チャド:難民キャンプで暮らす少女たちに、月経衛生教育を実施

2021年11月10日 チャド発

UNICEF Chad
2021年11月10日
衛生教育をする様子
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah

2021年11月10日 チャド発

ドホロ学校の教室や中庭で、性の健康に関する特別授業が行われています。これらの月経衛生管理に関する授業は、プライバシーを確保するために授業時間外に行われます。ファシリテーターのメインガウ・ジゼルさんはユーモアのセンスがあり、11歳から18歳の30人の少女たちの興味を上手に引きながら授業を行っています。ジゼルさんの授業はまず、手洗いや水の衛生、食品の衛生、家庭ごみの管理など、衛生に関する一般的な情報を伝えることから始まります。その後、少女たちに月経衛生キットを見せ、キットの使い方や、月経に関するタブーを乗り越える方法をアドバイスしていきます。

ファイザ・マハマトさん
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
ファイザ・マハマトさん

「母親に勧められて、以前は布をあてていました。教室に参加して、より多くの情報を得ることができ、今は再利用可能な布製ナプキンを使っています。より安心して過ごすことができます。」(ファイザ・マハマトさん(17歳))

再利用可能な布ナプキンや月経衛生キットの使い方を紹介する様子。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
再利用可能な布ナプキンや月経衛生キットの使い方を紹介する様子。ナプキンの正しい付け方や、月経中に学校に通う恥ずかしさをどう乗り越えたらいいかなど、少女たちから多くの質問が出ました。
生理用ナプキンが配られる様子。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
衛生に関する説明やナプキンの使い方に関する実践的なアドバイスの後、少女一人ずつに生理用ナプキンが配られます。このプログラムを通じて、ドホロ難民キャンプで配布された6,000個を含め、9,000個のキットが少女たちに配布されました。
少女たちは集中して授業に参加しています
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
少女たちは集中して授業に参加しています。少女たちのほとんどが、2020年12月の中央アフリカ共和国で勃発した紛争から逃れてきた難民の子どもたちです。再び学校に通い、リラックスして楽しみながら、衛生の教室に参加しています。

中央アフリカ共和国から新たに避難した1万2,000人の難民のための衛生設備

 

2020年12月から2021年2月にかけて、チャドのロゴン・オリエンタル州では中央アフリカ共和国からの難民が、ワダイ州ではスーダン難民が増加しました。ドホロ難民キャンプとコチャギ・モウラ(Kouchaguine Moura)難民キャンプには約1万2,000人の難民が新たに到着し、水と衛生のニーズが高まっています。

UNICEFは日本政府の資金援助を受け、パートナー団体と協力して、これらの脆弱な人々に水を供給するため、ワダイ州のドホロ難民キャンプに2カ所、モワイヤン・シャリ難民キャンプに3カ所、コチャギ・モウラ難民キャンプに5カ所(計10カ所)の井戸を設置しました。

給水所を使う子ども。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
スタッフの様子。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
給水所を使う子どもたち。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
日本政府の支援によって設置された給水所
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
給水所を使う子どもたち。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah

プロジェクトの一環として、チャド南部に100基、東部に100基(計200基)のトイレが設置されました。これらの衛生設備の設置にあたり、避難民と受入れコミュニティの人々の命と福祉を守るため、月経衛生管理や新型コロナウイルス感染症の感染予防など、衛生を促進させるための活動も行われました。

トイレを使う女性。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
「新しいトイレのおかげで、生活環境が改善されました。以前はトイレがなく、難民キャンプの外で用を足さなくてはいけませんでした。プライバシーを確保するために、夜になるまで待たなくてはいけなかったのです。」
トイレを使う女性。
UNICEF Chad/2021/Nancy Ndal-lah
「今では2世帯でこのトイレを使えるようになり、管理もしやすくなりました。各世帯に石鹸を10個と給水タンクを1個、配布してくれました。給水所も近くにあります。」 ドホロ難民キャンプに身を寄せる、中央アフリカ共和国からの難民で6人の子どもの母親、ハムラ・ジムハさんが語ります。