イエメン:栄養不良から回復を遂げる2歳のアシールくん
2022年2月9日 イエメン発

2022年2月9日 イエメン発
2021年6月、とても弱っていて食事を受け付けないことを心配した両親は、2歳のアシールくんをイエメンのサヌアにあるアル・サバイーン病院に連れてきました。アシールくんは生後2カ月から重度の急性栄養不良に陥っていました。保健員が腕回りの太さを測り、栄養不良の検査を行いました。そしてアセールくんは4日間、病院で治療ケアを受けることになりました。
日本政府などの支援により、UNICEFはアセールくんが治療ケアを受けたような34の栄養治療センターを支援し、合併症を伴う重度の急性栄養不良の子どもたちに治療ケアを提供しています。2021年、UNICEFの支援で14万人の6カ月から59カ月の重度の急性栄養不良の子どもが入院して治療ケアを受け、310万人の子どもにビタミンAを含む微量栄養素が提供されました。
栄養治療センターに入院したときにわずか4キロだったアシールくんの体重は、治療ケアを終える頃には2キロ以上も増加しました。

4カ月後、アシールくんは再び栄養治療センターを訪れ、経過観察を受けました。健康状態はよくなり、体重も増えていました。しかし、回復には時間がかかり、まだ重度の急性栄養不良から抜け出していない状態であると医師から告げられました。それでも、アシールくんの頬は健康な2歳児に近い状態になってきていることに、保健員は喜びました。

そしてアシールくんは、体重測定や検査時に笑顔を見せるようにまでなりました。
栄養治療センターへの支援は、現在イエメンの子どもたちが直面している栄養不良の危機に対するUNICEFの対応を継続するために不可欠です。UNICEFはまた、栄養治療センターに必要不可欠な栄養物資を調達して届け、イエメンで最もニーズが高い地域に暮らす、たどり着くことが困難な子どもたちや母親、国内避難民に支援を行う180の移動保健チームを支えています。イエメンでは230万人以上の子どもたちが急性栄養不良の危険に晒され、40万人以上が重度の急性栄養不良に陥る危険があります。彼らの命は危機に瀕しているのです。