ルワンダ:一軒一軒家を回って―新型コロナウイルス感染症との闘い
2021年4月8日 キレヘ(ルワンダ)発
2021年4月8日 キレヘ(ルワンダ)発
滑りやすい石で溢れた、ダフロスさんの家への長く曲がりくねった道のり。アナクレットさんは役目を果たすため、平然と歩みを進めます。
農家のアナクレット・ムソニさんは、村のコミュニティを基盤としたボランティアとして、近所の家を一軒一軒回り、石けんと水を使った定期的な手洗いやソーシャルディスタンス、そしてもちろんマスクの着用など、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防策の大切さを伝えています。
日本政府と日本の皆さんの寛大なご支援のおかげで、UNICEFは国中でコミュニティへの啓発活動を行うため、アナクレットさんのようなボランティアに研修を行い、協力して活動を行うことができます。
アナクレットさんは手指消毒剤やポスターを持参し、マスクをしっかりと身に着けて、キヘレ郡のマハマ地区にあるカモンボ村で戸別訪問を行います。
学校や礼拝所の再開が発表され、公共交通機関の規制も解除されたことから、人々がパンデミックは収束し、元の日常の生活に戻ることができると捉えかねないため、今まで以上に啓発活動が重要になってくるとアナクレットさんが語ります。
アナクレットさんをはじめとするボランティアが懸念していたように、人々はマスクを着けず、ソーシャルディスタンスも取らないまま、再び市場や公共の場に大勢で集まり始めました。
「すぐに対応を取りました。ウイルスはまだ身近に存在しており、過去数カ月間の成果を台無しにすることはできないと、戸別訪問の回数を増やし、啓発活動を強化して説明しました。」
今日は、二人の子どもをもつニラハビマナ・ダフロスさんの家への戸別訪問に同行させてもらいました。
アナクレットさんはまず、ダフロスさんと10歳の娘のアン・マリーに、石けんを泡立ててしっかりと指をこすり合わせながら、推奨されている40秒間の正しい手洗いの方法を紹介しました。
その後、ポスターを広げ、絵で描かれたCOVID-19の予防方法を一つ一つ説明しました。説明を受けている間、ダフロスさんや娘のアン・マリーから、ウイルスに効くというハーブの調合薬など、COVID-19に関する噂について質問がありました。アナクレットさんはすぐにこの噂を否定し、現在治療法は確立していないものの、既にいくつかのワクチンが開発されており、ルワンダでも接種が始まっていることから、希望の光が見えていると説明しました。
ダフロスさんは、あらゆる機会を捉えて、友達や家族に情報を伝えていくことを約束しました。20分ほどの訪問でしたが、その効果はコミュニティ中に長くにわたって続くものになりました。
「私たちに大切な情報を教えてくれた、UNICEFや政府当局にとても感謝しています。」(ダフロスさん)
「とても助かります。私たちみんながラジオやテレビを持っているわけではありませんから。このような情報を教えてもらえると、家族の安全を守るために必要な方法を身に着けることができます。本当に感謝しています。」と、ダフロスさんが語ります。
そしてすぐ、次の家族へ、そしてさらに次の家族へと訪問を続けます。雨の日も晴れの日も歩いて移動しなくてはいけませんが、アナクレットさんは全く気にしていないようです。小道や家の間を縫って歩いていると、子どもたちがアナクレットさんの名前を呼び、おとなたちは手を振って挨拶をしていきます。
アナクレットさんは休みなくCOVID-19の予防方法に関する啓発活動を行っていることで知られており、村の人気者です。
「地域の生活水準を向上させるため、社会の一員として、誰もが自分の役割を果たすべきだと強く感じています。ですからボランティアに参加し、地域のコーディネーターとして活動することを決めました。」(アナクレット・ムソニ)
COVID-19に関してさまざまな情報が広まっていますが、そのすべてが正しいわけではありません。何年にもわたってアナクレットさんがコミュニティで培ってきた信頼や評判は、COVID-19に関する噂や誤解に対応するための大きな力となっています。そして、マハラ地区でCOVID-19の感染者が一人も出ていないことが、彼らの活動の成果を表しています。
COVID-19の感染がはじまってから、ルワンダでは二度にわたってロックダウンが行われるなど、いくつかの困難にも直面しています。しかし、アナクレットさんや仲間のボランティアは決してあきらめません。UNICEFの支援のもと、コミュニティへの支援を強化し、できる限り多くの人々をウイルスから守り、万が一感染した場合は他の人への感染を防ぐため、必要な情報を提供していきます。
「ずっと、兵士になりたいと思っていたんです。」アナクレットさんが思いにふけるかのように地面を見つめながら、物憂げに笑います。「でも、今は兵士になったような気持ちがしますよ!私たちは目に見えない敵と闘っているのです。その一員になれて誇りに思います。これからもUNICEFと協力して、みんなで力を合わせ、近い未来に必ずこのウイルスに打ち勝つことができると信じています!」
【関連ページ】日本政府の支援によるルワンダでのUNICEF支援事業