イエメン:子どもたちの命を守る保健教育

2020年12月13日 イエメン発

UNICEF Yemen
2020年12月13日
ボランティアとしてイエメンで活動をするノリアさん。
UNICEF/2020/Yemen

イエメンの約100万人の5歳未満児と80万人以上の妊娠中
および授乳中の女性に対する包括的な保健と栄養支援の提供に大きな前進

 

2020年12月13日 イエメン発

保健教育は、病気のない健康的なコミュニティを築き上げるための基盤になります。一部の地域では知識不足や誤った情報が見られるものの、イエメン中で行われている啓発活動がコミュニティの習慣に良い変化を生み出しています。

32歳のノリア・アリ・サレ・アルメエニさんは、前向きな変化を生み出す活動を続けています。首都サヌアのハウラン・フォート地区アルメエン村出身のノリアさんは、地域の保健ボランティアとして、サヌア保健局と一緒に近くのコミュニティで啓発活動を行っています。

サヌア市ハウランにあるアルホスン地区にて、栄養不良に苦しむ子どもの診察を行う保健ボランティアのノリアさん。
UNICEF/2020/Yemen
サヌア市ハウランにあるアルホスン地区にて、栄養不良に苦しむ子どもの診察を行う保健ボランティアのノリアさん。
サヌア市ハウランにあるアルホスン地区にて、栄養不良に苦しむ子どもの診察を行う保健ボランティアのノリアさん。
UNICEF/2020/Yemen
サヌア市ハウランにあるアルホスン地区にて、栄養不良に苦しむ子どもの診察を行う保健ボランティアのノリアさん。

ノリアさんはUNICEFが支援するプログラムについて、「栄養や保健に関する教育など、多くのサービスを提供しています。妊娠中と授乳中の女性への支援は、母乳育児の重要性を強調し、バランスの取れた食事や補助栄養を摂ることから始まります。また、コレラや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの新たな感染症の予防に関する知識の共有に加えて、はしかやポリオなどの命に関わる病気のワクチンと定期予防接種の重要性を伝える認識向上キャンペーンを行うため、コミュニティと一緒に活動しています。」と説明しました。

吊り下げ式の体重計で赤ちゃんの体重を測るノリアさん。
UNICEF/2020/Yemen
吊り下げ式の体重計で赤ちゃんの体重を測るノリアさん。
吊り下げ式の体重計で赤ちゃんの体重を測るノリアさん。
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吊り下げ式の体重計で赤ちゃんの体重を測るノリアさん。

ノリアさんはまた、活動地域で毎月60人以上の子どもに栄養不良の定期検査を行い、栄養に関する知識を伝え、ビタミンのサプリメントを提供しています。加えて、徒歩で2時間ほど離れた場所で暮らす疎外されたグループへの定期訪問も行っています。彼女の活動は計り知れないほど良い影響をもたらしていますが、ノリアさんは記録や報告書、薬品の不足で困難に直面しています。

石鹸で手を洗う適切な方法を避難民に教えるノリアさん。
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石鹸で手を洗う適切な方法を避難民に教えるノリアさん。
石鹸で手を洗う適切な方法を避難民に教えるノリアさん。
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石鹸で手を洗う適切な方法を避難民に教えるノリアさん。

活動を始めた頃は、地域の人々、特に自宅で赤ちゃんを出産していた女性の間で保健教育が十分に行われておらず、ノリアさんはコミュニティに受け入れられませんでした。コミュニティには、ギー(牛やヤギのミルクを使って作るバター)と砂糖シロップを塗って新生児を清めるなど、世代を超えて行われている伝統的な妊産婦に関する習慣があります。これらの儀式がもたらす可能性のある悪い影響を説明したノリアさんに、当初抵抗感を持つ人も多くいました。そのため、バランスの取れた食事や生後6カ月間の完全母乳、子どもの補食や保健、定期予防接種の重要性への認識を高めることに重点を置くことにしました。中度の急性栄養不良に陥っている妊婦には、母親と子どもの両方の健康を促進するため、葉酸のサプリメントや微量栄養素、駆虫剤も提供しています。

サヌア市ハウランのアルホスン地区の家庭を訪問し、啓発活動を行うノリアさん。
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サヌア市ハウランのアルホスン地区の家庭を訪問し、啓発活動を行うノリアさん。

