シリア:乳幼児の適切な栄養と食事習慣の改善を支援
2019年8月4日 ダマスカス(シリア)発

2019年8月4日 ダマスカス(シリア)発
「子どもへの食事の与え方に関する親たちの考え方や行動の変化を見ると、私たちの活動が効果をもたらしていることがわかります。」と、ダマスカスで乳幼児の適切な食事の与え方に関する認識を高めるための集会を開いている、UNICEFが支援する保健員のノウラ・クレイディが話します。
ダマスカスのルクネディン地区 にあるUNICEFが支援する診療所で毎週保護者と一緒に行われる集会で、27歳の薬剤師であるノウラはあまり好ましくない子どもへの食事の与え方をよく目にすると言います。
「貧困や十分な食事量を摂られないことが原因で母乳が十分に出ない母親たちが暮らす最も困難な地域では、赤ちゃんに砂糖とでんぷんを溶かしたものを与えることがよくあります。」と、彼女は言います。「長期的にみると、この習慣は子どもたちの消化器官に悪影響を与える可能性があります。」

子どもたちがよりよく生きていけるように、不適切な食事の与え方による悪影響から子どもたちを守るため、ノウラはシリア中でUNICEFの支援を受けて活動する1,800人以上の保健員と共に、保護者のために無料で相談を受けたり認識を向上させたりするための集会を開催して、子どもの食事の与え方に関する注意すべき点を説明しています。
「母乳育児の早期開始や完全母乳育児、そして生後6カ月からは栄養がある安全な補完食を与え始めることの大切さを母親たちに教えています。」とノウラが話します。
「母親たちに母乳育児を促すために、母乳育児が果たす赤ちゃんの健康や免疫、そして赤ちゃんとお母さんの絆を深める効果について説明しています。」

日本政府や、米国海外災害援助室(OFDA)、英国国際開発省(DFID)、欧州委員会人道援助局 (ECHO)、ルクセンブルク政府、シリア人道基金(SHF)から寛大な資金援助を頂き、UNICEFは2019年以降、UNICEFが支援する850以上の保健センターとシリア全土の50の移動保健チームを通じて、14万2,400人以上の保護者たちに乳幼児と子どもの適切な食事の与え方関する相談や集会を行うことができました。
【関連ページ】日本政府の支援によるシリアでのUNICEF支援事業