トルコ:就学前教育で、子どもたちに素晴らしい学習のスタートを
2022年2月21日 シャンルウルファ県(トルコ)発
2022年2月21日 シャンルウルファ県(トルコ)発
就学前教育のサマースクールに参加する子どもたち。どの子もみんな、笑顔いっぱいで幸せそうです。先生たちによると、就学前教育プログラムの一環として実施されたサマースクールは、子どもたちやその家族の間で大好評です。
子どもたちは、公立学校の150の教室や家庭・女性センターで実施されているサマースクールで、就学前教育を受けています。2021年7月から8月にかけて実施されたこのプログラムには2,000人以上の子どもたちが参加し、その74%がシリアの子どもたちでした。サマースクールの出席率は非常に高く、97%にのぼっています。参加した子どものうち約1,800人が、その後続けて秋学期から正式な就学前教育や小学校に入学するための手続きを行いました。
コミュニティを基盤とした代替的な就学前教育プログラムは、日本政府や米国人口難民移民局の資金協力のもと、UNICEFと南東アナトリア開発計画地域開発管理機関、トルコ開発財団とのパートナーシップを通じて実施されました。このプログラムは、難民が身を寄せているトルコ南東部の11県に住んでいるシリア難民の子どもたちを対象に行われました。
プログラムが難民の子どもたちに与えた大きな影響について、ファティマ先生が話します。「サマースクールが始まった当初、子どもたちはあまり他の子どもたちと交流しようとしませんでした。このプログラムのおかげで、子どもたちはとても社交的になり、自分に自信を持つようになりました。今では、自己表現ができるようになりました。」
「ある生徒は、母親と三人の兄弟と一緒に暮らしています。父親はシリアで亡くなり、母親が日雇い労働をして生計を立てています。家賃を払うこともできず、とても厳しい生活を送っています。」とファティマ先生が話します。その女の子に話を聞くと、サマースクールでは、おままごとのキッチンセットで遊んだり、人形をベッドに寝かせて遊ぶのが好きだと話します。大きくなったら何になりたいかと尋ねると、「お母さんの助けになりたい。」と笑顔で答えてくれました。
教員たちは、幼稚園や保育園に通ったことのない子どもたちがいないか、地域の家を一軒一軒回って確認しています。これらの子どもたちの多くは、社会経済的な困難に直面する家庭で暮らしています。
「教育を今すぐに必要としている子どもたちや、経済的な手段が限られている家族を特定するために戸別訪問を行っています。このプログラムは、彼らにとって大きなチャンスです。小学校に入学するにあたって購入できないものがあったとしても、プログラムの一環で、学校に通うために必要な学用品はすべて提供されます。」
このプログラムは、子どもたちが小学校での学習の準備をできるようにすることを主な目的としています。スドゥカ先生は、「子どもたちに1年生の学習に必要な基礎を教えています。例えば、字の書き方や、数字を教えたりしています。」と話しました。
ギュレル先生は、プログラムを始める前は、トルコ語でのコミュニケーションが難しい子どもたちもたくさんいたと語ります。「サマースクールでは、子どもたちの社交性を高め、トルコ語を話せるようにすることで、1年生になった時にトルコ人の子どもたちと友達になれるようにしています。」と付け加えました。
プロジェクトに参加してトルコ語が上手になったヤゼンくん(7歳)。サマースクールでトルコ語を学んだと、とても嬉しそうに教えてくれました。ヤゼンくんは、大きくなったらお医者さんになりたいと話します。「お父さんは目が悪いんです。だから、眼科医になってお父さんの眼を治したいです。」
エクレムくんも、コミュニケーション能力が目に見えて向上しました。「最初は疎外感を感じていたようですが、今では毎日友達に会うのをとても楽しみにしていますよ。」と先生たちが話します。
ギュレル先生は、「口論になったときにお互いに納得できる解決策を見つける方法や、同じおもちゃで遊びたいときには共有することの大切さを教えています。」と話します。
サマースクールでは、外遊びや朝食、読書、園芸、音楽、運動など、様々なアクティビティが行われます。それぞれの活動は、子どもたちが新しい言葉を学びながら自己表現をすることができるよう、アラビア語とトルコ語の両方で行われます。子どもたちは絵やカード、物語、ゲーム、歌などでトルコ語を学びますが、一日の始まりにはアラビア語で自分の気持ちを表現するようにしています。