ジブチ:遠隔地でも栄養不良の子どもを取り残さないために――日本政府、UNICEF、女性団体が連携し、子どもたちを栄養不良から守るコミュニティの取り組みを支援

2025年11月24日 ジブチ発

UNICEF Djibouti
2025年11月24日
Nutrition screening in Djibouti.
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième

2025年11月24日 ジブチ発 

子どもと女性を脅かす危機

ジブチは深刻な栄養と水の危機に直面しています。長引く干ばつと降雨不足、そして構造的な水不足により、特に農村部において、何千人もの子どもたちや女性の健康と命が危険にさらされています。3万4,000人以上の子どもが急性栄養不良に苦しんでおり、そのうち7,700人の5歳未満の子どもが重度の栄養不良に陥り、約2,500人の妊婦と授乳中の女性も影響を受けています。

「私たちの国は最近、深刻な干ばつに直面しています。ここ6ヶ月間、雨が全く降っていないのです。これは異常な事態で、水は最優先事項です。」と話すのは、オボック病院のハッサン・イブラヒム・モハメド主任医師。 

ジブチ、オボック病院のハッサン・イブラヒム・モハメド主任医師。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième ジブチ、オボック病院のハッサン・イブラヒム・モハメド主任医師。

日本政府と国民の支援のもと、UNICEFは保健省および地元の女性団体と連携してこの危機に対応しています。栄養、保健、水と衛生のサービスを強化し、コミュニティの動員にも取り組んでいます。支援活動には、子どもと女性に対する重度の急性栄養不良の検査と治療ケア、乳幼児や幼い子どもたちに対する食事の与え方の啓発、予防接種を受けていない子どもの特定と予防接種の実施、安全な飲み水の確保と衛生習慣の促進などが含まれます。また、母親同士の支援グループや戸別訪問による支援活動も行っています。これらの取り組みにより、2万人以上の子どもや女性、その家族が直接的な恩恵を受けています。 

ジブチ・タジュラ州のブーヤ村にある伝統家屋、トゥクル。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième ジブチ・タジュラ州のブーヤ村にある伝統家屋、トゥクル。

変化の中心にいる女性たち

UNICEFとの連携のもと、タジュラ女性協会とオボック女性振興協会は、特に保健センターから遠く離れたコミュニティを対象に、妊婦や母親に対する良好な栄養習慣の促進と、極度の体重減少である消耗症の早期発見に取り組んでいます。中度および重度の急性栄養不良の場合は、保健施設に搬送され、治療ケアを受けます。

エチオピアとの国境に位置するタジュラ州北西部の町、シヤルーでは、道路が舗装されていないためアクセスが特に困難です。タジュラ女性協会は、バルホ村からラクダで隊列を組んで必要な資材を運び、最後の1キロまで到達。最も遠隔地の子どもたちや妊婦を支援しています。2025年2月〜3月に実施された栄養不良の検査では、5歳未満の子ども242人が検査を受け、そのうち15人が重度の急性栄養不良、33人が中度の栄養不良でした。また、診察を受けた妊婦と授乳中の女性83人のうち、1人が重度の急性栄養不良、25人が中度の栄養不良でした。それ以来、バルホ保健センターとタジュラ女性協会の連携により、栄養不良の子どもたちと母親が治療ケアを受けられるようになりました。 

マリアム・アデンさんと孫娘。子どもの栄養不良の早期発見に関する訓練を受けたマリアムさんは、ジブチのタジュラ州ブーヤ村の女性や母親、そして子どもたちの健康を支援している。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième マリアム・アデンさんと孫娘。子どもの栄養不良の早期発見に関する訓練を受けたマリアムさんは、ジブチのタジュラ州ブーヤ村の女性や母親、そして子どもたちの健康を支援している。

ブーヤ村に住むファトゥマ・イッサさんは、「娘は栄養不良で、私もひどい体調不良でした。栄養状態を測定する上腕計測メジャーは、重度の急性栄養不良である赤色を指していました。」と話しました。夫のモハメド・アブダラさんも、「私たちの村には、子どもを栄養不良から守ってくれる病院がありません。」と説明します。 

ジブチ・タジュラ州ブーヤ村のモハメド・アブダラさんと息子。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième ジブチ・タジュラ州ブーヤ村のモハメド・アブダラさんと息子。

アンドリ村でコミュニティの動員や啓発を行うアリ・イブラヒムさんは、「最寄りのインダルー病院はここから22キロ離れています。ここから病院に行く多くの人のうち、途中で命を失ったり、到着前に出産したりする人もいます。」と述べました。こうした現状は、遠隔地の最後の1マイルまで支援を届けることの重要性を物語っており、ラクダによる支援物資の配布と現場の支援チームのおかげでそれが可能になったのです。

オボック州アンドリ村でコミュニティの動員や啓発を行うアリ・イブラヒムさん。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième オボック州アンドリ村でコミュニティの動員や啓発を行うアリ・イブラヒムさん。

オボック女性振興協会のファトゥマ・フーメド・ヤシン事務局長は、次のように述べています。「病院は状況に対処するために最善を尽くしていますが、問題は複雑です。UNICEFの支援を受けて一緒に交渉を行い、医薬品や病院を利用しやすくすることができました。また、朝晩対応可能な保健員を配置して、村の家族を対象に子どもの食事や授乳について情報を提供し、効果的に啓発活動をしています。以前と比べて大幅に状況が改善しました。」 

オボック女性振興協会のファトゥマ・フーメド・ヤシン事務局長。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième オボック女性振興協会のファトゥマ・フーメド・ヤシン事務局長。

ブーヤ村でコミュニティの動員や啓発を行うファトゥマ・マハメドさんは、「私の役割は、戸別訪問をして村の人たちに適切な栄養管理について伝え、栄養状態の確認をすることです。」と話します。「健康について話す時、まず母乳育児の大切さを伝えます。皆が真剣に耳を傾けてくれます。それから栄養、特に果物を食べることの重要性について話します。以前は、皆こうした情報を知りませんでしたが、私が訪問するようになり、多くのことを学んでくれて着実に変化しています。」 

タジュラ州ブーヤ村でコミュニティの動員や啓発を行うファトゥマ・マハメドさんとモハメド・イブラヒムさん。
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième タジュラ州ブーヤ村でコミュニティの動員や啓発を行うファトゥマ・マハメドさんとモハメド・イブラヒムさん。

命を守り、レジリエンスを強化

日本政府の支援を受け、UNICEFと地元の女性団体は、水不足や気候変動の影響による危機に直面しているぜい弱な地域において、命を守り、栄養不良を減らし、レジリエンス(回復力)を強化しています。コミュニティの支援員、保健所、そして村の家族が一体となって活動することで、最も辺境の地域の最もぜい弱な子どもと女性に対して、具体的かつ持続可能な支援が実現しました。 

nutrition in Djibouti.
UNICEF Djibouti/2025/Neuvième ブヤ村の村長と村民とともに会合を行う調整員。