日本政府、UNICEFへ「シリア難民・国内避難民への追加支援」で総額400万米ドルを拠出決定
2013年10月3日 東京発
(ヨルダン、ザータリキャンプで歯を磨くシリア難民の子どもたち)
UNICEFは、深刻化する紛争によって被害を受けているシリア難民・国内避難民の子どもたちのために、日本政府から、外務省の緊急無償資金協力を通じ、総額400万米ドル(約4.0億円)の支援を受けることになりました。この支援には、シリア国内で、紛争により困難な生活を余儀なくされている子どもたちのために、向こう3ヶ月で緊急に必要な支援、120万米ドル(約1.2億円)も含まれます。UNICEFは、シリア国内の多くの子どもたちが、長引く紛争の影響で、その心と身体の成長に最も重要な時期に、必要な栄養が十分とれていない可能性がある事態を、深く憂慮しています。このような状況の中、日本政府からの支援は、調理も必要なく、すぐに食べれて、かつ十分に栄養がとれるよう特別に開発された、「総合栄養補助食」の調達などに使われます。また、安全な水やトイレの設備が十分でない、ヨルダンのシリア難民の子どもたちには、「水と衛生(WASH)」の緊急支援(100万米ドル)が行われます。さらにレバノンとトルコに避難している子どもたちには、近づく冬に備えた衣類などの支援を(それぞれ140万米ドル、20万米ドル)、そして北部イラクに避難している子どもたちには、予防接種に必要な施設や、栄養障害を治療する栄養治療食の調達などが実施されます(20万米ドル)。
3年目に突入したシリア内戦ですが、シリア国内における被害者総数は、全人口のおよそ3分の1にあたる、680万人に達すると予想されており、そのうち、半数程度は子どもたちだけで占められています。
UNICEF東京事務所代表の平林国彦は、「日本政府から頂戴したこの貴重なご支援は、日本の方々の思いやりの心とともに、最も困難な中にある子どもたちに届けられ、紛争に苦しむシリアの人々に、希望と勇気を与えてくれることでしょう」と述べました。
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