世界を変えるユースの力 - パレスチナとヨルダンのユースにインタビュー

2015年9月24日 東京発

UNICEF
2015年9月24日
パレスチナから来日したヘブロン大学薬学部4年生のムナ・アブー・ミザール(左)とヨルダンから来日したヨルダン大学経営学部2年生のガッサン・アルヘロ(右)
UNICEF/PPD Tokyo/2015 パレスチナから来日したヘブロン大学薬学部4年生のムナ・アブー・ミザール(左)とヨルダンから来日したヨルダン大学経営学部2年生のガッサン・アルヘロ(右)

2015年9月24日


8月26日(水)から30日(日)、UNICEFパレスチナ ガザ・フィールド事務所チーフのアイロンサイドとともに、中東からユースの代表2人が来日しました。

やってきたのは、パレスチナのヘブロン大学で薬学部に通う4年生のムナ・アブー・ミザール、そしてヨルダンのヨルダン大学経営学部2年生のガッサン・アルヘロです。パレスチナのムナは、幼いころから地域のボランティア活動に積極的に参加していて、今は若いリーダーとしてユースによるコミュニティ支援活動を行うNGOの活動にも携わっています。ガッサンは、UNICEFヨルダン事務所の支援を受けて創設されたユースのネットワーク組織「UNICEF Change Agents Network (UCAN)」の代表を務めています。来日した彼らにインタビューをしました。

 

来日した目的は?

ガッサン:「僕たちは、アラブ地域のユースの代表として、日本の人たちに僕たちの声を聴いてもらいたくて来日しました」

ムナ:「私は、アラブ地域、特にパレスチナのユースを代表して来ました。」

 

初来日ですが、日本の印象は?

ガッサン:「とにかく人が優しい。とても親切だという印象を受けています。」

ムナ:「日本は、第2次世界大戦などを経験しながらも、これほどまでに力強い国になりました。今まさに占領や紛争を経験している私たちにとっては、心強いお手本です。私たちも、この紛争を生き抜き、前を向いて進んでいけば、必ず未来をつかめるのだと、日本の歴史が教えてくれているように思います。」

 

今回の来日で、ユニセフ議員連盟の谷垣禎一会長、羽田雄一郎事務局長、西村智奈美議員、そして小池百合子議員とも面談をしましたね。

ムナ:「今回お会いできた議員の先生方は、非常に熱心に私たちの話を聞いてくださいました。そして、私とガッサンが、日本とアラブのユースのチャネルを作りたいという抱負を話したら、興味を持ってくださった。とても心強く思っています。これから日本とアラブのユースがつながり、災害や紛争などに強い社会を作っていけたらと思います。」

ガッサン:「教育の話に興味を持ってくださったことも印象的でした。ヨルダンと日本はまったく異なる文化を持っているけれど、教育を大切にするところは共通していると思いました。」

インタビューを行った東京事務所の職員(中央)と一緒に
UNICEF/PPD Tokyo/2015 インタビューを行った東京事務所の職員(中央)と一緒に
日本政府は、パレスチナの教育への支援を続けていますが、去年の夏には情勢が悪化し、ガザでは紛争状態になりましたね。

ムナ:「教育は、子どもたちが育つために一番大切なものです。日本政府も教育の支援を多くしてくださり、私もその支援の恩恵を受けた一人です。」
「去年、紛争が起こって学校が閉鎖になり、先生の給与も満足に払えない状況になりました。けれど、先生たちは教えることをあきらめませんでした。学校が閉鎖されても、他の場所を探して、子どもたちに授業をしてくれたんです。子どもたちが教育を受けられないことこそが国の未来を閉ざすのだと、先生たちが信じていたからだと思います。」

ガッサン:「先生たちは、自分たちで行動することによって、子どもたちにあきらめないことを教えてくれたんだね」

ムナ:「本当にそうです。先生たちは、教育は銃や暴力よりも強いのだと教えてくれました。どんなに苦しい状況でも、前に進んでいける。私たちは、生き抜いて、勉強して、夢をかなえていけるんだと。」

 

今回の経験を踏まえて、これからの夢は?

ガッサン:「ヨルダンと日本のユースが交流できる仕組みを作りたい。文化は全然違う両国だけれども、日本の人たちに僕たちの地域や文化についてもっと知ってもらいたい。日本のことについても僕たちがもっとよく知れば、お互いの状況をもっと深く理解することにもつながると思います。違うことは必ずしも悪いことではなく、お互いに違うからこそ学べることがたくさんあります。わからないことも一緒に話し合い、交流できたらいいと思います。」

ムナ:「パレスチナにも日本にもメディアやソーシャルネットワークはあるけれど、それだけでは文化の違いや距離はなかなか乗り越えられていません。けれど、私たちユースがお互いの国を代表して交流し、自分たちの文化や社会について発表していけば、もっと理解が深まるんじゃないかと考えています。大人が作ったメディアが情報を届けてくれるのを待っているのではなく、ユースから情報を発信していけばいい。自分たちがメディアになって、自分たちの考えを発表していく場をどんどん作っていき、日本とアラブ地域のユース、それから他の地域のユースともつながっていきたいと思います。1回きりの訪問や交流に終わるのではなく、継続してつながれないか模索したいです。」