ラオス:農村部の就学前教育をより効果的に

2020年10月8日 ラオス発

UNICEF Lao PDR
2020年10月08日
数え方や色について紐などを用いて学ぶ子どもたち
UNICEF Laos/2020/DChoi

2020年10月8日 ラオス発


2月の寒い朝、ラオス北東部のシェンクワン県にあるノンボアソン小学校で1時間目の授業の準備をする、就学前教育の教員のミン・プアンタボン先生。県都にある自宅から学校まで、緑豊かな丘陵地に囲まれた曲がりくねった道を、車で1時間ほどかけて通っています。

ミン先生はUNICEFが実施した就学前教育の教員研修で配布された教材を手に、熱心な子どもたちが待つ教室に向かいます。研修で学んだ新しい知識を用いて子どもたちに授業をすることが、楽しみで待ちきれません。

「研修を受けてからまだ間もないですが、すでに授業には良い変化がみられています。」ミン先生

細いパイプに針金で糸を通す方法を見せるミン先生
UNICEF Laos/2020/DChoi
細いパイプに針金で糸を通す方法を見せるミン先生。子どもたちは集中して見入っています。

2018年の大規模な洪水被害を受け、UNICEFは日本政府の支援のもと「ラオスの水害被災地域における学校教育セクターの復旧復興プログラム」を実施しています。この取り組みは、洪水後の教育セクターの持続可能な復興を支援し、災害に対するレジリエンス(回復力)の向上を目指しています。洪水の影響を受けたシェンクワン県とアッタプー県では、プログラムの一環として、子どもにやさしく効果的な就学前教育の教授法に関する教員研修が行われました。

研修では、指導案の作成方法や地元で手に入る教材の使い方、効果的な教育方法が教えられました。経験豊富な教員たちでさえ、教え方は常に進化して新しくなっており、学ぶことがたくさんあるということを実感しました。

ミン先生が授業で用いる教材
UNICEF Laos/2020/DChoi
ミン先生は、地元で手に入るものを教材に使用しています。

「研修で学んだ貴重な教育方法を、毎日自分のクラスで実践しています。」とミン先生が話します。「ラオスでよくある間違いは、教師が子どもたちに自ら答えを探す機会を十分に与えていないことです。今では、私の教え方はより子ども中心のものになり、子どもたちが自分で問題の解決策を見つけるように促しています。」

ミン先生は地元にある身近なものを教材として使うことも学びました。子どもたちは石や棒、ヒモなどで遊びながら数の数え方や色の見分け方を学ぶとき、集中が最高潮に達します。このようなインタラクティブな授業で、子どもたちはより良く、より早く学習を身に着けることができるようになりました。

ラオス語の授業で黒板を見つめる女の子
UNICEF Laos/2020/DChoi
ラオス語の授業で、黒板を集中して見ている女の子。

「教材は大きくて高度なものが良いと、いつも思っていました。」とミン先生が言います。「活動や子どもの年齢に応じた正しい教材の使い方を研修で学ぶことができました。」

ラオスでは、乳幼児期の子どもの教育の強化の重要性が高く認識されており、教育・スポーツ省の優先分野となっています。乳幼児期の子どもの教育は子どもの認知的、身体的、社会情緒的な発達に重要な役割を果たしており、その効果は生涯にわたるものです。養育者や先生など、大人との積極的な交流は、子どもたちの成長と学習に不可欠です。

しかし、ラオスでは5歳児の3分の1の子どもしか乳幼児期の子どもの教育プログラムに参加していません。また、乳幼児期の子どもの教授法やサービスの質も県や地区によって大きく異なり、特にミン先生 が勤める学校のような遠隔地では、その差が大きいのです。さらに、ラオスでは異常気象や洪水などの気候変動に対するぜい弱性が高まっており、問題にもう一つの側面が加わっています。

異なる大きさの容器に水を入れ、子どもたちに見せるミン先生
UNICEF Laos/2020/DChoi
異なるサイズの容器に水を入れて見せるミン先生。

ミン先生や就学前教育の先生たちは、研修以外にもコーチングやメンタリングなどを通して県や地区の教育局からのサポートを受けています。これにより、訓練を受けた教員や校長が授業や学校の運営に新しい知識を生かすため、教育・スポーツ省から継続的な支援を受けることができます。シェンクワン県とアッタプー県にある3つの地区で、合計6,000人の小学校就学前の子どもたちが4年間にわたってこの支援の恩恵を受けます。2021年には、就学前教育と初等教育の教員が、防災や子どもへの心理社会的支援に関する知識を学ぶ予定です。

【関連ページ】日本政府の支援によるラオスでのUNICEF支援事業