パプアニューギニア:デジタル化でワクチン管理に大きな変化をもたらす
2025年2月27日 パプアニューギニア発
2025年2月27日 パプアニューギニア発
赤ちゃんを抱きながら、母親たちが診察の順番を待っています。泣いている赤ちゃんをあやしている人もいれば、好奇心旺盛な子どもを追いかけている母親もいます。
パプアニューギニアの首都ポートモレスビーにあるこの診療所は、いつも賑わいを見せています。
診療所の中では、ガリア・ベイカーさんとジュディ・アギさんが、すべての子どもたちが命を守るワクチンを確実に接種できるよう、休むことなく必要不可欠な予防接種サービスを提供しています。日本政府の寛大なご支援で実現したワクチン管理システム「mSupply」のおかげで、この診療所は4年で驚くべき変化を遂げました。
mSupply導入前、ガリアさんとジュディさんは紙とペンを用いて昔ながらの方法でワクチンの在庫を管理しており、頻繁に遅延や不足が発生していました。「ワクチンの在庫がなくなることがよくありました。」ジュディさんは振り返ります。「新しいワクチンが届くと、再診の家族たちと新規の患者が一度に押し寄せて混雑し、待ち時間が長くなって不満も出ていました。」
多くの家庭にとって、予防接種を予定通り受けられないということは、ただ不便なだけではありません。経済的な負担も伴います。「保護者の多くは露天商です。」ガリアさんは説明します。「別日にまた診療所を訪れないといけないなると、親たちは1日分の収入を失ってでも再び子どもを連れて来るか、予防接種を先延ばしにするかという難しい選択を迫られます。」
混雑によって、状況はさらに悪化していました。「予防接種を受けられなかった親たちが翌日戻ってきても、その日に予約を取っていた赤ちゃんたちもいるのです。小さな診療所では対応しきれないうえに、日中の気温上昇も加わって、耐え難い状況になっていました。」
今ではmSupplyで自動的にワクチンの発注数が計算されるため、安定した供給が確保され、在庫切れを防ぐことができるようになりました。しかし、依然として課題は残っています。停電が起こると、適切な温度でワクチンを保管するコールド・チェーンに影響が及ぶ危険があります。リスクを緩和させるため、この診療所では月に4回ワクチンを発注することで、常に効果が保たれた状態でワクチンを保管できるようにしています。
mSupplyはパプアニューギニアにおけるワクチンの供給に大きな変化をもたらしました。待ち時間が短縮され、家庭の経済的負担の軽減につながり、より多くの子どもたちが適切な時期に予防接種を受けられるようになりました。このシステムは、効率的なワクチン管理の基盤を築き、予防接種サービスの強化に重要な転換点をもたらしました。
UNICEF保健部門チーフのサティシュ・グプタは、予防接種は最も効果的な公衆衛生に関する支援の一つであり、ワクチンは世界中で何百万人もの子どもたちの命を予防可能な病気から守ってきたと言います。「mSupplyの導入のおかげで、保健員がタブレット上の簡単なアプリを使って、ワクチンの発注や予測を正確に行えるようになりました。」とグプタが語ります。
UNICEFは、日本政府やパプアニューギニア政府、GAVIワクチンアライアンスと連携して、すべての子どもたちが命を守るワクチンを確実に受けられるようにするための取り組みを続けています。この支援により、パプアニューギニアのすべての子どもたちのためのより健康な未来が切り拓かれています。
【関連ページ】