日本政府、台風22号の影響を受けたフィリピンの子どもたちを支援するため、160万米ドルの緊急無償資金協力を供与
2022年1月19日 マニラ(フィリピン)/東京発

2022年1月19日 マニラ(フィリピン)/東京発
台風22号(フィリピン名:オデット、国際名:ライ)の影響を受けた子どもたちを支援するため、日本政府は国連児童基金(UNICEF)に160万米ドルの緊急無償資金協力を供与しました。カテゴリー5の超大型台風は、昨年12月14日にフィリピンに上陸し、9カ所の地滑りと激しい雨、暴風、洪水、高波を引き起こしました。台風は多数の死傷者をもたらし、数千世帯が家を失い、必要不可欠なサービスが停止しました。ミンダナオ地域のカラガ地方やビサヤ地域の東ビサヤ地方など、最も深刻な被害を受けた地域の推定100万人の子どもたちが人道支援を必要としています。
UNICEFはフィリピンにおいて最も影響を受けた子どもたちに支援を行うため1,148万米ドルの資金を要請しており、日本からのこの新たな資金協力を歓迎します。UNICEFはこれまでに、緊急用に備蓄されていた物資から、浄水剤や衛生キット、給水タンク、テント、貯水設備、学用品、栄養物資などの、命を守る支援物資を提供してきました。
「フィリピンの子どもたちとその家族に対する、日本の皆様の揺るぎないご支援に感謝申し上げます。この度の寛大なご支援により、UNICEFは影響を受けた子どもたちやその家族に、生活を再建するための支援を行うことができます。」と、UNICEFフィリピン事務所代表のオユンサイハン・デンデブノロブは述べます。
日本政府は長きにわたり、フィリピンにおけるUNICEFの活動を最も積極的に支えてきたパートナーのひとつです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まって間もなく、必要不可欠な物資の供給や研修、啓発活動を行うため、日本はUNICEFフィリピンに73万米ドルの支援を実施しました。そして、コールドチェーンの強化やコールドチェーンの管理に関する医療従事者の能力育成を行い、COVID-19の予防接種活動を支援するため、390万米ドルを供与しました。加えて日本は、マラウィの紛争の影響を受けた子どもたちやモロ・イスラム解放戦線(MILF)から解放された子どもたちに対する支援や、バンサモロ の子どもたちのための早期学習や水と衛生サービスの提供など、緊急事態や紛争後の子どもたちへの復興支援も行ってきました。
越川和彦 駐フィリピン日本国大使は、「UNICEFが開発協力の一環として本事業を実施し、すべての子どもが安全に暮らし、基本的なニーズが満たされるように支援してくださることに感謝いたします。日本とUNICEFは、特にフィリピンのような困難な状況下で培われてきた何十年にもわたる長年の協力関係のもと、台風22号の影響を受けた子どもたちとその家族のために支援を行うという約束を果たしていきます。日本の160万米ドルの資金協力は十分ではないかもしれませんが、影響を受けた子どもたちの笑顔を取り戻す一助となることを願っています。日本とフィリピンの強い絆は、これからも続いていきます。」と述べました。
日本による本資金協力で、台風22号の影響を受けた子どもたちのための水と衛生分野の支援が行われ、約5万1,000人が恩恵を受けます。本事業で、安全な水と衛生設備(トイレや手洗い施設)へのアクセスの向上や、水と衛生物資の配布、COVID-19の感染予防・管理を含む保健と衛生習慣の促進などが行われます。
