日本政府 パキスタンのポリオ根絶にUNICEF経由で2億300万円の資金協力

2011年11月3日 イスラマバード発

UNICEF Pakistan
2011年11月03日
(前列左から)署名式に出席した大江博・駐パキスタン日本国大使、アムジャド・アリ・カーン州間調整省長官、ダン・ローマンUNICEFパキスタン事務所代表。
UNICEF Pakistan

2011年11月3日 イスラマバード発

 

日本政府は、パキスタンにおけるポリオ根絶活動を支援するため、UNICEFを通じ、2億300万円の資金協力を実施することとなりました。11月3日、アムジャド・アリ・カーン州間調整省長官出席の下、交換公文の署名式が首都イスラマバードで行われました。

大江博・駐パキスタン日本国大使とダン・ローマンUNICEFパキスタン事務所代表が交換公文に署名したほか、贈与契約が佐藤俊也JICAパキスタン事務所次長とUNICEFによって署名されました。

カーン長官は、今回の署名式に際し、以下のように述べました。「パキスタンの子どもたち及び政府を代表し、ポリオの無いパキスタンという夢の実現のためにご協力を頂いたことに、心よりお礼を申し上げます。日本政府のご厚意とUNICEFによる尽力に敬意を表します。残念ながら、ハイバル・パフトゥンハー州、バロチスタン州、シンド州農村部、その他の一部地域において、資金や人材などのリソースの不足により、ポリオの問題が再浮上しています。このような状況へのパキスタン政府の対応が、日本政府により本日表明された協力により補完されるものと確信しています。」

大江大使は、次のように発言しています。「日本の無償資金協力、有償資金協力、そして技術協力が、すべての子どもたちの苦しみを緩和するのに役立つと信じています。ポリオ・ウィルスは、どこにでも到達します。特にアフガニスタンとの国境地帯でポリオが急拡大していることから、ワクチンも、最もアクセスしにくい地域の子どもたちに届けなければなりません。」

「パキスタンにおけるポリオ根絶のための取り組みという点で、UNICEFとのパートナーシップは、過去16年間にわたり進展してきました。このパートナーシップは、相互の信頼と、崇高な人道目的に貢献するという揺るぎない決意に基づくものです。」JICAの佐藤次長は、このように述べました。

ローマンは、UNICEFを代表し、日本の協力を称えました。「日本政府からの支援はまさに、アーシフ・アリー・ザルダリ・パキスタン大統領のポリオ根絶国家緊急計画を加速させ実現する上で重要な時期に行われるものです。今年に入ってから既に136人の子どもたちが、ポリオに感染しました。このような数字の背後には、悲しみに打ちひしがれた子どもたちやその家族が実在することを、我々は忘れてはなりません。パキスタンからポリオを無くすことは、同国の子どもたちやその家族たちばかりでなく、世界からポリオが根絶されることにより恩恵を受けるすべての子どもへの贈り物となるでしょう。」

ローマンはさらに、次のように謝意を表明しています。「UNICEFは、パキスタンの子どもたちにポリオの無い未来を与えるための日本とのこのような協力に、深く感謝しています。今回の支援は、2012年に行われる予防接種キャンペーンのためのワクチンを調達し、必要な啓発活動を行うために使われます。」

日本政府は1996年以来、パキスタンにおけるポリオ対策を支援しており、パキスタンのポリオ根絶のための取り組みにおいて、最大のドナーの一つとなっています。累計8,950万ドルの協力に加え、来年に向け6,500万ドルの円借款が承認されました。2012年の日本の無償資金協力と有償資金協力は、合わせて、パキスタンにおける経口ポリオワクチンの需要の59%を満たすことになります。

今回の日本の支援は、1,100万回分の経口ポリオワクチンの調達に使われるほか、特に、ポリオの症例の50%近くが報告されている北西部の連邦直轄部族地域において、ポリオの予防接種に関する人々の誤解や先入観を取り除くための啓発活動に役立てられます。

パキスタンのポリオ根絶イニシアティブでは、2012年に計8回の国家及び地方単位での予防接種キャンペーンが計画されています。各回ごとに、4,000万回分以上のポリオワクチンが必要となります。



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