アルメニア:11の公立学校で、生徒の学習や衛生環境が改善

2022年2月3日 アルメニア発

UNICEF Armenia
2022年2月03日
支援を受けた学校の子どもたち。
UNICEF Armenia/2021/Biayna Mahari

2022年2月3日 アルメニア発

「校舎に新しい備品が備え付けられ、トイレが改修されました。また、新しい窓を設置するための費用も確保することができました。」2021年10月、アボビャン第8学校のフェイスブックに投稿されたUNICEFやパートナーへの感謝のメッセージは、ナゴルノ・カラバフからの避難民を受け入れている、アララト州、アルマヴィル州、コタイク州の公立学校におけるUNICEFの支援のマイルストーンを象徴するものでした。

日本政府の資金協力により、UNICEFはこれらの3州において、11の学校で新しい教室を3つ設置し、10校でトイレの改修を行うため、学校用備品や資材を提供しました。アボビャンでは現在535人の生徒が支援を受けた校舎を使用しており、約8,620人がこのプログラムの恩恵を受けています。

「ナゴルノ・カラバフ周辺での紛争後、UNICEFはナゴルノ・カラバフから避難した生徒の新たな受け入れに応じて追加支援が必要な学校を優先的に、公立学校におけるニーズ調査を行いました。多くの学校では、新たに生徒を受け入れるための教室の増設や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって特に重要となっている、衛生環境の改善が必要でした。」と、UNICEF教育専門官のアルバード・ポゴシャンが語ります。

アボビャン第8学校のルージーン・バダザリアン校長先生。
UNICEF Armenia/2021/Biayna Mahari
アボビャン第8学校のルージーン・バダザリアン校長先生。

「これまで41年もの間、この建物を改修する手段がありませんでした。学校の資産も尽きていました。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争後、学校に40人の生徒を迎え、新しい備品がどうしても必要でした。」と、アボビャン第8学校のルージーン・バダザリアン校長先生が語りました。

アボビャン第8学校で、UNICEFの職員を案内する5年生の生徒たち。
UNICEF Armenia/2021/Biayna Mahari
アボビャン第8学校で、UNICEFの職員を案内する5年生の生徒たち。

「これまでは、教室の使っていない机の上に教科書を置いていました。でも、今は新しい本棚にしまっています。見てください。ここに美術の作品を飾っているんですよ。」(エバさん(11歳))

「新しい椅子や机、本棚が運ばれてきたとき、自分たちで掃除や手入れをして、机には落書きをしないようにしようと、みんなで決めました。学校に来るのがもっと楽しくなりました。」(サンヴェルくん(11歳))

手を洗う子どもたち。
UNICEF Armenia/2021/Biayna Mahari

アボビャン第8学校には週5日、520人の生徒が通っています。「5つの校舎にそれぞれトレイが設置されていますが、この校舎にあるトイレはもう15年以上使われていません。そのため、この校舎の生徒は、トイレを使うために別の校舎に行かなくてはいけませんでした。」と、ルージーン・バダザリアン校長先生が語りました。

「2021年8月にUNICEFが学校を訪問してくださった際、パンデミック下で衛生基準をきちんと守る必要があるにも関わらず、水と衛生施設が非常に悪い状態だと指摘されました。トイレを改修することで、COVID-19のさらなる感染拡大を防ぐことにもつながるため、今は生徒だけでなく家族にとってもより安全な学校となっています。」と、ルージーン・バダザリアン校長先生が付け足しました。

「日本政府のご支援により、アルメニアの8,620人の生徒の学習環境が改善されました。今後も子どもたちの教育を優先し、学校が安全で、学力水準や身体的な健康状態だけでなく、心理社会的な福祉や健康など、子どもたちのニーズに応えられるように支援をしていく必要があります。」

UNICEF職員。
UNICEF Armenia/2021/Biayna Mahari

日本政府の資金協力により、UNICEFはこれらの州の避難民の子どもたちの教育や心理社会的なニーズにも対応することができました。秋学期にナゴルノ・カラバフ周辺での紛争が激化したため、学齢期の子どもたちに心理社会的な苦痛が生じ、学業に影響が出ていました。そして避難後には慣れない環境のなかで社会的な違いを乗り越え、新しい環境に適応する必要がありました。

影響を受けた子どもたちを支援するため、2021年、UNICEFと児童発達財団は、アルマヴィル州、コタイク州、アララト州、シュニク州において、緊急時における子どもを中心とした質の高い教育の研修を85人の教師に行い、紛争によって授業を受けられていなかったナゴルノ・カラバフから避難した子どもたちに補修授業を行いました。その結果、250人の子どもたちが補修コースを受けて知識を深め、履修できなかったカリキュラムを補うことができました。

今後5年間、UNICEFは教育・科学・文化・スポーツ省及び教育セクターのパートナーと協力し、学習回復プログラムや学習機会の喪失に対応するための教師の能力強化など、緊急時の教育プログラムの計画と実施に取り組んでいきます。また、生徒や教師のメンタルヘルスのニーズが認識され、理解されるように、社会・情緒的学習にも力を入れていきます。

 

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