ユニセフ議員連盟事業地視察報告② パレスチナ・西岸編

2016年10月14日 東京発

UNICEF
2016年10月14日

ユニセフ議員連盟の輿水恵一議員と阿部俊子議員が、9月17日から23日までパレスチナ、イスラエル、およびヨルダンのUNICEF事業地を訪問する視察を行いました。

 

遊牧民族
UNICEF SoP/Ahed Izhiman

 

ガザ(報告はこちらから)への視察の次の日に向かったのは西岸地区のベツレヘム。議員が訪れたのは、ベドウィンと呼ばれる遊牧民族が住んでいる地域です。彼らは基本的には一か所に定住せずに移住しながら暮らしています。このエリア一帯は岩だらけの山が連なり、水道などの基本的なサービスへのアクセスが難しい脆弱なコミュニティが点在しています。この地域に住む家族にとって農業が主な収入源になっており、家畜も飼っています。

 

ユニセフ議員連盟事業地視察報告② パレスチナ・西岸編
UNICEF SoP/Ahed Izhiman

 

水道などのインフラが届いていないこの場所では、人々はやむを得ず非常に高値で水を購入しており、ただでさえ裕福でないコミュニティの大きな負担になっています。さらに、水を求めて必要以上に移動することは彼らのコミュニティの脆弱性を高めることにもつながります。この夏はさらに水の供給が減り、衛生環境への影響なども心配されました。そのような土地で暮らす人々が安心してできる水を飲めるようにと、過去5年にわたり、UNICEFは日本政府の支援を受けて水・衛生分野における支援を行っています。議員はまず100立方メートルのタンクを見学。上の写真は、ベドウィンの村人と共に、タンクに水を入れる作業を体験しているところです。この水が、彼らベドウィンの人々の暮らしを支え、病気から身を守っているのです。

 

ユニセフ議員連盟事業地視察報告② パレスチナ・西岸編
UNICEF SoP/Ahed Izhiman

 

水タンクを見学したあとは、このタンクから実際に水を得て生活している村人の家を訪ねました。ここの家はなんと105歳になるというおばあさんを筆頭に、両親と2人の子どもが暮らしています。その子どもたちが大切そうに見せてくれた小さな手帳があります(上の写真参照)。それは、日本ではおなじみの母子手帳。実は、日本政府は水支援だけでなく、UNICEFを通じてこの地域で保健の支援もしており、ここのお母さんも母子手帳を使って子どもたちの健康を管理していたのです。『明日、下の子は予防注射に行くのよ』とお母さん。日本とは遠く離れたところに住んでいるベドウィンの一家を身近に感じる一幕でした。

 

事務所の職員と一緒に撮影
UNICEF SoP/Ahed Izhiman

 

その後、ベドウィンの一家に別れを告げて、エルサレムに戻りUNICEF事務所を訪ねました。写真は、この事務所の職員と一緒に撮影したものです。事務所特別代表、副代表をはじめとして事務所の職員全体が議員を歓迎し、長年の日本の支援に感謝の気持ちをそれぞれに伝えました。

 

パレスチナ自治政府の社会開発省大臣を表敬
UNICEF SoP/Ahed Izhiman

 

UNICEF事務所を後にしてからは、パレスチナ自治政府の社会開発省大臣を表敬し、医者でパレスチナ・ナショナル・イニシアティブ事務局長であるバルグーティ博士と会談。その後、さらに東エルサレム・シルワンにある、ワディ・ヒルワ・インフォメーションセンターの事業を視察に行きました。このシルワン地区は東エルサレムの非常に貧しい地域で、入植地拡張の影響を強く受けているところです。子どもたちが身に覚えのないことで突然イスラエル当局にとらえられるということが多発しており、センターはUNICEFとパートナーシップを組みながら、被害を受けた子どもや家族への法的支援や心理社会的支援などの支援を行っています。また、私たちが訪問した時には別の建物で子どもたちが合気道の練習をしており、護身術を習っていました。この様子を見学した輿水議員は、「子どもたちが一方的な理由により拘束されたり、学校への通学を妨げられたりするパレスチナの社会環境にあって、どんな状況下でも我慢強く冷静に行動することついて、子どもと大人が一緒に学び確認しあっていました。パレスチナの未来を守るために非暴力を貫き頑張る一人一人の姿に感動を覚えました。」と述べました。

 

輿水議員と阿部議員
UNICEF SoP/Ahed Izhiman

 

18日にパレスチナに到着してから、輿水議員と阿部議員は、精力的に日本政府が支援しているUNICEFの事業を見てまわりました。UNICEFの支援は、若者へのライフスキル授業から水を運ぶ事業にまで多岐にわたり、脆弱な立場にある子どもたちの生活を多角的に支えています。また、イスラエルとパレスチナ両方の政府高官に会い、それぞれの立場からの意見に耳を傾けました。非常に複雑な事情を抱えた地域だけに、ガザの中等学校で出会った女の子やエルサレムで護身術を学ぶ男の子をはじめ、深刻な状況を受け入れつつも前に進もうと努力している子どもたちの姿は両議員の胸に焼き付いたことでしょう。

視察一行は、パレスチナの次は多くのシリア難民を受け入れているヨルダンに向かいました。