シエラレオネ:コミュニティが力を合わせて栄養不良と闘う

2026年3月26日 ゴドリッチ(シエラレオネ)発

UNICEF Sierra Leone
2026年3月26日
Nutrition Food Demonstration
UNICEF Sierra Leone/2026/Leigh

日本政府の資金協力を受け、シエラレオネの親たちは子どもを健やかに育てるための知識と実践的なスキルを身につけています。

2026年3月26日 ゴドリッチ(シエラレオネ)発

ゴドリッチのコミュニティ保健センターには、母親や保護者たちが集まり、作りたての料理の香りが漂っています。きれいに盛り付けられた料理が並べられ、地元の食材を組み合わせて栄養価の高い食事を作る方法が紹介されています。参加していた母親の一人、ハジャ・コッバさんは、11カ月のアブドゥルラフマン・コッバちゃんを優しく膝に抱いています。アブドゥルラフマンちゃんは、母親がより栄養価の高い食事の作り方を学ぶ様子を興味津々に見つめています。同年代の多くの子どもたちと同じように、彼も家ではシンプルな食事を与えられ、健やかな成長に必要な栄養バランスが良い食事を取れていませんでした。ハジャさんは、「以前はほとんど何も入っていないお粥やご飯しか食べさせていませんでした。時々、油や牛乳を少量加えることはありましたが、この地域にこんなにたくさんの種類の食材があることを知りませんでした。」と話してくれました。

今日の調理実演会は、そんな状況を変えようとしています。豆、ピーナッツ、葉物野菜、小魚などの地元で手に入る食材を使って、保健員は母親たちに、幼児に必要な栄養素をバランス良く摂れる食事の作り方を教えています。ハジャさんは、食材が組み合わさって、これまで家で作っていたものよりも彩り豊かで栄養価の高い食事が出来上がっていく様子をじっと見ています。

「食材を混ぜ合わせて調理できることを学びました。たとえ食材が少なくても、息子の食事をより良くすることができるんです。」と笑顔で話します。「これからは、できる限り豆や葉物野菜、魚を食事に加えようと思います。息子には丈夫で活発に育ってほしいです。」

コミュニティ保健センターでの調理の実演で、出来立ての食事が盛られたお椀が並べられている。
UNICEF Sierra Leone/2026/Leigh コミュニティ保健センターでの調理の実演で、出来立ての食事が盛られたお椀が並べられている。

ゴドリッチのコミュニティ保健センターは、毎年約2万3,000人の5歳未満の子どもたちに保健サービスを提供しており、日本政府がUNICEFを通じて支援する広範な栄養プログラムの一環として、コミュニティの人々の生活を一変させるような実演会を実施している施設の一つです。

シエラレオネは、2024年以降改善が見られるものの、依然として深刻な栄養危機と食料安全保障の危機に直面しています。2025年7月の食料安全モニタリングレポートによると、全世帯の71パーセントが食料不安を抱えており、多くの家庭が収入の75パーセント以上を食費に費やしています。これは多くの場合、幼い子どもたちのお腹は満たされるものの、適切な成長と発達に必要な栄養素が不足した食事をしていることを意味します。

ゴドリッチ・コミュニティ保健センターの看護師、マリアマ・ジャロウさんは、こうした状況を日々目の当たりにしています。 「多くの保護者は子どもを愛し、子どものために最善を尽くしたいと思っていますが、適切な情報を持っていないのが現状です。こうした料理の実演を通して、保護者の方々が既に知っていて入手しやすい食材を使って、子どもの食生活を改善するための実践的な方法を伝えています。」と説明します。

ゴドリッチ・コミュニティ保健センターで乳幼児の栄養指導を行うマリアマ・ジャロウ看護師。
UNICEF Sierra Leone/2026/Leigh ゴドリッチ・コミュニティ保健センターで乳幼児の栄養指導を行うマリアマ・ジャロウ看護師。

