スーダン:浦林紳二駐スーダン日本国大使、中央ダルフール州のUNICEFの支援現場を視察
2019年1月21日 スーダン発

2019年1月21日スーダン発
国内避難民と受け入れコミュニティのために行うUNICEFの支援事業を視察するため、浦林紳二駐スーダン日本国大使が中央ダルフール州及びジャバル・マッラ地区を訪れました。UNICEFはパートナー団体と協力し、医療ケアの訓練、ワクチンや医療と栄養に関する支援物資、産婦人科手術や助産師のためのキットの提供など、子どもたちと母親のための支援を行っています。

中央ダルフール州ザリンゲイの知事と人道支援担当官とのブリーフィングで、浦林大使は日本政府の優先課題について次のように語りました。「スーダンにおける支援で、日本政府は3つの主要な優先分野を掲げています。平和の定着、保健や水の支援を中心に置いた基本的なニーズへの対応、農業開発です。特にダルフールにおいては、平和の定着支援が非常に重要です。」

はじめに、浦林大使は7万2,000人以上が身を寄せるザリンゲイ最大の国内避難民キャンプのひとつであるハメディア・キャンプを訪れました。ハメディア・キャンプ2のプライマリ・ヘルスケアセンターは、2009年より国内避難民や受け入れコミュニティの人々に支援を提供してきました。基礎的な保健サービスに加え、同センターでは5歳未満の子どもたちに保健と栄養の総合的な支援を実施し、妊産婦へのケアを行っています。

「日本政府の支援によるUNICEFの事業の実施状況を視察するため、このキャンプを訪れました。家族や特に女性と子どもたちのために行われているUNICEFの素晴らしい支援活動を目にすることができ、大変嬉しく思います。」と浦林大使は述べました。

日本政府の支援を受け、UNICEFとパートナー団体はハメディア・キャンプ2で様々なグループを対象とした保健に関する訓練や医療資材やワクチン、医薬品と栄養物資を提供しています。日本の皆様からのさらなる支援のおかげで、リプロダクティブ・ヘルス(性や生殖に関する健康)や母子感染予防に関する訓練が実施され、新生児医療や手術のための物資が提供されます。

また、浦林大使は新たにアクセスが可能となったジャバル・マッラの山々を訪れました。コミュニティのリーダーたちは、この地域、特に中心の町であるゴロでは、平和の定着が最優先課題だと語っています。過去の紛争で住民がこの町から避難していましたが、教育が受けられ、平和で健全なコミュニティとなることを期待して人々が町に戻り始めました。現在14万8,000人以上がゴロで暮らしていますが、今後も多くが帰還するとみられています。

浦林大使は20万人にプライマリー・ヘルスケアとセカンダリー・ヘルスケアを提供してきたゴロ病院を訪れました。この病院には、ジャバル・マッラ地区の3つの地域から毎月約2万2,000人が診察を受けにやってきます。日本の皆様のおかげで、UNICEFとパートナー団体は医薬品や医療と栄養に関する物資、ワクチン、コールドチェーン機材、ワクチン投与に関するの訓練などを提供し、ゴロ病院を支援しています。UNICEFは今後、ゴロの子どもや女性がより健康に暮らせるよう、リプロダクティブ・ヘルスのための物資や訓練、救命技術や新生児ケアの訓練を提供します。
UNICEFが実施するジャバル・マッラ地区の人道危機への支援に対する日本の皆様の継続的で包括的な支援に、UNICEFスーダン事務所より感謝申し上げます。

【関連ページ】日本政府の支援によるスーダンでのUNICEF支援事業