アフガニスタン:子どもたちが質の高い教育にアクセスするための道のり

2020年6月8日 ダイクンディ(アフガニスタン)発

UNICEF Afghanistan
2020年6月08日
学校で勉強をする笑顔の子どもたち
UNICEF Afghanistan/2020

2020年6月8日 ダイクンディ (アフガニスタン)発

アフガニスタンの中央高地、 ダイクンディ県の人里離れた場所にあるペショク村。学校は自宅から数キロ離れた場所にあるうえ、石や泥、水路などで学校までの道のりは険しく、子どもたちは学校に通うのが難しいことがよくあります。また、学校への行き帰りの長い道のりを歩くのは非常に退屈で疲れるものです。多くの親は、娘を遠い学校に通わせるよりも、家で家事をさせたり、農作業や牛の世話で収入の糧にすることを選んでいます。

村のペショク共学高校には、周りの地域から数百人の子どもたちが通っています。現在8年生の13歳のザハラは、2013年にこの学校に入学しました。残念ながら、ザハラは9歳の時に高台から転落して背中を痛めてしまい、歩くことや呼吸が難しくなってしまいました。ザハラは当時4年生で、教育を受け続けることはできないと思われていましたが、家族の支えと決意を胸に、毎日1.5キロの過酷な道のりを歩いてペショク村にある学校に通っています。

日本政府からの資金援助で実施された事業で建設されたペショク高校
UNICEF Afghanistan/2020
日本政府からの資金援助で実施された事業で建設された中央高地のダイクンディ県ニリ郡にあるペショク高校。

自分の将来とアフガニスタンの未来は、次世代、特に女の子の教育にかかっていると固く信じているザハラ。徒歩での通学は困難であったにもかかわらず、彼女が一番好きな勉強を、何も邪魔することはできませんでした。「学校までの長い道のりや障がいが、徒歩での通学の壁になったことは一度もありません。でも、雨の日や冬の間は教室が湿っていて寒く、勉強はとても大変でした。」とザハラは強調しました。

2016年、UNICEFの支援を受け、中央高地の教育省が20の学校を建設することになりました。これらの学校の校舎は、屋根のない場所で勉強している生徒や、困難な状況にあり、支援の手が届きにくい泥だらけの教室で勉強している生徒のために建設されました。ペショク共学高校は、日本政府と日本の皆様の寛大な支援を受け、2016年にUNICEFによって建設された学校の1つです。

ザハラには6人の兄や姉がいて、彼女は末っ子です。 2人の兄はそれぞれ9年生と11年生で、4人の姉も同じ学校に通っています。「兄や姉は、私の学校の勉強を手伝ってくれたり、宿題を見てくれたりします。お互いに支え合い、みんなで座って勉強をしていると、本当に安心し、愛されていると感じます。」と、ザハラは笑顔で話します。ザハラは高校を卒業したら、大学に入学するための準備をするつもりです。

ザハラの母親である45歳のカデマは、子どもたちみんなが学校に通っていることを喜んでいます。「家の管理は簡単ではありませんし、学校は家から遠く離れています。それでも私は、子どもたちを学校から遠ざけてはいません。ザハラはとても賢くて優秀です。ザハラには特に注意を払い、教育の機会を失わないようにしています。」

ザハラの兄や姉たちは以前は遠くの学校に通学しており、夜遅くに帰宅していました。しかしペショク高校ができたことでこの地域の子どもたちは比較的通学しやすくなり、ザハラは自分は恵まれていると語ります。

ペショク村の住民の多くは農家で、額に汗して得た収入で家族を養っています。ザハラの両親も農家で、農地が唯一の収入源です。2019年は干ばつにより収穫が少なく、次の豊富な収穫時に返済できることを期待してお金を借りることを余儀なくされました。

 

日本政府の支援で学校が建設されたことが記された記念碑
UNICEF Afghanistan/2020
ダイクンディ県ニリ郡ペショク村のペショク高校にある、日本政府の支援で学校が建設されたことが記された記念碑。

「私はこの状況を変えるつもりです。」と、ザハラは熱意を込めて話します。「家族がお腹を空かせたり、生きていくために農地の収穫を待つ必要がなくなります。学校で一生懸命に勉強して、教育を受けて家族の運命を変えるつもりです。家族が十分に暮らしていけるのか心を悩ますことなく、安心して眠る父の姿が見たいです。」と、ザハラは力強く話します。

カデマは、困難な日々や時を何度も経験してきたものの、子どもたちから強さと希望を得ていると言います。「私の子どもたちはとても勤勉で賢いので、良い教育を受ければより良い未来を手に入れることができるでしょうし、家族の面倒を見るだけでなく、コミュニティにも貢献できるようになると期待しています。」

雨が降っても雨漏りせず、冬の間でも暖かく過ごすことができるようになった学校に通えることを、ザハラはとても嬉しく思っています。それと同時に、まだ困難な状況で勉強している何千人もの子どもたちが、安心して勉強できる校舎で勉強できるようになることを願っています。

「いま、私たちの学校にとても良い校舎があることを心から幸せに感じています。雨が降っても、以前よりずっと安全で暖かいです。いつかすべての子どもたちが学校に行き、コンクリートで作られたきれいな教室で勉強できるようになることを願っています。」とザハラが語ります。

ペショクのコミュニティの人々はこの学校ができたことを喜んでおり、学校では現在、研修を受けた教師の指導のもと、476人の子どもたち(男の子233人、女の子243人)が教育を受けています。

 

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