世界中で働かれてきたので、仕事とプライベートのバランスを取ることが難しいと感じることがあるのではないかと思います。将来、世界で働きたいと思っている若者にアドバイスをお願いします。
ワークライフバランスは、安全の次に、キャリアにおいて最も重要です。私たちは重要な任務のために働いており、UNICEFは多くの国で重要な役割を果たしています。緊急時に人々の命を守るために活動し、常にニーズが支援を提供するキャパシティを上回る状況で事業を行っています。そのため、UNICEFの助けが必要な状況も、やるべきことも、常にあります。その結果、多くの場合、長時間、週末にも働き、極度のストレスとプレッシャーのある状況で仕事をすることになります。そのため、仕事とプライベートのバランスを学ぶことが非常に重要です。UNICEFで活躍し、本当に子どもたちのために働きたいのなら、何よりもまず、バランスの取れた人であり、自分のエネルギーを管理する必要があります。人としてのバランスを取り、健康状態を保って心も身体も健康な状態でいることができなければ、良い仕事をすることはできません。自分のバランスの保ち方を学ぶことが非常に重要です。
UNICEFでは皆、長時間働いていますが、いくつかの境界線を引きながら、エネルギーを得る方法を見つける必要があります。使ったエネルギーは補給しなくてはいけません。どうやって補うかですが、その方法は人それぞれです。例えば、私の場合、家族ができる前は、運動や瞑想、友達との会話、読書を通して、活力を得ていました。今は家族がおり、もちろん、家族はとても重要です。娘と妻からは常にエネルギーをもらっていますが、それでも自分のルーティーンを持つようにしています。読書は、心に良い効果があります。友達や社会的なネットワークを持つことも重要です。さらに、健全な職場環境を維持することも大切です。なぜなら、職場環境に満足できない場合、それがエネルギーレベルに影響を与えるからです。一方、同僚に会いたいと感じたり、職場環境が好きなら、それは原動力になります。ですから、常にエネルギーレベルを高く保つために、自分のルーティーンを持っている必要があります。
お話を聞いていて、現場で働くためには自己管理が非常に重要だと思いました。UNICEF職員としての最大のモチベーションは何ですか?
最大のモチベーションは、人生を有意義に過ごし、目的を持って生きたいという想いです。私の場合それは、子どもたちの生活をより良くしていくことで、世界がより良い場所になっていくのを、自分の人生の終わりに見届けることです。子どもたちが多くの選択肢を手にして、より良い生活を送り、より幸せになるために、UNICEFの支援を通して、子どもたちに力を与えたいと思っています。これは、誰にでもできることだと思います。それに、そのためにUNICEFで働く必要はありません。世界のどこにいても、暮らしている街で実践することができます。誰もが、世界をより良くすることができるのです。緊急援助に携わっていたり、国際機関で働いている人だけが世界を変えると感じるかもしれませんが、そうではありません。だれもが、どこにいても、世界を変えることができます。誰もが、善良な市民であり、思いやりを持ち、他の人に対して親切で、クラスメイトや家族を助けることで、街を離れることなく、世界をより良く変えることができます。東京でも、アフリカでも、どこでも、そのような行動を起こすことができます。どこでにいても、可能です。人々はどこでもお互いを必要としているので、どこにいても、できることはたくさんあります。重要なのは、あなたのコミュニティや世界の大義のために貢献するということです。
私は国際的な仕事や子どもたちのために働くことが好きなので、UNICEFは理想的な職場です。しかし、結局のところ、私にとっての最大のモチベーションは、ある日人生を振り返ったときに、満たされていて、私の仕事が誰かの力になっていると感じることにあります。誰かを幸せにすることができるかもしれない、それが、UNICEFで働く最大のモチベーションです。
心に刻むべき重要なメッセージをたくさんいただきました。最後に、国際協力に興味のある若者へのメッセージをお願いします。
最初のメッセージは、国際協力は間違いなく、人生を費やす価値のある素晴らしい仕事だということです。しかし、人生のすべてを捧げる必要はありません。例えば、6カ月、1年、または5年間だけ国際協力に携わるということもできます。私が言いたいのは、挑戦してほしいということです。もし気に入れば、一生の仕事にすればよいのです。私たちは皆、目的意識を持って生きたいと思っていて、それが、私たちを駆り立てます。そして、誰もが自己実現し、人生を有意義なものにしたいと思っていると思います。国際的な仕事をしたり、国際協力の仕事をすることは、あなたの人生に意味を与える素晴らしい方法です。
二つ目に、この分野で働くということは、人として成長するための素晴らしい方法でもあります。いつも新しい状況や多様性にさらされるので、常にポジティブな挑戦をすることになります。何もかも新しい異国に住み、世界のさまざまな地域から集まった同僚と仕事をするため、常に成長し、学び、コンフォートゾーン(安心感があり居心地の良い場所)から一歩踏む出すことが求められます。謙虚に新しい現実を受け入れ、他の人の力が必要であることを学ぶことはとても重要です。一人ですべてのことをやり遂げることはできません。私たちは皆、お互いを必要とし、常に助けと協力を必要としています。そして、世界を知り、他の国に住むことも素晴らしいことです。試してみる価値はあると思います。
私からの若者へのメッセージは、怖がらずに挑戦し、自分の目で見てみるということです。UNICEFは日本人職員数が最も多い国連機関で、130人以上の素晴らしい日本人職員が働いています。日本は世界に多大な貢献してきているので、もっと多くの日本人にUNICEFで働いてほしいと思っています。日本人は、勤勉で、寛大で、献身的であり、UNICEFで素晴らしい仕事をしています。とてもやりがいのある仕事です。私はUNICEFで22年間勤務していますが、今も働き始めた日と同じくらい幸せです。しかし、私が今、日本で働き始めたように、常に新たな気持ちで、熱意を育む必要があります。常に世界の子どもたちは多くのニーズを抱えているため、UNICEFで働くということは、一生懸命働き、勉強することが求められます。子どもたちには、最善の支援と、最も有能な職員が必要です。一生懸命勉強して、将来に備えてください。それこそが、UNICEFの職員に求められていることです。人生を捧げる価値のある、とてもやりがいのある仕事です。
私たちだけでなく、日本の若者たちにとっても、モチベーションが高まるメッセージだと思います。素晴らしいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
※本記事は、英語でのインタビューをもとに日本語訳をしたものです。
UNICEF東京事務所代表ロベルト・ベネス インタビュー【前編】では、べネスがキャリアやUNICEF東京事務所代表の仕事などについて語っています。
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