シリア:子どもたちに冬服キットを配布「暖房がないなか、暖かい服だけが頼り」

2021年12月1日 シリア発

UNICEF Syria
2021年12月01日
UNICEFが提供した冬服キットを受け取る子どもたち。
UNICEF Syria/2021/Bashar Al-Kheder
これからやって来る冬の季節を暖かく過ごすため、UNICEFが提供した冬服キットを受け取る、シリア北東部のデリゾール県のマヤディーン地区アラシャラ市の子どもたち。

2021年12月1日 シリア発

シリアでは10年以上にわたる紛争や経済的苦境で、ぜい弱な家族が冬の準備をすることが非常に難しくなっています。子どもたちに暖かい服を買ったり、寒さをしのぐための燃料を手に入れることはおろか、多くの家庭は何とか生活をしていくのがやっとの状態で暮らしています。

6年生のアラーくん
UNICEF Syria/2021/Bashar Al-Kheder
デリゾール県のマヤディーン地区アラシャラ市のUNICEFの支援物資配給所。「この靴が一番お気に入りだよ!寒くなったら、もらった服と一緒に着るんだ。この服のおかげで、寒くて病気になることがなくなります。」と、冬服キットを受け取ったアラーくんが話します。「家には暖房も燃料もないので、この冬は服を重ね着して乗り越えます。」6年生のアラーくんは、将来エンジニアになることを夢見ています。

UNICEFはこの冬、10万人以上の子どもたちが暖かく過ごすことができるよう、シリアの家族を支援します。このうち1万3,000人の子どもたちがシリア北東部のデリゾール県で暮らしています。日本政府と国民の皆様や、カナダやオランダ、ドイツ政府のご支援のおかげで、UNICEFは子どもたちに冬服キットを配布することが可能になりました。

それぞれの冬服キットに、冬用の上着や毛糸のセーター、防寒着、暖かい冬用ズボン、毛糸の帽子、マフラー、手袋、靴下、冬用ブーツ、暖かいパジャマが含まれています。赤ちゃん用のキットには、ボディスーツ、綿の手袋や帽子、靴下、赤ちゃん用の毛布、コート、持ち運びバッグ、赤ちゃん用の衛生物資が入っています。

12歳のマナールさん
UNICEF Syria/2021/Bashar Al-Kheder
「冬に上着や靴を使うのが楽しみです。厳しい気候の中、暖かく過ごすことができます。」と、UNICEFが提供した冬服キットを開けながら、12歳のマナールさんが話します。厳しい経済状況下で暮らす子どもたちが寒さをしのげるようにするため、冬服キットは15歳未満の子どもたちに配布されます。
フダーさん
UNICEF Syria/2021/Bashar Al-Kheder
冬服キットの中身を母親のノスラさん(45歳)と一緒に確認するフダーさん(12歳)。「私たちは12人家族です。子どもたちを養うために、農業に従事しています。デリゾール県の冬はとても寒く、乾燥するので、子どもたちは暖かく過ごすために服を何枚も重ね着しなくてはいけません。暖房や燃料を買う余裕はありません。木を集めて燃やし、暖を取ることはできるかもしれませんが。」とノスラさんが語りました。