トルコ:父親向け教育プログラムを通じて、子育てに関する意識を変革

2021年4月15日 トルコ発

UNICEF Turkey
2021年4月15日

2021年4月15日 トルコ発

社会経済的に阻害されたコミュニティで暮らす、主に3歳~5歳の幼い子どもを持つ難民やトルコ人の母親を対象に実施している自宅で行う就学前教育に、最近、革新的な「父親向け教育プログラム」が加わりました。既に自宅で行う教育プログラムに参加している母親たちのニーズに合わせて、専門家の支援を受けて準備された、この父親向けの教育プログラムは、ジェンダーに配慮したアプローチを取っており、幼い子どもたちの発達をサポートするために、父親の参加を促進させるべく開発されました。

自宅での就学前教育プログラムでは、社会的・情緒的な発達や認知的発達、子どもとのコミュニケーション、学校入学に向けた準備など、幼い子どもの発達に関する幅広い分野の11週間分の教材が母親に提供されます。11週間にわたって毎週さまざまなテーマに関するコンテンツが母親に届けられ、子どもたちには家庭での学習をサポートするための週ごとのアクティビティが載ったノートや文房具が提供されます。父親向け教育プログラムが始まったことで、これまで実施されてきた自宅での学習プログラムは、父親と母親、そして子どもたちを支援する、より包括的なものになりました。

Father Education Program in Turkey
UNICEF Turkey/Onat

父親向けの教育プログラムは、母親のためのプログラムと同時に行われます。父親には、子ども向けのオーディオブック1冊と、子育てに関するガイドブックなどが毎週提供されます。ガイドブックには、子育てや子どもの成長をサポートするための父親向けの情報やヒントなどが載っています。そして、絵本を読みながらストーリーやイラストに関する質問をすることで、子どもと一緒に対話を重ねながら読書をすることができます。楽しく物語を聞いたり伝えたりすることで、識字能力の基礎となる理解力と言語能力を育むことができます。このプログラムに参加した多くの親たちが、親せきや友達にプログラムを勧めています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴って、プログラムは遠隔学習へと移行し、2020年3月以降、就学前教育の教員による対面式の家庭訪問に代わって、電話や携帯電話のメッセージアプリを使った母親との定期的なコミュニケーションが行われるようになりました。母親は携帯電話で父親向けの教育プログラムの教材を受け取ると、それを父親と共有し、子どもたちと一緒に楽しんで行うことができるこの学習に参加するように勧めます。

この父親向け教育プログラムは、日本政府の寛大な支援により、UNICEFとトルコ開発基金の協力の下、南東アナトリアプロジェクト(GAP)地域開発機関が実施しています。これまでに、2,872人の父親と4,867人の子どもたちがプロジェクトに参加しました。

Father Education Program in Turkey
UNICEF Turkey/Onat

「まだ寝たくない。」エフェが母親にお願いしました。「キツネみたいに走り回りたいな。」

エミネの父親のアハメドが読み聞かせを止め、話を聞いていたエミネに尋ねます。「キツネはどんな姿をしていると思う?」5歳のエミネは、1年後には学校に通うようになります。キツネを見たことはありませんが、他の物語で聞いたことを思い出しながら、「キツネは犬に似てる?」と尋ねました。二人はしばらくキツネがどんな姿をしているか話し、エミネが質問を終えたところで、一緒に物語の続きを読み始めました。

自宅における就学前教育の教員から、父親向けの教育プログラムに参加している父親に毎週1冊のオーディオブックが届けられます。父親は子どものために物語を聞かせ、子どもが話に集中できるように質問をしながら、物語を理解できるようにしていきます。この新しいプログラムのおかげで、父親は幼い子どもとの絆をより強くする楽しい方法を見つけ、子どもの成長とケアにより深く関わることができるようになりました。

Father Education Program in Turkey
UNICEF Turkey/Onat

アハメドが、このプログラムに参加した経験を語ります。「実は、妻に『何も難しいことではなく、携帯電話のアプリを使って子どもたちに物語を読んであげるんだよ。』と言われたとき、『どうやってそんなことができるんだろう。もし、物語の内容がすべて理解できなかったらどうしよう。』と思いました。でも、順番に詳しい説明が載っている説明書を読んで物語を聞いたら、とても分かりやすい言葉が使われていました。恐れていたようなことは何もなく、問題なく聞いて理解することができました。父親としての責任を一つ果たすことができて、とても嬉しいです。日々の忙しさに追われていると、子どもたちと時間を過ごすことを忘れがちになります。このプログラムのおかげで、子どもたちと楽しい時間を過ごすことができるようになりました。」

 

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「このプログラムは、私たちが長年母親たちに対して行ってきた活動とよく似ており、父親に絵本やガイドブックを提供しています。主な目的は、父親と子どもたちとのコミュニケーションの強化や、子どもの学習により父親が関与できるようにすること、COVID-19のパンデミックで負担が増えた母親により時間の余裕を持ってもらえるようにすることです。このプログラムを通して、父親の家庭内での存在感を高め、子どもたちとより質の高い時間を過ごしてもらい、子どもの人生にもっと関わってもらうことを目標にしています。」(現地のプログラム・コーディネーター)

 

【関連ページ】日本政府の支援によるトルコでのUNICEF支援事業