アフガニスタン:テントから学校へ
2025年3月11日 アフガニスタン発

2025年3月11日 アフガニスタン発
パキスタンとの国境近くにあるジャララバード市から30キロ離れたナジアン地区で、朝の光が降り注ぐ中、新しく建設された学校に向かって楽しそうに歩く少女たちを、雄大な山々が静かに見守っています。近くの山に雪が降り積もる中、山間部は温暖な気候です。少女たちが向かっているのは、午前中は女の子、午後は男の子が授業を受けている、ソロビ女子学校です。

「新しい学校が大好きです。」アスヤさんが笑顔で話します。
「以前はテントや木陰で授業を受けていましたが、今では教室で授業を受けることができます。黒板やトイレ、運動場もあるんです。」ソロビ女子学校には6つの教室と職員室があり、生徒たちにとって神聖な学びの場となっています。

日本政府の資金協力により、UNICEFはパートナー団体と協力して、アフガニスタンの東部、南部、中部に165校の学校を建設しており、3万3,000人の子どもたちが恩恵を受けています。そして、その半数は女の子です。学校には太陽光発電システムが備え付けられ、教室に明かりを灯しています。トイレや井戸も設置され、生徒たちが学校で安全な水と衛生的な手洗い場を利用できるようになりました。また、学校には高い外壁が設置され、子どもたちにとって安全な学びの場となっています。
アフガニスタンでは教育のニーズが高くなっており、経済的な困難やその他の制約により、600万人から700万人の子どもたちが学校に通えていません。全国の公立学校の少なくとも半数には適切な学習スペースがなく、58パーセントの学校で飲料水や手洗い場が不足しています。また、公立学校の半数以上には、外壁がありません。保護者は外壁で囲まれた学校の方が安全性が高いと考えており、特に女の子の出席率の向上に重要な要素となっています。


支援前、生徒たちは地面や木陰など、屋外で座って勉強していましたが、強風や嵐、厳しい暑さで、集中して学ぶことができませんでした。教室で授業を受けることは、生徒たちにとっても、教員たちにとっても、長年の夢でした。
「環境が良いと子どもたちが集中できますし、学習意欲も高まります。」ソロビ女子学校のルブナ先生(25歳)が話します。「この教室には、本当に感謝しています。以前は、雨が降ったら生徒たちを自宅に帰さなくてはいけませんでした。今では、子どもたちが安全な場所で本を読んだり、学んだり、遊んだりすることができます。」


トイレの外で手を洗っている5年生のシュクリアさんは、「以前は学校にトイレがなかったので、もしトイレに行きたくなったらどうしたらいいのか心配で、授業に集中できませんでした。」と、恥ずかしそうに笑って話しました。現在165校のすべてに、生徒用トイレ4基と教員用トイレ1基に加えて、手洗い場が設置されています。7キロワットの電力を発電することができるソーラーパネルによって、井戸から貯水タンクに水が汲み上げられ、教室を明るく照らすことができます。
900人以上の生徒が在籍するソロビ女子学校にもたらされた大きな変化が、生徒たちの学習環境を力強く支えています。165校の学校の建設で何千人もの子どもたちが教育を受けられるようになっただけでなく、子どもたちの出席率や学習の質も向上しました。アスヤさんのような子どもたちが守られた安全な環境で成長し、より良い未来を夢見る機会を手にしています。
