アフガニスタン: 3,300カ所以上で栄養不良の子どもたちに支援を提供
2024年1月7日 アフガニスタン発
2024年1月7日 アフガニスタン発
サイーダちゃんは最近、よく泣くようになりました。いつもは父親のグーズデンさんがあやすと泣き止むのですが、この日は父親の優しい声にも効果はありません。生後9カ月になるサイーダちゃんは、数週間体調が優れませんでした。
「3週間前から、嘔吐や下痢が始まりました。何かおかしいと思いました。」と、グーズデンさんが話します。
サイーダちゃんは、アフガニスタン西部へラートにある保健センターで、5歳未満の子どもの栄養状態の測定に使われる上腕周囲径測定帯を用いた検査を行いました。その結果、サイーダちゃんの上腕周囲径は10センチメートルで、重度の栄養不良の危険に晒されていることが分かりました。
栄養カウンセラーのアイシャさんは、サイーダちゃんの母親と一緒に座り、赤ちゃんに十分な母乳と栄養補助食品を与える方法を実演しながら、特に調理や食事の際に、家庭で適切な衛生を保つ方法を伝えました。サイーダちゃんには、23袋のすぐ口にできる栄養治療食が提供されました。これは、子どもに必要なビタミンや栄養素が含まれたピーナッツバターようなペースト状の治療食で、子どもたちがそのまま容易に食べられるようになっています。
子どもの食事の与え方に関するアドバイス
診察室で泣いているサイーダちゃん。その横の授乳コーナーでは、生後8カ月のファリシュタちゃんと母親のルキアさん(18歳)が、栄養カウンセラーから母乳育児や適切な補助栄養食に関するアドバイスを受けています。ルキアさんは1時間近く歩いて、ファリシュタちゃんの再診のために保健センターにやって来ました。
「今日は娘の体調がいいですね。」ルキアさんが話します。母乳が出ない日が続き、ファリシュタちゃんの体調もだんだんと悪くなっていました。初めての子育てに励む若い母親のルキアさんに、栄養カウンセラーが母親と赤ちゃんが適切な食事や栄養を摂ることの大切さを伝えています。
「子どもが栄養不良に陥る要因は複数あります。」栄養カウンセラーのアイシャさんがルキアさんに話します。「適切な母乳育児をすることができなかったり、赤ちゃんに十分な量の母乳が出なかったりすることもあります。また、この地域では特に6月から8月にかけて急性の水溶性下痢が流行り、栄養不良の子どもが増えます。」
子どもたちが十分な栄養を摂取できないと、その影響は長期にわたります。子どもの成長や発達が妨げられ、学業成績に影響が出たり、感染症で命を失う可能性が高まる発育阻害を引き起こす可能性もあります。
アフガニスタンでは、5歳未満の子どもの約10パーセントが栄養不良、45パーセントが発育阻害に陥っています。主な原因として、子どもたちが限られた種類の食材を口にし、十分な栄養が含まれた食事を取れていないことが挙げられます。3分の1近くのアフガニスタンの赤ちゃんは、生後6カ月まで完全母乳育児で育てられていません。また、清潔でない食べ物や飲み物を口にすることで、赤ちゃんが命を脅かす病気にかかるリスクが高くなり、栄養状態がさらに悪化してしまいます。
栄養不良の格差を埋めるために
重度の栄養不良に陥った子どもたちが治療ケアを受けられるようにするため、UNICEFは3,300を超える保健センターに、すぐ口にできる栄養治療食を配布しています。この支援は、日本政府やアジア開発銀行、世界銀行、アフガニスタン復興信託基金、米国国際開発庁人道支援局、アフガニスタン人道基金、カナダ・グローバル連携省、欧州委員会人道援助・市民保護総局等の支援のもと実施されています。2023年1月から11月までの間に、アフガニスタンで9,000万袋以上のすぐ口にできる栄養治療食が配布され、サイーダちゃんやファリシュタちゃんのような約66万5,000人の子どもたちの栄養不良からの回復を支えています。
また、UNICEFは母乳育児をはじめとする、乳幼児への食事の与え方を母親に伝える看護師や栄養カウンセラーなどの保健員への研修も支援しています。
サイーダちゃんの体重は、前回の診察から500グラム増えました。回復に向け、さらに14袋のすぐ口にできる栄養治療食が提供されました。隣の部屋では、ファリシュタちゃんが母乳を飲んでいます。母親のルキアさんが母乳育児のコツを身に付け、ファリシュタちゃんの食欲も回復しました。
UNICEFはアフガニスタン全土の3,300カ所以上で、栄養不良に苦しむ5歳未満の子どもたちに治療ケアを提供しています。
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