モザンビーク:日本政府の支援により、災害後の困難な状況でも学び続ける子どもたち

2019年6月4日 ナンプラ州ミニケイン(モザンビーク)発

UNICEF Mozambique
2019年6月04日
モザンビーク:日本政府の支援により、災害後の困難な状況でも学び続ける子どもたち
UNICEF Mozambique/2018/Kutloano Leshomo

 2019年6月4日ナンプラ州ミニケイン(モザンビーク)発

 

2017年1月、ナンプラ州ムエカテ郡のミニケイン小学校を強風が襲いました。この強風は、モザンビーク北部に影響を及ぼした熱帯低気圧と激しい雷雨により発生したもので、ナンプラ州と周辺地域にも激しい雨をもたらしました。そのとき家にいた16歳のニルトン・セレスティンは、その強風で学校がどれぐらい大きな被害を受けたかなど、考えてもいませんでした。翌日学校に行くと、4つの教室が壊れ、教室の屋根は学校の敷地のあちらこちらにバラバラに切りさいなまれた状態で落ちていました。「破壊された学校を見たときは、とてもショックで、悲しかったです。学校はほとんどなくなっていて、教室も残っていませんでした。」とセレスティンが語りました。

机や椅子、本、本棚、移動図書館、そして子どもたちがその下でご飯を食べていた日除けもなくなっていました。残っていたのはたった2つの教室。職員室の一画も破壊され、現在再建されているところです。教室には100人以上の子どもが所狭しと座っているため、床が完全にすり減っています。教室の後ろでも、1本の木の下で授業が行われていました。その数メートル先には、新しい教室の敷地を確保するため、壊れた屋根が集められ、さらに茂みの方へと押しやられていました。

この緊急事態に対応するため、UNICEFは日本政府からの資金協力により、被災した学校に対し、災害に備えて事前備蓄してあったテントと「箱の中の学校」(学用品セット)、460の学習キットを提供しました。教室として使用されているテントの外で、セレスティンは他の生徒たちと一緒に5冊のノートと定規、消しゴム、鉛筆削りが入った学習キットを広げています。授業が終わった後もテントの教室の周りにいつまでも残っている子どもたち。テントの中で勉強をするという目新しい経験を気に入っているようです。セレスティンは、「このテントのおかげで、強風で学校が破壊されたすぐ後でも勉強を続けることができました。」と話しました。

ティト・ボンデUNICEF緊急支援専門官によると、教育は緊急事態による重大な影響を受けるセクターの一つです。モザンビークでは毎年約600校もの学校が災害によって破壊され、平均18万人の生徒たちが影響を受けています。およそ80%の学校が従来のものではない材料を用いて建設されており、気象災害により深刻な影響を受けやすくなっています。UNICEFは強風に耐え得る屋根のある教室を建設するため、パートナーと協力してモザンビーク政府を支援しています。

 

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モザンビーク:日本政府の支援により、災害後の困難な状況でも学び続ける子どもたち

災害時に向け備蓄されていた日本の国旗があしらわれた学用品セットを受け取り、笑顔をみせるモザンビークの子どもたち。2019年3月のサイクロン・イダイでは教育施設にも大きな被害がありましたが、日本の政府と国民のみなさまのご支援により、緊急時でも子どもたちが学び続けることができます。