人々の意識の向上や健康の促進を図るとともに、医療ボランティアに対するコミュニティの信頼を築くため、地域の保健ボランティアは、保健に関する意識の向上やその重要性を伝えるにあたって大きな役割を果たしてきた教員やコミュニティのリーダーにさらなる協力を求めました。

サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプに身を寄せる避難民たち。
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サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプに身を寄せる避難民たち。
サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプに身を寄せる避難民たち。
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サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプに身を寄せる避難民たち。

最近では、COVID-19の予防やソーシャル・ディスタンスの重要性、動物の排泄物に近づかないこと、手洗いと消毒を行うこと、握手をしないこと、感染の疑いのある人を隔離すること、野菜を水と塩で洗うことなどの啓発も行われています。

女性と子どもたちの行動にも変化が起こっています。
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女性と子どもたちの行動にも変化が起こっています。

ジャワーハル・ムハンマド ・アハメド ・ムナセルさん(40歳)は、サヌア市ハウラン地区アルメイエン村出身です。

ジャワーハルさんは、「娘は消耗症に陥り、年齢に合った体重がありませんでした。そこで、ノリアさんのところへ娘を連れて行き、保健センターを紹介してもらいました。ノリアさんは毎月私たちのもとを訪れ、個人衛生の重要性について認識を高め、予防接種をしたり、栄養不良の子どもたちのための栄養補助食品を提供してくれています。」と語りました。

サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプで暮らす、社会から取り残された子どもたち。
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サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプで暮らす、社会から取り残された子どもたち。
サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプで暮らす、社会から取り残された子どもたち。
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サヌア市ハウランのアルホスン地区にあるキャンプで暮らす、社会から取り残された子どもたち。

ベイト・シャーケルの近くにあるアルメイエン村出身のナビラ・アリ・シャーケルさんも、このプログラムの恩恵を受けています。

家庭訪問の際、ノリアさんはナビラさんの息子が栄養不良に陥っていることに気づき、保健センターを紹介しました。ナビラさんは、「必死で息子を保健センターに連れて行きました。ノリアさんは、UNICEFから提供された栄養補助食品を息子に与えてくれました。彼女のケアのおかげで息子は元気になり、日々体調が改善しています。」と語りました。

アルメイエン村出身のナビラ・アリ・シャーケルさん。
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アルメイエン村出身のナビラ・アリ・シャーケルさん。

「ノリアさんは体重計で子どもたちの体重を測り、予防接種を行い、栄養状態を改善してくれます。衛生や家族計画の重要性についても教えてくれました。特にコレラが流行した時など、保健センターにノリアさんがいてくれることで、私たちの生活は大きく変わりました。」

ノリアさんは、「ボランティアが自宅を訪れた際、ほとんどの地域の人々が予防接種を拒否し、子どもに一度も予防接種を受けさせていなかった人もいました。彼らの認識を変えることができ、予防接種を受けさせるために子どもたちを保健センターに連れて行くようになりました。また、食後に1つの鍋でみんなで手洗いするなど、衛生上良くない習慣を変えることもできました。今では、一人ずつ別々に手を洗っています。多くの栄養不良の症例が確認されているため、私たちは栄養不良に陥った子どもたちを保健センターで診療し、子どもたちの栄養と健康の状態を注意深く見守っています。多くの子どもたちの成長や体重に改善が見られています。」と述べました。

ノリアさんが避難民に啓発活動を行う様子。
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ノリアさんが避難民に啓発活動を行う様子。

このように、全国の2万5,000人を超える地域の保健ボランティアによって実施されているUNICEFの活動は、開発途上の地域にとって不可欠です。このプログラムは、保健教育を通じて発展をもたらすことで、病気の減少や、より長く健康的な生活、そしてより強く生産的なコミュニティの実現を可能にしています。

日本政府による寛大なご支援のおかげで、UNICEFはイエメン中の約100万人の5歳未満児と80万人以上の妊婦と授乳中の女性に対する保健と栄養の包括的な支援の提供に大きな前進を遂げることができました。

 

【関連ページ】日本政府の支援によるイエメンでのUNICEF支援事業