イエメン: きれいな水と健康的な環境で生徒の学習環境が向上
2019年4月29日 イエメン・アデン発
2019年4月29日イエメン・アデン発
改善された水と衛生サービスは、すべての子どもや10代の若者にとって必要不可欠な権利です。しかし、現在も紛争が続き、国内で機能している学校が限られているという状況の中、これらのサービスを学校で提供するには大きな課題が残っています。イエメンにある学校の5校に1校は、深刻な被害を受けていたり、破壊されていたり、または軍事目的で使用されていたり、家を追われた人々の避難所として利用されているため、使用することができなくなっています。
このような困難にもかかわらず、子どもたちに健康的な環境を提供するため、UNICEFとパートナーは学校への教育物資の提供や啓発事業、修繕などの支援を続けています。

UNICEFは最近、清潔な水の不足や乏しいインフラ設備に苦しむイエメン南部のアデンとラヒジュにある学校の80の水と衛生施設の改修を完了しました。
生徒たちが病気にかからないよう、これらの学校には衛生キットとゴミ箱も提供され、生徒たちと学校職員が健康的な習慣を身につけることができるよう、衛生啓発セッションも行われました。そして、コレラや水が媒介する病気の広がりを防ぐため、下水管網の改修も実施しました。これらの支援は、生徒たちが学校生活を楽しみ、健康を保ち、最適な環境下で学習できるようにするために行われ、適切な水と衛生施設を使用できるようにすることで、子どもたちの生活を根本的に大きく変えてきました。

1,500人の生徒を有するアデンのアルマアラ地区のアブバクル・アルサディック学校では合計19の洗面器とトイレが改修されました。
アブバクル・アルサディック学校の1年生、7歳のマリヤム・ナシュワは、トイレがきれいになって、いつでも水を使うことができるようになり、大喜びです。
UNICEFの支援により、8年生のナダ、マイ、ファティマはアブバクル・アルサディック学校で新しく改修された水の施設を利用することができるようになりました。

生徒のためのきれいな環境づくりのために提供された衛生キットの一部として、アデン県とラヒジュ県の学校にゴミ箱が提供されました。
水と衛生施設の改修が行われた学校の一つ、アデンのレイダン学校の教室。

アデンのアブバクル・アルサディック学校の生徒のマイ・ ムニール(14歳)は「以前のトイレは清潔ではなく、学校に水もありませんでした。学校が終わるまで待って、家に帰ってからトイレを使わなくてはいけいけなかったのです。でも今は、学校のトイレはきれいだし、いつでも水が使えます。」と話してくれました。
この支援は、UNICEFの主要なパートナーである日本政府の資金援助のおかげで行うことができました。今回のご支援のおかげで、UNCIEFは緊急支援と開発支援の双方のアプローチにおいてイエメンの子どもたちの最も大きな緊急ニーズに対応しています。
【関連ページ】日本政府の支援によるイエメンでのUNICEF支援事業