パレスチナ:重度の栄養不良に苦しんでいたオダイちゃん、栄養支援で回復へ
2025年8月8日 パレスチナ発
2025年8月8日 パレスチナ発
パレスチナ・ガザ地区で生まれた、生後10カ月のオダイちゃん。既に不安定な状況下で生を受けた彼は、爆撃によって家族全員を失いました。
2年近く続く紛争の中で、オダイちゃんのように孤児となった子どもは、推定数万人にのぼります。そして今、ガザ地区の子どもたちは深刻な飢饉に直面しています。
「とても弱々しく、目がくぼんでいました。」と、オダイちゃんの叔父は数週間前の様子を振り返ります。「よく眠れないようで、日を追うごとに体調が悪化していきました。」
農地や市場の壊滅、清潔な水の不足、人道支援物資の搬入制限により、ガザ地区の210万人が食料安全保障の危機にさらされています。
UNICEFとパートナーは、急性栄養不良がかつてない速さで増加していると報告しています。ガザ地区の人口の約4分の1、約50万人が飢餓に近い状態にあり、親たちは自らの食事を削っても、子どもたちを飢えから守ることができない状況です。
ガザ市では、5歳未満の栄養不良率がわずか2カ月で4倍に急増し、16.5パーセントに達しています。
叔父と叔母に育てられていたオダイちゃんも、十分な食べ物を手に入れることができず、家族が身を寄せる仮設避難所で衰弱した姿をコミュニティのリーダーに発見されました。ガザ地区の大部分は依然として避難命令下にあり、家屋の大半は損傷を受けたり、住むことができない状況にあります。オダイちゃんには出生証明書も身分証明書もありませんでした。家族を失った爆撃で、すべてなくなってしまったのです。
「オダイちゃんを見ても分かるように、人であふれる避難所でも、極度のプレッシャーの下でも、適時な支援で子どもたちの命を守ることができるのです。」と、UNICEFパレスチナ事務所の保健・栄養チーフのメラニー・ガルヴィンは言います。
コミュニティのリーダーは、オダイちゃんの家族に、彼らが避難しているアル・ラフィダイン学校に設置された移動診療所ですぐにケアを受けるように促しました。移動診療所で上腕周囲径を測定して栄養不良の検査を行った結果、オダイちゃんの腕周りは9.3センチメートルで、重度の急性栄養不良と脱水状態に陥っており、深刻な消耗状態にありました。
「移動診療所の人々がしてくれたことは、決して忘れません。私はずっと、『ひとりじゃない。』と感じられました。常に誰かがそばにいてくれて、私たちを励まし、治療ケアの一歩一歩を導いてくれました。」とオダイちゃんの叔父が語ります。
幸い近くに集中栄養治療ケアを受けられるセンターがあり、オダイちゃんは10日間入院して、栄養不良の治療ケアを受けながら経過を注意深く観察されました。急性栄養不良からの回復には、スケジュールに従った高カロリーの栄養治療食の摂取が不可欠で、通常の食事では安全な回復が難しい場合が多いのです。
たった10日で、オダイちゃんは再び笑顔を見せるようになりました。上腕周囲径は11.2センチメートルまで回復し、やせ細っていた体にも丸みが戻りました。さらに、ハイハイを始め、音にも反応するようになりました。
「オダイちゃんは単なるサバイバーではありません。彼は希望の象徴です。避難と喪失の真っただ中で、小さな子どもが再び笑顔を取り戻しました。これは早期支援の力です。」とUNICEFパレスチナ事務所の保健・栄養チーフのガルヴィンが語ります。
オダイちゃんの事例は、急性栄養不良の早期検査と治療ケアが命を守るために不可欠であることを示しています。この支援を大規模に実現するためには、ガザ地区の家族たちが即時かつ持続的な停戦、人道支援と食料へのアクセス、そして現地の食料システムを再構築する機会を得ることが必要です。
困難な状況にもかかわらず、UNICEFは日本政府をはじめ、オーストラリア、カナダ、オランダ各国政府、欧州委員会人道援助事務局(ECHO)、英国外務・英連邦・開発省(FCDO)の資金協力のもと、ガザ地区の子どもたちと家族に、急性栄養不良への対応と命を守る栄養物資とサービスの提供を続けています。
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