スーダン:助産キットの提供を受け、紛争下も母親と赤ちゃんを支え続ける助産師たち
2023年10月5日 スーダン発
2023年10月5日 スーダン発
激しい戦闘後にハルツームから避難した際、訓練を受けた助産師であるアミーラ・ハミースさんは、彼女が出産を手助けした母親や胸に抱いた赤ちゃんのことが心配でなりませんでした。
アミーラさんは24年にわたって、妊産婦をサポートしてきました。
彼女の日々の原動力は、母親と子どもの命を守ること。避難生活ですら、この使命に情熱を注ぐアミーラさんを止めることはありませんでした。
「母親と赤ちゃん、二人の命を守ることができると、いつもほっとします。」アミーラさんが力強く語ります。
何十年もの間、アミーラさんのような助産師たちが、母親と新生児の命を守る手助けをしてきました。スーダンで生まれる赤ちゃんは、月に11万人。助産師たちの力がなくては、多くの母親と子どもが、合併症や命の危険にさらされてしまいます。
紛争の影響
妊娠中に避難生活を送らなくてはいけないと想像してみてください。生まれてくる子どもが無事なのかも、安全な出産のサポートや命を守るための専門的なケアを受けられるかも分かりません。悲しいことに、これがスーダンで続く戦闘で避難を強いられる何千人もの妊婦が直面している現実です。多くは医療的な手助けなく、不衛生な環境で出産するリスクを負っています。
このような状況に心を痛ませながらも、アミーラさんは母親たちの支援に尽力し、彼女のもとにやってくるすべての母親と子どもの命を守るために全力を尽くしています。しかし、必要な設備がなく、もどかしさを募らせていました。
「助産器具など、何の機材もありませんでしたが、母親たちにできる限りの手助けをしてきました。妊婦たちの状況を確認し、ビタミン剤を渡したりして健康に妊娠期間を過ごせるようにし、健診のために病院に行くように促してきました。出産の兆候を見逃さないようにして、出産時には病院に付き添いました。」アミーラさんが当時のことを思い出して話します。
UNICEF、助産キットを提供
マダニ助産師学校で、6人の助産師が、公務員や保健員が着るような伝統的な白い衣服を身に付けています。昔ほど人気ではないものの、彼女たちは今も忠実に、清潔、献身、規律を象徴する白色の衣服を身に付けています。アミーラさんもそのうちの一人です。
妊産婦たちは、妊婦に影響をもたらし、多くの人々が安全ではない出産を強いられる紛争の怖さについて語ります。そして、集合避難所から別の場所への移動や母親の健診、命を守るための病院への緊急搬送の支援など、どのように妊婦たちの出産を支援できるかを話し合いました。そのためには、あらゆる手を尽くす必要があります。
UNICEFは、この献身的に最前線で支援を行う助産師たちの活動を支援するために、マダニ助産師学校に保健機材を提供しています。
何十年もの間、UNICEFの助産キットが世界中の母親と新生児の命を守る力となってきました。このキットは、開発支援時と緊急時における母子ケアを改善させるために設計されています。
歓喜の中、助産キットを受け取る助産師たち
アミーラさんは喜びを隠すことができません。マダニに避難してきてから、彼女は母親に適切なサポートを行うために必要な機材を手にすることを切に願っていました。そして、ハルツームから逃れた際に残してきた助産器具のことを思い、次のように語ります。
「私は子どもたちと一緒に、どこに行ったらいいかも分からないまま、着の身着のまま歩いて避難しました。何も持ち出すことができませんでした。何よりも大切な、助産器具が入ったバッグも持ってこられませんでした。」
「UNICEFは母親と新生児の死亡を減らすために、助産師たちが安全な出産を支援するために必要なあらゆる機材を提供しました。」UNICEF保健担当官のエフサーン・ムハンマドが語ります。
物資を受け取って大喜びの助産師たちは、出産中に母親たちを励ます際に良く歌われるアラビア語の歌を歌い出しました。喜びを隠すことなどできません。
紛争下、命を守るヒーロー
難民が身を寄せるアル・マジナー避難所で、妊産婦たちがアミーラさんの到着を待っています。以前とは異なり、助産キットを持ったアミーラさんは、自信をもってすべての母親を診察してサポートすることができます。
「例えば数日前にこの母親を診察した際、私は手袋がありませんでした。そのため、外診を行って、まだ赤ちゃんが生まれてくる体勢になっていないと伝えました。そして、すぐに分娩ができる状態にあるのか、病院で超音波検査を受けることを勧めました。」
「提供して頂いた器具があれば出産のタイミングが分かりますし、まだ赤ちゃんの頭が上がっているようなら病院に行くように伝えることができます。」
提供された器具と培った技術で、アミーラさんは母親たちが安全に出産し、適切なタイミングで病院に行けるようにサポートできるようになりました。
日本政府の支援で調達された機材は、地域の助産師たちが母親と赤ちゃんに清潔で安全な出産を手助けできるようにするための基本的な器具や医療物資、基本的な消毒器具、蘇生機器が含まれています。
「助産キットを受け取った時の気持ちは、言葉では言い表すことができません。今ではこれらの道具を使って、母親たちをサポートすることができます。母親と子ども、両方の命を守ることができるのです。」感情が溢れ、声を震わせながらアミーラさんが語ります。
UNICEFは紛争下も、リプロダクティブ・ヘルスに関する物資の配布や、助産師への新生児の蘇生法を含む標準的な産科ケアに関する訓練を行い、保健施設やコミュニティ・レベルでの母子ケアに関するサービスへのアクセスを向上させています。
「この仕事に就けたことに感謝して、これからも気持ちを強く持ち続け、母親たちの安全な出産を手助けしていきます。」とアミーラさんが語ります。
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