日本政府、ソマリ地域の干ばつ被害に200万米ドルを支援 エチオピア
2017年4月6日 アディスアベバ発

2017年4月6日、アディスアベバ発
日本政府は、干ばつ被害に苦しむエチオピア・ソマリ地域の人々を支援するため、UNICEFに200万米ドルを拠出すると発表しました。拠出金は、水・衛生、栄養分野の活動や、急性水様性下痢の予防に使われます。
6カ月間の事業期間中、支援の大部分にあたる150万米ドルは水・衛生分野に、50万米ドルは栄養分野に使われます。この支援は、2017年1月29日に国連アフリカ経済委員会において開かれたエチオピアの人道支援の状況についてのハイレベルフォーラムで、グテーレス国連事務総長とエチオピアのメコネン副首相による支援の呼びかけに、日本政府が迅速に応じたものです。
この日本政府からの支援では、11万5千人の人々に安全な水を安定して届けることを目的とし、井戸の掘削、水場の修繕、食糧以外の生活物資の配布を行います。また、重度の急性栄養不良にかかっている9千人の子どもたちが十分な治療を受けられるようにするほか、約3万1,500人の母親や保護者に対し、緊急時に赤ちゃんや幼児に適切な食事や栄養を与えるためのトレーニングも行います。また、安全な水にアクセスできるようになることで、感染リスクの高い人々が特に急性水様性下痢のような水を媒介してかかる病気の予防や対策ができるようになります。
駐エチオピア日本大使の齋田伸一氏は、「今回の干ばつに対する日本の緊急人道支援が最も脆弱な人々にできる限り早く届き、被害を受けたコミュニティーに効果をもたらすことを願ってやみません。エチオピアの水・灌漑・電力省とUNICEFが推し進める水・衛生事業の緊急対応と支援に敬意を表します」とコメントしました。UNICEFエチオピア事務所代表のジリアン・メルソップは、「緊急事態下では、子どもたちは不衛生で危険な環境におかれ、病気にかかる高いリスクにさらされるため、きわめて脆弱な状態に追いやられてしまいます。今回の支援は、子どもたちの未来を守り、頻発する干ばつの影響を受けたコミュニティの強靭性(レジリエンス)を強化するための日本のコミットメントの現れです」と述べました。
ソマリ地域を含むエチオピアの様々な地域では、すでに切迫していた状況に加え、2016年の後半にはインド洋ダイポールモード(IOD)現象(注)の影響で降雨量が平均以下になるという状況にも見舞われました。その結果、川や泉、池の水位が著しく下がったり、例年より早く干上がったほか、過剰利用による水供給システムの故障も頻繁に起こるようになりました。
UNICEFは干ばつの影響を受けている全地域に対し、現在、給水車を使った給水、水供給システムの修理、水の供給量が多く重要な井戸への貯水槽の設置、栄養治療食の配給を行っています。また、子どもや妊婦、授乳中の女性に対する栄養不良のスクリーニングや、質の高い栄養サービスの提供に関するモニタリングを実施しています。
UNICEFの干ばつへの対応は、栄養、健康、水・衛生といった人命にもかかわる分野での支援を優先すべきという「人道支援における子どもたちのためのコア・コミットメント」(“Core Commitment for Children in Humanitarian Action”)に基づいたものです。
(注)インド洋ダイポールモード(IOD)現象・・・インド洋熱帯域に数年に一度発生し、世界各地に異常気象を引き起こす気候変動現象のこと(海洋研究開発機構ホームページより抜粋)
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