マラウイ:村長や保健員と協力し、COVID-19ワクチンを効率的に必要な人々のもとへ
2022年1月12日 マラウイ発
2022年1月12日 マラウイ発
金曜日の午前11時、伝統首長領チコウィにあるチビビ村の住民たちが、モスクに足早に向かっています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するメッセージを聞くために立ち止まる人も、保健員が乗ったスピーカー付きのトラックの近くで予防接種を受ける人もいます。
「この予防接種チームは、村長からの要請で派遣されました。村長たちは、予防接種会場も探してくれましたよ。」と、地区の予防接種コーディネーターのシメオン・チズィンバさんが話します。「予防接種を受ける人を増やし、ワクチンが無駄にならないようにしています。」
地区の保健所は、ワクチンへのアクセスを向上させるため、保健センターが近くにある4人の村長に研修を行いました。
地域のリーダーたちは、地域の保健観察員と緊密に連携し、COVID-19の予防接種車が到着した際に予防接種を受けられるよう、人々に声をかけています。
「20人集まったら、保健観察員から電話がかかってくるので、ワクチンを2瓶送るようにしています。1瓶で10人分なので、無駄になることがありません。」と、チズィンバさんが話します。
この日最初に予防接種を受けたのは、エリス・ムパソさんです。
「マラウイでは、COVID-19で2,000人以上が亡くなっていると聞きました。ですから、ワクチンは重要です。著名な政治家も亡くなっています。自分の身は自分で守る必要があるのでしょうか。」予防接種を受けた後、エリスさんが尋ねました。
二児の母親である23歳のエリスさんは、移動予防接種チームに感謝の言葉を述べました。移動チームのおかげで、予防接種を受けるために長い距離を移動する必要も、その交通費を払う必要もありません。村人たちがナミカンゴ保健センターに行くには、バイクで往復約2ドル、ゾンバ中央病院まで3.5ドルほどかかります。
「健康だからこそ、子どもたちがお腹を空かせないように働くことができます。でも、ゾンバまでの交通費で1週間分の食費が消えてしまいます。」と、エリスさんが話します。トウモロコシは収穫後2週間で底をついてしまいました。今は、洗濯をしたり、裕福な隣人の畑仕事を手伝って手にする、わずかな収入で生計を立てています。
チビビ村の村長は、6月に中央病院でワクチンを接種しました。今は住民が家の近くで予防接種を受けられるようになったことをとても喜んでいます。
住民の大半がイスラム教徒のため、予防接種をモスクの近くで打てるように計画したと村長が話します。
「未知のものへの恐怖から、黙って苦しんでいた人たちに良い手本を示すために、予防接種を受けました。ですから、誤った情報によってワクチンの接種が遅れた人たちが、自宅の近くで予防接種を受けられるようになって嬉しいです。」
COVID-19の予防接種活動は、保健省やカムズ保健科学大学と協力し、UNICEFが支援しています。病院まで行くことができない人々に、より身近な場所にワクチンを届けることができるようになりました。
ショッピングモールや人の多い市場、職場、学校、モスクなど、アクセスしやすい場所で予防接種を行うことで、何千回分ものワクチンを、使用期限が切れる前に接種することができました。
「ワクチンで予防可能な原因で命を失う人がいる中で、ワクチンの使用期限を切らせるなんてことがあってはいけません。この地域では、COVID-19による死亡は確認されていませんが、COVID-19のような、変わった咳や呼吸困難を伴って命を失った人がいました。適時にワクチンを接種していれば、助かっていたかもしれません。」と、チビビ村の村長が語ります。
最初の一カ月間で、この予防接種活動を行ったおかげで、9月と12月に有効期限が切れる70万回分近くのワクチンのうち、約50万回分を投与することができました。
2021年3月にマラウイでCOVID-19ワクチンの接種活動が始まってから、UNICEFはCOVAXファシリティを通じて英国やフランス、アフリカ連合から供与されたアストラゼネカ社製のワクチンを208万9,790回分、同じくCOVIDファシリティを通じて米国から供与されたジョンソン・エンド・ジョンソン社製のワクチンを65万5, 200回分とファイザー社製ワクチンを37万2, 060回分の輸送の促進を行っています。また、UNICEFは日本政府やGaviワクチンアライアンスの資金援助で、マラウイ政府がワクチンを安全に保管・輸送し、予防接種サービスを行うためのコールドチェーンシステムの支援を続けています。
UNICEFマラウイ事務所代表のルドルフ・シュベンクは、UNICEFは今後の予防接種計画や活動への支援に力を尽くしていくと語ります。「UNICEFは保健省と協力して、COVID-19のワクチン接種における壁に対応しています。UNICEFはワクチン接種計画の策定や、マラウイで最も人里離れた地域で暮らす人々にワクチンを届けるための資金調達を支援しました。」
30台の車にそれぞれ4人のワクチン接種者とエンターテイナーが乗り込み、COVID-19に関するメッセージに合わせてヒット曲を流しながら、拡声装置を使って村や都市部を訪問します。
地区予防接種コーディネーターのシメオン・チジンバさんは、UNICEFとパートナーが、地域の保健員やリーダーを巻き込むことで、COVID-19ワクチンの接種人数の増加を支えたことに感謝の言葉を述べました。
「予防接種車が対象地域に行く前に、地域のリーダーや影響力のある人々が保健員と協力して人々を動員し、ワクチンの重要性と予防接種場所を伝えています。そのため、車が到着したら、予防接種を始める準備ができているのです。」と、シメオンさんが語ります。
予防接種拡大計画のコールドチェーンマネージャーであるンパツォ・ムテンジェさんは、ワクチン接種回数が増加したことで、ワクチン保管施設への負担が減ったと語ります。
「キャンペーンの前は、毎月20万から23万5,000回分のワクチンを輸送していましたが、今では最大40万回分を届けています。これらのワクチンが各地域に送られることで、さらに多くのワクチンを保管することができます。」とンパツォさんが語ります。
「予防接種のペースが遅いと、国や地域、地区のワクチン保管庫の冷蔵庫の中で、ワクチンの使用期限が切れてしまいます。COVID-19の予防接種だけでなく、そのほかの定期予防接種のワクチンにも影響が出てしまうでしょう。」
「ワクチンを利用できる人が増えたため、使用期限が12月だったワクチンを使いきることができました。ワクチンが使用期限切れになる可能性を口にする人もいましたが、多くの人がワクチンの予防接種を受け、使用期限が迫っているワクチンをすべて使用することができました。」(ンパツォさん)
【関連ページ】日本政府の支援によるマラウイでのUNICEF支援事業