バングラデシュ:ロヒンギャ難民と受け入れコミュニティを支える―人道危機に直面した子どもたちの命を守る日本政府の支援

2020年6月25日 東京発

UNICEF
2020年6月25日

2020年6月25日 東京発

2017年8月に始まったバングラデシュへのロヒンギャ難民の流入は、近年の歴史の中で最も大規模で急激に深刻化した人道危機の1つです。ロヒンギャ難民が身を寄せるコックスバザール県では、ロヒンギャ難民と受け入れコミュニティの130万人が人道支援を必要としており、そのうち73万8,000人以上が18歳未満の子どもです。

日本政府から資金協力を受け、UNICEFはロヒンギャ難民とぜい弱な受け入れコミュニティのため、水と衛生環境の改善や、栄養や保健、子どもの保護に関する支援を実施しました。

学習センターでビルマ語のアルファベットを書く女の子
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
日本政府の支援を受けるパハルタリ学習センターでビルマ語のアルファベットを書く8歳のジョニファ。

ロヒンギャ難民の子どもたちは、これまでの日常生活が失われ、様々な暴力や将来の不安に直面しています。UNICEFは難民と受け入れコミュニティの平和的な共存の促進やジェンダーに基づく暴力への予防や対応、子どもの保護に取り組み、レクリエーションなどを通して子どもたちの心理社会的なストレスを軽減し、レジリエンス(回復力)の向上を支援しました。

多目的センターで縄跳びをして遊ぶ女の子たち
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
11歳のタニアと12歳のヤスミンは親友です。難民キャンプにある子どもと10代の若者のために設けられた多目的センターで縄跳びをすることがお気に入りです。

水と衛生に関する支援では、13万2,000人が安全な水を手に入れられるようになり、女性や障がいのある人々に配慮したトイレへのアクセスも向上しました。

 さらに、パートナー団体と協力し、入浴用と洗濯用の石けんを配布しました。衛生環境が悪化しやすく混雑している難民キャンプでは、衣服や身体の清潔を保ち、感染症を予防することが大切です。

石けんの配布をもらいに来た女性
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
毎月の石けんの配布を受けるロヒンギャの女性。石けんは家族が清潔を保つために欠かせません。

乳幼児の適切な食事・栄養に関する情報の提供や、微量栄養素サプリメントの配布を通して、子どもや女性たちの栄養状態を改善することにも貢献しています。 子どもたちの栄養不良を早期に発見し、適切な治療ケアにつなげることが、成長や発達のために大切です。UNICEFはパートナーとともに、毎月平均12万3,628人の5歳未満の子どもたちに重度の急性栄養不良の検査を実施しました。

栄養センターで子どもの身長と体重を計測するスタッフ
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
日本政府の支援を受けている栄養センターで子どもの身長と体重を測定するスタッフ。
子どもの足にむくみがないか検査をするスタッフ
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
栄養不良の検査のため、栄養センターのスタッフが7カ月のリハンに足のむくみがないか検査しています。

予防接種サービスや産前産後ケア、コレラなどの感染症の予防と治療ケアなどが子どもやその家族に提供されました。 医療ケアや保健サービスへのアクセスは、人々が健康を維持し安心して暮らすためにとても重要です。UNICEFは子どもや女性たちの健康を守る保健施設を支援しています。

保健センターで赤ちゃんを抱く母親
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
保健センターで、25歳のセリマ・ベガムが生まれたばかりの赤ちゃんとの触れ合いを喜んでいます。
診療所で母親の診察をする医師
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
受け入れコミュニティのコックスバザール県ウキア郡の診療所で、ファリダ・ヤスミン医師が、バングラデシュ人の母親を診察します。

日本政府の寛大な支援により、ロヒンギャ難民と受け入れコミュニティの子どもや女性たちに支援を届けることができました。UNICEFはパートナーとの協力のもと、今後もぜい弱な難民や受け入れコミュニティの子どもたちのために支援を行っていきます。

人形で遊ぶロヒンギャ難民の子どもたち
UNICEF Bangladesh/2020/Sujan
お気に入りのハンドパペットで遊ぶロヒンギャ難民の子どもたち。