日本政府 キルギスにおける基礎教育整備計画に3億7,700万円の支援を実施
2012年3月19日 キルギス共和国 ビシュケク発
日本政府は、UNICEFに対し3億7,700万円(約500万ドル)の紛争予防・平和構築分野における無償資金協力を実施し、キルギスの学校や幼稚園の学習環境の向上を支援します。UNICEFとキルギス政府の協力合意の一環として行われる本事業により、今後2年間で50の初等教育施設において2万5,000人の子どもたちが、安全で子どもにふさわしい学習環境で教育を受けられるようになります。
3月19日、キルギスの首都ビシュケクで、丸尾眞駐キルギス日本国大使とジョナサン・ヴィエチUNICEFキルギス事務所代表との間で交換公文の署名が行われました。署名式にはカナート・サディコブ教育・自然科学大臣、保健省代表、建設・地域開発州政府代表が立会いました。
本支援では、キルギス南部3州(オシュ州、ジャララバード州、バトケン州)の特に脆弱なコミュニティで、緊急に支援を必要としている学校38校と12ヶ所の幼稚園の改修(教室・暖房設備の修復、トイレや手洗い場の建設、机・いす・黒板などの什器や備品の調達)が行われます。また、選定された学校や幼稚園で、衛生教育や地震等の緊急時における対応能力の強化も行います。このプロジェクトでは、子どもたち、保護者、教師、地域住民の積極的な関与によって、子どもにふさわしい学習環境を修復・維持すること、また、コミュニティ主導による子どもたちの平和で寛容な環境づくりに貢献することが期待されています。
本プロジェクトは、最貧困層を含むすべての子どもたちが恩恵を享受できるよう、格差の根源を把握し対処することに取り組むUNICEFの公平性アプローチに沿っています。ヴィエチ代表は、最も脆弱な子どもたちへの支援は、教育機会の拡大だけでなく、教育の質を向上させるために最良の方法であることが立証されている、と強調しています。
サディコブ大臣は、キルギスの政府と国民を代表して感謝の意を表明し、次のように述べました。「貧困削減日本基金の支援による総合教育プロジェクトの成功、教育プログラム実施における国際協力機構(JICA)との協力など、キルギスの教育現場における日本とキルギスの協力は、常に実り多い結果をもたらしています。キルギス南部3州の教育施設の改修を通じて教育環境を改善させる今回のプロジェクトは、キルギス国民が質の高い教育を受ける機会を拡大させるでしょう。また、キルギスの教育システムに対する日本政府の支援は、キルギス南部の教育環境についての、オープンな対話と理解を生み出すでしょう。」丸尾大使は、国が安定した経済成長を遂げていくのための教育の重要性を強調するとともに、今回の日本政府による支援プロジェクトが、キルギスの未来を担う子どもたちの教育環境の改善に大きく貢献することを期待していると述べました。
1945年に終結した第二次世界大戦後に、UNICEFが日本の子どもたちを支援したことが、60年以上にわたるUNICEFと日本の協力関係の始まりです。現在では、日本は世界におけるUNICEFの主要なドナーであり、キルギスにおいても、UNICEFの予防接種や鳥インフルエンザ予防などの保健事業を通じ、子どもたちへの支援を行ってきました。
今回の協力は、これまでに築き上げられてきた日本、UNICEF、キルギスの三者間の協力関係や友好関係をさらに強化するものです。
【関連ページ】日本政府の支援によるキルギスでのUNICEF支援事業