料理の実演会は、地域の保健員による助言や栄養検査、衛生に関する教育、重度の急性栄養不良の治療ケアなどを含む包括的な支援サービスの一部として行われています。2021年以降、このプログラムは対象地域を拡大し、より多くの保護者が知識と支援を受けられるようにしています。

その成果は目覚ましく、プロジェクト期間中、重度の急性栄養不良を患う6~59カ月の子ども1万7,356人(女の子8,817人、男の子8,539人)が治療ケアを受けました。これは、対象となった5地区における重度の急性栄養不良の患者3万6,937人の47パーセントに相当します。プログラムの実績データによると、入院患者と外来患者を合わせた重度の急性栄養不良患者の回復率は90パーセントを超え、国際基準を満たしています。しかし、特にボーやプジェフンを含む一部の地域の入院施設では死亡率が高く、これは受診の遅れや入院施設の人員不足など、様々な要因によるものと考えられます。

保健省のミリセント・M・アリ食料・栄養局局長
UNICEF SierraLeone/2026/Leigh 保健省のミリセント・M・アリ食料・栄養局局長が、バランスの取れた食事を確保するために利用できるさまざまな食品群を保護者に説明している様子。

保健省の栄養士であるマリアマ・エリーさんは、このプログラムの成功の鍵は、重度の栄養不良の治療ケアと、家庭レベルでの行動変容への取り組みを組み合わせる点にあると言います。 「栄養不良は治療だけでは解決できません。栄養不良を予防するための知識とスキルを保護者に身につけてもらう必要があります。このような料理の実演は、健康的な食事がどのようなものか、どのように調理するかを言葉で説明するだけでなく、実際に見せてくれるため、非常に効果的です。」と語ります。

このプログラムは、保健施設だけでなく、訓練を受けた地域の保健員や母親たちによる支援グループによっても支えられており、地域レベルで学びが強化されています。また、ラジオ番組やアウトリーチ活動を通じて、何千人もの保護者に命を守る栄養情報が届けられています。しかし、課題は残っています。国全体で食生活の多様性は依然として低く、ほとんどの子どもが健全な発育に必要な最低限の栄養を摂取できていません。これは、5歳未満児の26.2パーセントが直面している発育阻害の一因となっており、成長、学習、そして将来の機会に長期的な影響を及ぼしています。

定期健診を受けに来た生後11カ月のアブルラフマンちゃんと母親のハジャさん
UNICEF Sierra Leone/2026/Leigh ゴドリッチ・コミュニティ保健センターに定期健診を受けに来た生後11カ月のアブルラフマンちゃんと母親のハジャさん。

だからこそ、UNICEF栄養専門官のブレンダ・カイジュカ・ムワガは、持続的で地域主導型の取り組みの重要性を強調します。「栄養とは、単に食料が入手可能かどうかだけではなく、知識、実践、そしてアクセスのしやすさに関わるものです。地域社会と緊密に連携し、保健システムを強化し、水や農業などの他分野との連携を強めながら保護者を直接支援することで、今後何年にもわたって子どもたちに恩恵をもたらす持続的な変化を生み出すことができます。」と話しました。

実演が終わりに近づくと、ハジャさんはアブドゥルラフマンちゃんに栄養たっぷりの食事をスプーン一杯分丁寧に食べさせました。アブドゥルラフマンちゃんは嬉しそうに手を伸ばし、もっと欲しがります。ハジャさんは、アブドゥルラフマンちゃんの反応を喜ぶと同時に、今回学んだ新たな知識に勇気づけられ、笑みを浮かべました。

「今は自信が持てます。子どもの栄養について理解することができたので、これまでとは違うやり方で食べさせようと思います。」とハジャさんは話しました。

母親と子どもが食事を共にする、このささやかな瞬間に、より健康な未来への希望が宿っています。こうした小さくても力強い変化によって、ゴドリッチのようなコミュニティの家族が毎回の食事を通じて子どもたちの栄養管理を行えるようになっています。
 

 

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