日本政府、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるキルギス共和国の学校の安全な再開と補習を支援するため、2億9,800万円の無償資金協力を供与
2021年8月4日 ビシュケク(キルギス共和国)発

2021年8月4日 ビシュケク(キルギス共和国)発
キルギス共和国は日本政府の国連児童基金(UNICEF)を通じた2億9,800万円の無償資金協力により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける子どもたちに質の高い教育を提供する新たな事業を開始します。本事業はUNICEFによって実施されます。
ナディラ・ジュスべコワ教育科学副大臣の出席のもと、前田茂樹 駐キルギス共和国日本国特命全権大使とUNICEFキルギス事務所代表代行のユリア・オレイニクとの間で署名式が行われました。本事業は教育科学省の支援のもと、COVID-19が教育システムに与えた影響への対応と緩和のために立ち上げられました。
前田茂樹 駐キルギス共和国日本国特命全権大使は、「キルギス共和国において昨年3月に初めてCOVID-19の感染が確認されてから、この国は社会的にも経済的にも大きな打撃を受けています。パンデミックによって子どもたちの普遍的な権利である教育へのアクセスが妨げられ、特にぜい弱な子どもたちが深刻な影響を受けています。日本政府は、本事業で公平で包括的な教育の機会が確保され、子どもたちが自らの手によって、持続的な開発の基礎を築いていけることを、強く願っています。」と述べました。
2020年3月にキルギス共和国で最初のCOVID-19の感染が確認されてから、政府は必要不可欠な公衆衛生対策として国中の学校を閉鎖し、遠隔学習を導入しました。
これにより、144万人の学齢期の子どもたちが影響を受けました。
UNICEFとパートナーによって実施されたアクセシビリティ評価によると、政府の尽力にも関わらず、2020年の10月から11月、COVID-19によるロックダウンが行われていた間、23%の子どもたちが遠隔学習による恩恵を完全には受けることができていませんでした。一方で、77%の子どもたちが、ほとんどまたはすべての遠隔授業に参加することができていました。
2020年12月以降は大半の学校が再開しましたが、このような子どもたちには、同級生の学習進度に追いつくための特別なプログラムが必要です。
加えて、COVID-19による子どもたちへの更なる影響を防ぐため、学校における良好な衛生環境や感染予防・管理も必要不可欠です。
UNICEFキルギス事務所代表代行のユリア・オレイニクは署名式において、「COVID-19の感染拡大から18カ月が経ちます。しかし残念なことに、世界ではまだ、1億5,600万人の子どもたちの教育が中断されています。またキルギス共和国では、学校閉鎖のために144万人の子どもたちが影響を受けました。日本政府とUNICEFのパートナーシップは、COVID-19のパンデミック下においてもすべての子どもの質の高い教育へのアクセスを守るため、UNICEFの教育事業をさらに強化するものです。」と述べました。
本事業では、日本における良い事例を適応・応用し、衛生備品・用品の調達や衛生教育の実施など、教育科学省が学校で行う水と衛生に関する事業を支援します。
また、本事業は補習プログラムを通して、学校閉鎖中に遠隔学習に参加できなかった子どもたちを支援します。
この補習プログラムでは、小学校2~4年生にデジタル技術とデジタル学習を導入し、基本的な計算能力や読み書きに関する学習プログラムの強化も行われます。
本事業は2024年8月まで実施され、持続可能な開発目標(SDGs)の目標4: 「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い 教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」の達成に貢献するものです。
【関連ページ】日本政府の支援によるキルギスでのUNICEF支援事業
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