日本政府、ロヒンギャ難民を対象にした人道支援へ UNICEF通じ75万ドルの緊急無償資金協力を実施 バングラデシュ
2017年10月15日 コックス・バザール発
2017年10月15日 コックス・バザール発
ロヒンギャ難民のコックス・バザールへの新たな流入に対し、水・衛生と子どもの保護分野における緊急支援を強化するため、日本政府はUNICEFを通じて6カ月間にわたる75万ドルの緊急無償資金協力を行いました。この緊急無償資金協力は、UNICEFが現在この地域で取り組んでいる同分野の事業に使われます。
2017年8月以来、50万人以上のロヒンギャの人々がコックス・バザール県に到着し、その6割は子どもであると推測されています。その大多数は、県内の一時受け入れ施設や非公式の簡易住居エリアで暮らし、過酷で不衛生な生活を余儀なくされています。
UNICEFバングラデシュ事務所代表のエドゥアール・ベグベデは「難民キャンプや一時受け入れ施設での水・衛生の状態はひどく、連日人々が押し寄せる中、状態はさらに悪化しています。特に子どもたちの間で下痢やその他の水系感染症が発生する可能性が非常に高くなっています。子どもたちはミャンマーで目にしたり体験したりした暴力のせいで心に深い傷を負っており、早急な心理社会的サポートと遊びの場や機会の提供が求められています」と話しました。
この緊急無償資金協力によって、ロヒンギャの子どもたちとその家族2万4,800人、間接的に支援を受ける人々を含めると6万人に水・衛生施設が提供され、厳しい状況が改善されます。安全な飲み水の提供や、男女別に分けられ障害がある人にも使いやすいトイレやシャワー、手洗い設備の整備、緊急の水・衛生用品の配布、さらに衛生促進のための啓発活動も実施されます。
また、子どもたち5千人に「子どもにやさしい空間」などの保護サービスの提供、子ども一人ひとりにあわせたケアを行うケースマネジメントの実施、脆弱な子どものいる家庭への支援を行います。病院やカウンセリングなど必要な支援サービスを紹介する制度も整備、運用され、20万人の子どもたちすべてが間接的に裨益することになります。
この緊急無償資金協力は、効果的な対応を行うためにすべての人道支援団体の密接な連携を促進しつつ、ロヒンギャの子どもたちとその家族の切迫したニーズに応えるために使われます。
(写真:路上で赤ちゃんを抱いて立ち尽くすロヒンギャの女性。夫とほかの2人の子どもは簡易住居を探しに行った=2017年9月15日、コックス・バザール)
【関連ページ】日本政府の支援によるバングラデシュでのUNICEF支援事業
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