アフガニスタン:路上での生活から教室へ
2023年12月21日 アフガニスタン発
2023年12月21日 アフガニスタン発
ザイナブさん(12歳)が路上での厳しい生活から抜け出し、読み書きを学んで他の子どもたちとのつながりを持てるよう、UNICEFが支援するセンターで教師やカウンセラーによるサポートが行われています。
10歳の頃、ザイナブさんは学校に一度も行ったことがなく、自分の名前を読むことも書くこともできませんでした。ザイナブさんは、同世代の女の子や男の子が、彼女が靴磨きをする箱の前を横切って学校に行く姿を見つめていました。彼女は2年間、アフガニスタン北部バルフ県の路上で朝9時頃から午後4時まで働き、町にあるモスクの近くで靴磨きの仕事をしていました。
「路上では、ゆっくりと時が過ぎていきました。」ザイナブさんが当時のことを思い出して話します。彼女は、お客さんが来るのをお腹を空かせて待っていたと言います。それでも、彼女の稼ぎは1日に20~30アフガニー(約50セント)にも満たない額でした。市場で荷物運びをしていた2人の兄の収入を足しても、5人家族を養っていくのがやっとでした。
度重なる危機の中、女の子も男の子も、日々の食事を口にするためだけに、危険な労働を強いられています。ザイナブさんのような子どもたちは、教育を受けられず、さまざまな形の暴力や搾取、虐待に晒され、子どもらしい子ども時代を送ることができていません。
新しいスタート
日本政府や欧州連合(EU)、米国国際開発庁人道支援局、ノルウェー政府、イタリア政府、ドイツUNICEF国内委員会による資金協力のもと、UNICEFは現地のパートナーと協力し、ぜい弱な子どもたち、特に女の子や幼い子どもたち、危険な仕事に従事している子どもたちを支援しています。
ソーシャルワーカーたちが、路上で働いたり暮らしたりしている子どもや物乞いをしている子ども、迷子になった子ども、家出をしている子どもを特定し、カウンセリングや学習機会、レクリエーション活動、食事、医療ケア、家族への支援など、総合的なサービスが受けられる一時受け入れ所を紹介しています。
このような子どもたちの多くは、片親または両親を失い、学校に通ったことがありません。そして、ザイナブさんのように搾取や虐待の危険に晒されています。
UNICEFが支援する一時受け入れ所のスタッフは、靴磨きをして働いているザイナブさんを見つけ、彼女が置かれている状況をより詳しく把握するために自宅を訪問し、一時受け入れ所に登録しました。
一時受け入れ所の教員のサイーダ・ハイダリさんは、ザイナブさんがセンターにやって来た頃、彼女はほとんど言葉を発さず、他の子どもたちとの交流もうまくいかなかったと言います。教員やカウンセラーたちが、ザイナブさんが新しい友達をつくり、学び、適切な衛生習慣を身に付ける力になっています。
ザイナブさんは9カ月間、算数などの主要科目を学びました。そして、路上生活から新しい生活に適応できるようにするためのカウンセリングを受け、他の子どもたちと一緒にバレーボールや卓球にも参加しています。また、一時受け入れ所では、親たちのための前向きな子育て教室を行っており、子どもたちの交通費や必要不可欠なニーズを満たすための少額の現金を支給しています。
根気強い指導やカウンセリングのもと、ザイナブさんは新しい生活に向けて準備を整え、路上生活を終えて、初めて教室に足を踏み入れました。学校では友達もでき、好きな科目はダリ語だと言います。
「いつか先生になりたいです。」4年生になったザイナブさんが話します。
失われた機会を取り戻す
「路上での生活や労働は、子どもたちの発育や安全を脅かします。子どもたちは、学校に行く機会も、子どもらしい時間を過ごす機会も失ってしまいます。路上での過酷な生活によって、搾取や虐待、犯罪の危険も高まります。」と、UNICEFアフガニスタン事務所の子どもの保護チーフのマリヤンピライ・マリヤセルバムが語ります。
UNICEFの支援によって2022年にアフガニスタン北部で実施された調査では、13万1,400人の男の子と女の子が、暴力や搾取、虐待、家族の離散の危機に晒されていることが確認されました。その中には、5歳ほどの幼い子どもたちも含まれていました。アフガニスタン全土で、子どもたちが紙や缶、金属収集のために雇われたり、荷物持ちや小物を売って働いています。学校や家が居場所であるべきの子どもたちが、長時間路上で過ごしているのです。
UNICEFはアフガニスタン北部バルフ県のソーシャルワーカーやNGOなどのパートナーのネットワークを通じて、8,500人の子どもたちとその家族を支援しました。3,000人の子どもたちが学校に入学し、1,600人が職業訓練プログラムに参加、1,500世帯が現金給付支援を受けました。
希望に溢れた未来に向かって歩みを進めるザイナブさんは、妹のキンジャさんのためにより良い生活を送りたいと言います。
「キンジャには、私のように路上生活を送ってほしくありません。学校を卒業して教師になって、家族を支えられるようになりたいです。」と、12歳のザイナブさんが話します。
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