日本政府、マダガスカル南部の干ばつの被害を受けた人々を支援するため5億円の無償資金協力を決定
2017年3月8日 アンタナナリボ発

2017年3月8日 アンタナナリボ発
日本政府は、マダガスカル南部の干ばつの影響を受けた人々に対し、特に保健と水・衛生分野において支援を行うため、UNICEFを通じて総額5億円(約428万5,000米ドル相当)の無償資金協力を決定しました。
マダガスカル南部は、この数年雨不足に苦しんでいます。マダガスカル南部で最も大きな被害を受けた8地域では、推定110万人が干ばつの影響を受けています。
長引く干ばつの結果、特に妊娠中の女性や乳幼児は栄養価の高い食べ物を摂ることができなくなっています。安全な飲み水や衛生施設へのアクセスが制限され、衛生習慣の欠如も手伝って栄養状態が悪化しています。5歳未満の子どもの間で肺炎、下痢、マラリアなどの感染症が蔓延している地域では、質の高い保健サービスへのアクセスが困難なことにより、状況がさらに深刻化しています。
最も被害の大きい8つの地区全体で74万8,000人の人々が、保健センターから歩いて2時間以上の所に住んでおり、そのうち13万990人が5歳未満の子ども(うち3万人は新生児)、3万4,000人が妊娠中の女性、17万8,000人が出産可能年齢の女性といった最もリスクの高い人口集団です。
「5歳未満の子どもの間の水不足や劣悪な衛生状況は劇的に深刻化しており、肺炎、下痢、マラリアの症例増加により乳幼児死亡率も増加しています。」と小笠原一郎駐マダガスカル日本大使は述べました。「この人道的緊急事態に対応するため、マダガスカル政府からの要請に応えて、日本政府は同国南部の被害を受けた人々を支援するため様々な国連の事業に資金協力を行うことを決定しました。今回の支援により、日本の貢献額は総額で約900万米ドルとなり、その半分が本日署名されたUNICEFの事業に割り当てられます。」
マダガスカル南部において、UNICEFは地方自治体や省庁、他の国連機関と密に連携し活動を行っています。
「持続可能な対応を確保するため、我々の緊急支援は、以前から災害そのものへの対応だけでなく、根本的な原因への対応をも含めた複数分野でのアプローチに焦点を置いています。」UNICEFマダガスカル事務所のエルク・ウィッシュ代表は述べました。「国連システム全体に対する共同支援に加え、今回いただいた日本政府からの多大なご支援により、最も不利な状況にある地域に住む人々をはじめとした全ての人に衛生設備と安全な水を公平に届け、また全ての人の衛生習慣を改善するために、当国の制度強化を支援することができます。」
日本の支援により、UNICEFが行う具体的な活動は次の通りです。
- 50か所の保健センターの修繕による質の高い統合的な基礎的保健サービスの提供
- ヘルスワーカーのトレーニング
- 遠隔地に住む人々へ保健サービスを提供するためのアウトリーチ活動の強化
- 保健情報システムの強化と在庫切れを防ぐためのサプライチェーンの改善
- 給水所の建設と修繕による保健センターおよびコミュニティへの安全な水、衛生施設、緊急サービスの確実な提供
- 野外排泄の根絶と改善されたトイレの利用および衛生習慣の実践の促進
【関連ページ】日本政府の支援によるマダガスカルでのUNICEF支援事業
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