シリア:逆境の中の希望の光―子どもたちを病気や栄養不良から守る移動診療所
2023年11月22日 デリゾール県郊外スワイダン・シャーミーヤ村(シリア)発
2023年11月22日 デリゾール県郊外スワイダン・シャーミーヤ村(シリア)発
「子どもたちの健康を守るには、家族にとって私たちだけが頼りなのです。私たちは、この地域に支援を届ける唯一の医療チームですから。」デリゾール県のスワイダン・シャーミーヤ村を訪れた、UNICEFが支援する移動診療所で小児科医として働くマラーエさん(46歳)が説明します。
「コミュニティのリーダーや薬剤師、モスクなどを通じて移動診療所の訪問日時を伝え、家族たちが予定の時間に訪れて支援を受けられるようにしています。」マラーエさんが付け足します。
UNICEFが支援する移動診療所は、人々が基本的な保健・栄養サービスを受けられるようにするため、定期的に村を訪れています。移動チームは母親や子どもたちに診察や医療紹介、栄養不良の検査と治療ケアなどのプライマリ・ヘルスケア支援を提供する他、乳幼児と幼い子どもたちへの適切な食事の与え方に関する母親向けの啓発セッションも行っています。この移動チームは、スワイダン・シャーミーヤ村と周辺の村で暮らす1万7,000人の人々を含む3つのコミュニティにサービスを提供しています。
「双子の息子の体重が減っているので、今日は診察に来ました。健康状態がよくなければ、成長に影響が出るかもしれませんから。」と、一歳の双子のヌールくんとハッターブくんを連れてスワイダン・シャーミーヤ村のUNICEFが支援する移動診療所を訪れた母親のマハーさん(39歳)が話します。ヌールくんもハッターブくんも急性栄養不良と診断されました。二人はすぐ口にできる治療食を診療所で受け取り、継続した治療ケアを受けるために二週間後に経過観察を受ける予定です。
「この地域では今も続く紛争の影響を受けています。県内の様々な場所から避難してくる多くの家族を受け入れている地域です。移動診療所はこのような状況下で人々の健康を守るために非常に重要な役割を果たします。これらの家族の家計は厳しいものです。町の診療所に通うための交通費よりも、子どもたちの食料などの基本的なものにお金を充てることを優先するのです。食料価格の高騰、母乳育児率の低さ、若い女の子たちの間での早期結婚など、様々な理由から、この地域での栄養不良率が急増しています。」マラーエ医師が話します。
「医療費が工面できません。」2歳のファティマちゃんの母親のアンモナさん(29歳)が話します。アンモナさんは、熱を出して息苦しそうだった娘を診察に連れてきました。
「息子が下痢をしているので、二週間前に始めた治療ケアの経過観察に来ました。私も産婦人科の診察を受けて健康状態を確認する予定です。」と、一歳のモハマドくんの母親のアメナさん(26歳)が話します。「子どもたちには病気になってほしくありませんが、私には医療費が払えません。ここでは、無料で適切な医療ケアが受けられます。おかげで息子に必要な薬をもらうことができ、体調がよくなって食欲も回復しました。」
2023年1月から11月、UNICEFはシリアで約150万人の子どもたちと16万7,000人の女性にプライマリ・ヘルスケア・サービスを提供し、100万人以上の子どもと97万人以上の女性が栄養支援を受けました。これらの支援はシリアの54カ所の移動診療所と78カ所の常設診療所を通じて提供されました。
この活動は、日本政府や国連中央緊急対応基金、米国国際開発庁、豪州政府、ノルウェー政府、ニュージーランド政府、独国政府に加え、英国や独国、スイスUNICEF国内員会等の資金協力によって支えられています。
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