日本政府、イラク国内避難民に対し、UNICEFを通して150万米ドル(約1億8,500万円)の緊急無償資金協力を決定

2015年7月31日 東京発

UNICEF
2015年7月31日
バグダッドにある難民キャンプで、テントに設置された教室で勉強する国内避難民の子どもたち
UNICEF/UNI194532/Khuzaie
バグダッドにある難民キャンプで、テントに設置された教室で勉強する国内避難民の子どもたち

2015年7月31日

 

人道危機が深刻化するイラクにおいて、支援のための資金が大幅に不足している状況を受け、日本政府は、同国国内で最も支援を必要とする国内避難民への支援を行うことを決定しました。

日本政府は、イラク国内の3県で避難生活を送る国内避難民に対し、水・衛生状況、教育設備等が改善されるよう、150万米ドル(約1億8,500万円)を拠出します。

これを受け、UNICEFイラク事務所の代表であるコリン・マッキネスは、「日本政府の多大なるご支援は、ドホーク、キルクーク、スレイマニアの3県で暮らす、最も脆弱な約1万8,000人以上の人々のために使われます。」と述べました。

日本政府は、開発の優先課題の一つとして、ジェンダー平等を掲げています。今回の支援は、女の子たちのプライバシー保護に配慮した「子どもに優しい空間(※)」の設置や改修にも使われます。

ドホーク県にある全18ヶ所の国内避難民キャンプにおいては、UNICEFの「子どもに優しい空間」のトイレ等の衛生設備を設置します。「『子どもに優しい空間』は、子どもたちを守り、彼らが遊んだり学び続けたりするために不可欠です。しかし、トイレが男女共用になっていると女の子は来たがりません。日本の資金協力のおかげで、男子・女子双方が「子どもに優しい空間」を活用できるようになるのです」と、マッキネスは今回の支援の重要性を強調しました。

また、スレイマニア県では、3ヶ所のキャンプに暮らしている約1万5,000人を対象に、UNICEFが水・衛生設備を設置するために日本政府の支援が使われる予定です。このプロジェクトは、現地の地方自治体との緊密な連携のもとで実施され、避難民のレジリエンス(外的ショックやストレスの発生時における抵抗力や、発生後の回復力)を強化することが期待されています。

バグダッドの難民キャンプでUNICEFの支援によって提供された安全な水を運ぶ女の子たち
UNICEF/UNI183554/Khuzaie
バグダッドの難民キャンプでUNICEFの支援によって提供された安全な水を運ぶ女の子たち

キルクーク県のようにもともと貧困に苦しむ地域では、避難民となったことで、経済的にますます困窮する人々が増加しています。キルクーク県の教育局からの要望に応え、UNICEFでは日本政府からの資金の一部を、バワキャンプにある学校の修復に充てる予定です。また、男女別のトイレを設置することで、女の子も気兼ねなくトイレを使える環境をつくる他、教室の備品なども支援する予定です。これにより、約2,000人の子どもが学校に通えるようになります。

マッキネスは、「キルクーク県では、もともと脆弱だったコミュニティが今回の大規模な国内避難民の流入により一層支援を必要とするようになってしまいました。そのような中、今回、日本政府と国民の皆さんが彼らを支援するために踏み出してくれたことに心から感謝申し上げます。」とコメントしました。

現在、イラクでは310万人以上の人々が国内避難民としての生活を強いられており、その約半数が子どもです。800万人以上が今も人道的支援を必要としており、その数は2015年末までに1,000万人にも上ると見込まれています。

 

【関連ページ】日本政府の支援によるイラクでのUNICEF支援事業


 

※「子どもに優しい空間」とは、災害などの緊急事態において、避難した先で子どもたちが安心して、そして安全に過ごすことができる場を指します。そこでは、子どもたちの遊びや学習、また心や体の健康を支えるための、多様な活動や情報が提供されます。