アフガニスタンの子どもと母親のための効果的なワクチン管理

2020年2月13日 アフガニスタン発

UNICEF Afghanistan
2020年2月13日
予防接種を受けるアフガニスタンの子ども
UNICEF Afghanistan/2020

2020年2月13日 アフガニスタン発

アフガニスタンは5歳未満児死亡率の減少において素晴らしい前進を遂げており、出生1,000人当たりの死亡が2001年の192人から2015年には77人へと減少しました。5歳未満児の5年間の死亡の大半は予防が可能な原因であり、対象となるすべての子どもに質の高いワクチンを提供することは、予防可能な死亡を防ぐための最も費用対効果の高い方法です。アフガニスタンでは12~23カ月の子ども50%以上がすべての必要な予防接種を受けておらず、地域によって大きな差が出ています。

アフガニスタン保健省は 140万人以上の1歳未満の子どもと妊娠可能な年齢の350万人の女性を対象に予防接種拡大事業(EPI)を実施しており、1,000万人近くの5歳未満の子どもがポリオワクチンの接種対象者になっています。これら対象となる母親や子どもたちは国中の34県すべてに広がっており、多くは長引く紛争や地理的にたどり着くのが困難な場所、極度な気候状況や貧困などの困難を強いられている場所に住んでいます。日本政府やGaviワクチンアライアンスの資金援助を得て活動を行うUNICEFは、アフガニスタンでワクチンとコールドチェーン機材を提供する唯一の機関です。


アフガニスタンは世界で2カ国となっているポリオ常在国の一つです。ポリオの症例が報告され続けているものの、野生株ポリオウイルスの感染阻止に成果が見られています。現在、ポリオの報告はアフガニスタンの南部(カンダハール県、ヘルマンド県、ウルズガン県)と東部(クナール県)に限定されており、隣接するパキスタンとの県境で疫学的ブロックの一部が構成されていることがうかがえます。最近の症例は、情勢が不安定で予防接種キャンペーン中にすべての子どもたちに支援することが困難な地域でまとまって発生しています。

対象となっている1歳未満児の半数しかすべての予防接種を受けられていないものの、アフガニスタンには南アジア地域で最良のワクチン提供手段が整っています。国中のすべての母親と子どもたちが質のよいワクチンを入手することができるようにすることは極めて大切です。持続可能で迅速な効率の良いサプライチェーン計画への投資が極めて重要なのです。

アフガニスタンの対象となっているすべての母親と子どもたちに質の高いワクチンを提供するため、2月2日、UNICEFはアフガニスタン保健省とWHOと協力し、効果的なワクチン管理(EVM)調査を開始しました。EVM調査はUNICEFとWHOが認可した、すべてのレベルで体系的に予防接種サプライチェーンを評価するための手段です。EVM調査は人的資源、インフラ、温度、在庫管理、記録と報告を含むすべての予防接種サプライチェーンの要素を網羅しており、国のワクチン貯蔵庫や33の地域や県の貯蔵庫、30以上の保健施設を対象にしています。

アフガニスタン中から計45人の参加者が集まり、5日間の研修を受けました。そして、これらの研修を受けた査定人は異なるレベルで予防接種サプライチェーンの状況を評価するため、担当のコールドチェーン地点を訪問する予定です。これは、現場で直面している壁を共有し、最善の可能な解決策を共同で見つけ出すための素晴らしい機会になります。この調査はアフガニスタン保健省、WHOアフガニスタン事務所、UNICEFアフガニスタン事務所、南アジア地域事務所、ニューヨーク本部の高官代表団によって開始されました。

予防接種の準備をするスタッフ
UNICEF Afghanistan/2019/Fazel

適時、適所で正しい質と量の適切なワクチンが適切な対象者に届けられなければ、予防接種事業の成功はあり得ません。EVM調査の目的は、国や地域、県、保健施設レベルのコールドチェーンとワクチンの物流管理の最善の方法と課題、障壁を特定することです。その後、システム設計、人材、コールドチェーン機材管理、温度管理、ワクチンの提供、物流とデータ管理に関する主要な問題に関するフガニスタンのための5年間の総合的な改善計画が準備されます。この結果はアフガニスタンの総合的な複数年計画(2020-24)に組み込まれる予防接種強化のための5カ年提案書に反映されます。

日本政府によるアフガニスタンでのUNICEFの予防接種事業への支援額は、2016年~2020年で54億5,200万円に及びます。

【関連ページ】日本政府によるアフガニスタンのUNICEF支援事業