ユニセフ議員連盟総会に、黒柳徹子UNICEF親善大使とアンソニー・レークUNICEF事務局長が出席
2017年5月15日 東京発
ユニセフ議員連盟総会が5月11日、東京都千代田区永田町の衆議院第1議員会館であり、UNICEFの理念に共感する32人の国会議員(代理出席含む)、黒柳徹子UNICEF親善大使、アンソニー・レークUNICEF事務局長が出席し、日本とUNICEFのパートナーシップの強化について意見を交換しました。
開会の挨拶で小渕優子副会長は、子どもたちを取り巻く世界の環境は改善しつつあるものの、難民、移民、感染症といった課題がまだ残っており、超党派であるユニセフ議員連盟のメンバーが解決に向けて力を合わせていく必要性があると述べました。また、昨年は議員連盟メンバー2人がパレスチナとヨルダンを訪問し、UNICEFの活動を視察したことを報告。今後、ますますユニセフ議員連盟の活性化を図っていきたいと意気込みを語りました。
レーク事務局長は、戦後まだ間もない時期に日本はUNICEFによる支援を受けていたことに触れ、1964年の東京オリンピックを機に日本がUNICEFの支援を卒業し、世界の子どもたちを支援する立場に転身して多大な貢献をしてきたことに謝意を表明しました。また、東日本大震災が発生した2011年には、約50年ぶりにUNICEFが日本の子どもを支援し、同年、被災地である宮城県の女川を黒柳大使と訪問したことを振り返りました。また、強固なパートナーシップのためにはパートナーが同じ戦略を共有することが重要であるとも強調。日本が自国の経験を生かして推進してきたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC=すべての人が、適切な保健・医療サービスを、支払い可能な費用で受けられること)が、いかに世界の子どもの貧困撲滅に有効であるかを説明しました。その上で、貧困や虐待、紛争などの影響下にある最も脆弱な子どもたちを積極的に支援していくことが、持続可能な開発と発展を世界中で達成するために必要不可欠であると訴えました。
黒柳大使の司会で進行したパネル・ディスカッションでは、外務副大臣の岸信夫議員(自民党)、UNICEF議員連盟副会長の谷合正明議員(公明党)、野田聖子議員(自民党)が参加。「日本政府がUNICEFへの支援を通じて期待することは何か」という問いに対し、「テロ、紛争、自然災害などにより多くの子どもが危険にさらされている中、UNICEFは幅広いネットワークと支援のノウハウを有している。引き続き、子どもたちの権利の守護者でいてほしい」(岸議員)、「現場第一主義を貫き、資金を一番厳しい現場に割り当てるべき。そしてそこで起きていることを共有し、我々の問題として考えるきっかけを作ってほしい」(谷合議員)、「日本と国際社会はますます切っても切れない関係になっていく。UNICEFは日本の子どものためにもあるという意識を広めてほしい」(野田議員)といった意見が出されました。レーク事務局長は、政治に干渉しないからこそ自由に展開できるUNICEFの支援の強みや、人道支援だけでない長期的な開発支援をしているUNICEFだからこそ緊急課題と長期的開発をつなぐ必要性があると話しました。
日本の子どもの状況について、レーク事務局長は「子どもは誰ひとりとして取り残されてはならない」と改めて強調し、「世界の持続的な発展と開発のためには、先進国と途上国が同じ意識と責任感を持って課題に取り組んでいかなければならない」と訴えました。谷合議員は、「『誰ひとりとして取り残されてはならない』というのは大切な理念。途上国の遠い世界のことではなく、自分たちのこととして捉える必要がある」と指摘しました。
総会では、「UNICEF対する通常予算への拠出増額に係る要望書」が採択されました。この要望書は、ユニセフ議員連盟により、安倍晋三内閣総理大臣、外務省、財務省へそれぞれ届けられる予定です。