スーダン:太陽光で動く新しい給水ポンプに喜ぶ住民たち

2021年5月11日 スーダン発

UNICEF Sudan
2021年5月11日
水を汲むスーダンの人々
UNICEF Sudan/2021

2021年5月11日 スーダン発

スーダンの青ナイル州南東部に位置するクルムク地域は、人口のおよそ40パーセントにあたる約30万人が影響を受けた内戦の影響で、何年にもわたって人道支援を受けることができていませんでした。最近同地域にアクセスができるようになったものの、この地域で暮らす子どもたちや家族にとって、清潔な水や基本的な衛生サービスへのアクセスは未だに課題となっています。

日本政府からの寛大な寄付を受け、UNICEFはクルムク地域の6つのコミュニティに対し、水と衛生や教育、開発のためのコミュニケーションに関する総合的な支援を実施しました。

コミュニティが十分な安全で清潔な水を手にすることができるようにするため、UNICEFは3基の太陽光を用いた手押しポンプを設置しました。この新しい革新的な太陽光と手押しのハイブリッド式給水ポンプは、2019年から2020年にかけてUNICEFの水と衛生チームによって開発されました。万が一に備えて元の手押しポンプ機能を残しつつ、既存の給水ポンプを太陽光で動くように改良されました。

この新しい太陽光式手押しポンプは、費用対効果が高く、持続可能でジェンダーに配慮されており、環境にも優しいものです。さらに、通常1日500人程度しか利用できない手押しポンプに比べて水量も増え、1日あたり約1,000人が利用可能です。

これによって、クルムク地域のオクリリで暮らす女性や子どもたちは、村の唯一の水源である新しい太陽光式手押しポンプから水を汲むことができるようになりました。特に女性や子どもたちは、新しい給水所に大喜びです。これで、時間と労力をかけることなく、短時間で多くの安全で清潔な水を汲むことができるようになりました。

「以前は、とても苦労していました。水を汲むために長い列に並んで待たなくてはいけませんでしたし、時には喧嘩も起こりました。農作業の後、疲れているのに行かなくてはならないときは、はさらに大変でした。でも、新しい給水ポンプが建設されて十分な水が手に入るようになりましたし、時間や労力をかけずに水を簡単に汲むことができるようになりました。」(クルムクで暮らすスーリヤ・エルネールさん(30歳))

水を汲むスーダンの女性たち。
UNICEF Sudan/2021

新しい太陽光式手押しポンプが設置され、近隣のコミュニティの人々、特に女性たちから、水を遠くから家まで運ぶ負担を減らすため、彼らの家の近くにも給水ポンプを設置してほしいという声が上がっています。 

「給水所から遠いので、私たちの家の近くにも太陽光式の給水ポンプを一基作ってもらいたいです。」(クルムクで暮らすマカさん(50歳))

日本政府の支援に、心より感謝いたします。UNICEFは、すべての子どもが病気から守られ、健康に暮らすことができるよう、クルムク地域における水と衛生支援を続けていきます。

【関連ページ】日本政府の支援によるスーダンでのUNICEF支援事業