ヨルダン:10代の少女たちの言葉に表せない喜び―安全な対面教育の再開

2021年8月24日 マダバ(ヨルダン)発

UNICEF Jordan
2021年8月24日
アラーさん(15歳)
UNICEF Jordan/2021
「学校の水と衛生施設が改修されて嬉しいです。」アラーさん(15歳)

2021年8月24日 マダバ(ヨルダン)発

ヨルダン中部にあるマダバ女子中等学校を訪れると、女の子たちの声が廊下に響き渡っていました。少女たちは、国が定める新型コロナウイルス感染症( COVID-19)の安全対策の下で再開された対面での授業に大喜びです。

この学校はマダバで最も古い女子校で、マダバ市およびその近郊に暮らす、9年生から12年生までの10代の少女たちが通っています。

マダバ女子中等学校の校長であるニスリーン・アル・クドール先生は、「私自身も、1995年にこの学校を卒業しています。」と振り返ります。

アル・クドール先生は、「昔と比べ変わりました。生徒はたくさんの質の高い設備の中で、自分の考えを共有するより多くの機会に恵まれ、コミュニティとの関わりも増えています。」と付け加えます。10年生の教室に入ると、女の子たちの前向きなエネルギーが感じられ、学校に戻ることを強く望んでいたのだと感じました。

「今日の気持ちをどう言葉にすればいいか分かりません。」と、16歳のラニームさんが語ります。10年生のラニームさんは12人の大家族出身で、クラスで一番の成績を収めています。「学校で授業を受けることを待ち望んでいました。」

マダバ女子中等学校の生徒たち
UNICEF Jordan/2021

ヨルダンでは、200万人を超える生徒が学校に通っています。大半を占める約160万人の生徒が公立学校に在籍しており、その半数が女の子です。子どもたちが安全に学校に戻ることができるよう、教育省は、生徒や学校関係者を守るための安全策を制定しました。

UNICEFヨルダン事務所 教育チーフのジェマ・ウィルソン・クラークは、「生徒たちが安全な学校に戻る姿を見られてとても嬉しいです。特に女の子にとって、対面教育に勝るものはありません。」と語ります。

最近の研究によると、ヨルダンは学校の完全休校日数が最も長い19の国の一つでした。2020年3月から2021年2月までの間に、ヨルダンでは148日間、学校が完全に閉鎖されました。

教育チーフのウィルソン・クラークは、「ヨルダン政府、特に学校を安全に再開して下さった教育省に感謝いたします。ヨルダンのすべての子どもたちが教育を受けることで、子どもや若者は人生や将来の仕事、積極的な市民活動への準備を整えることができます。」と語ります。

日本政府のご支援で改善された手洗い場。
UNICEF Jordan/2021

清潔で安全な学校環境を作り、女の子たちを学校に

マダバで最も古い女子校であるマダバ女子中等学校では、学校の設備、特に水と衛生設備の改修が必要とされていました。

日本政府と国民の皆様からの資金援助により、UNICEFはこのニーズに対応し、14基のトイレと12の手洗い用の蛇口を修繕し、障がいを持つ子どもたちのための水と衛生施設を設置しました。また、月経衛生管理を含めた正しい衛生習慣の重要性に関する意識向上のための授業を行い、10代の少女たちが参加する気候変動に関するクラブの活動も支援しています。

ラニームさんは、「もう授業を休むことはありません。手を洗うための石鹸と水があるトイレを使うことができ、まるで家にいるように安心できます。」と語ります。

生徒たちが適切な水と衛生設備を使えるようにすることは、COVID-19のパンデミック下では特に重要です。生徒たちがウイルスの蔓延を防ぐための正しい衛生習慣を学び、周りに良い習慣を広めることができるようになります。

マダバ女子中等学校の生徒たち
UNICEF Jordan/2021

ラニームさんは、「水を賢く使うことの大切さを学びました。今では、私が12歳の双子の妹、ジャナとジーナに教えています。」と語ります。

気候変動クラブのメンバーとして、ラニームさんと彼女のクラスメイトは、環境保護に関する近所の人々の意識を高めるための活動を行っています。

ラニームさんは、「他の若者たちに、気候変動の影響を減らすためには節水や植林、リサイクルが重要だと伝えています。近い将来、ブロガーになって他の人に影響を与えられるようになり、すべての子どもたちのために、より良く健康的な環境を守っていきたいです。」と語りました。

マダバ女子中等学校
UNICEF Jordan/2021