「子ども中心の防災」テーマに会議 UNICEFとベトナム政府 日本の支援受けた事例テーマに

2017年5月18日 ハノイ発

UNICEF
2017年5月18日
農業農村開発相、UNICEFベトナム事務所代表、駐ベトナム日本公使らが会議の議長を務めた
UNICEF Viet Nam/2017/Truong Viet Hung 農業農村開発相、UNICEFベトナム事務所代表、駐ベトナム日本公使らが会議の議長を務めた

2017年5月18日ハノイ発

 

約200人のベトナム政府職員や専門家、UNICEF、国外のパートナーなどが5月18日、防災の日を記念してハノイに集まり、気候変動がもたらす影響に対し、子どもたちの脆弱性を軽減しようと、将来に向けた協力態勢について話し合いました。

農業農村開発相で中央自然災害対策管理運営委員会の会長を務めるグエン・スアン・クオン氏は「近年、ベトナムでは強大で、複合的な自然災害が大規模かつ頻繁に発生し、多くの人が亡くなり、経済的、インフラ的な損失が生じています。こうした状況は人々の暮らしや仕事、さらには国の持続可能性に深刻な影響を与えています」と述べました。

中央自然災害対策管理運営委員会の報告書によると、2016年だけで264人が死亡または行方不明となり、431人が負傷。17億米ドル(約1兆 8900億円)相当の被害が発生しました。

UNICEFベトナム事務所代表のユーセフ・アブドゥルジェリルは「子どもたちは気候変動の影響を非常に強く受けます。自然災害が子どもの人生において大惨事とならないように、必要な支援を行うことがとても重要です」と述べ、「乳幼児期に子どもの体や脳は驚くべき速さで発達します。気候変動は栄養不良や下痢の危険性に子どもたちをさらすだけでなく、虐待を受けたり、重要な数年間の教育の機会を逃すリスクも高まります。洪水や干ばつなどといった異常気象がもたらすダメージは、大事な成長過程にある若い身体や知能に特有の脅威を与え、その影響は決して取り消すことのできないものです」と続けました。

子ども中心の防災への取り組みは、気候変動に焦点を当て、危機発生前からの災害への備え、災害リスクの軽減、気候変動への適応等を通じて、子どもや家族、コミュニティーの強靭性(レジリエンス)を向上させ、人道支援と開発支援の連携を促進します。

 

開会のあいさつをする永井克郎駐ベトナム日本公使
UNICEF Viet Nam/2017/Truong Viet Hung 開会のあいさつをする永井克郎駐ベトナム日本公使

 

会議の出席者は、同国で起きた干ばつ・塩水遡上によって最も影響を受けた10省で2016年にUNICEFが行った緊急対応から得られた成果と課題を検討しました。また、これまでの経験について話し合ったり、ベトナムにおける子ども中心の防災への取り組みについて将来どのような協力態勢をとるべきか、などについて意見を交わしたりしました。この会議は、2016年12月にニントゥアン省で開かれた「第1回子ども中心の防災に関する国内会議」を踏まえ、防災法、仙台防災枠組および持続可能な開発目標(SDGs)の中でパートナーシップを強化していこうと開かれたものです。

この会議は、ベトナム政府の今後に向けた防災方針を支持し、同国政府とUNICEFとの協力態勢の今後の方向性として、子ども中心の防災やリスク情報に基づいた計画策定に重点的に取り組むことと位置づけました。また、日本を含む、優れた実践例を利用し、コミュニティーや学校、保健施設における強靭性(レジリエンス)の向上を求める結論に達しました。

UNICEFは、ベトナムに事務所を置く国連機関のうち、防災における主導機関に指定されています。2016年8月以来、UNICEFとベトナム政府は、干ばつ・塩水遡上で最も影響を受けた中部高地、南部・中部沿岸地域、メコンデルタ地域にある10省で、およそ50万人以上の子どもと女性に対し、日本政府からの250万米ドル、および国連中央緊急対応基金からの150万米ドルの支援のもと、緊急支援を行ってきました。