ケニア:「水は命」―太陽光発電式井戸によって人々の生活が大きく変化

2026年5月14日 ケニア発

UNICEF Kenya
Gunjiya Woman and her child fetching water
Peace Winds Japan

2026年5月14日 ケニア発

ケニア北東部の乾燥地帯にあるグンジヤ村の人々は、水の確保に日々苦戦していました。しかし今日では、水が安定的に供給され、コミュニティに新たな活気がもたらされています。

この地域では、2024年に郡政府によって井戸が掘られ、住民の間に希望が湧いたものの、その井戸は利用できないままでした。信頼できる水資源がないことで、家族たちは水を求めて最大5キロもの長距離を歩き、多くの場合、安全性が確保されていない水源に頼らざるを得ませんでした。家庭用の水を汲む役割を主に担わされていた女性や子どもたちにとって、その道のりは過酷なものでした。給水所での長い行列や、時折起こる争いに加え、汲み上げる水が必ずしも清潔ではないために水が媒介する感染症のリスクに常にさらされていました。多くの人々にとって、高額な給水トラックで水を手に入れることが唯一の代替手段でしたが、その費用を負担できる人はごくわずかでした。

グンジヤとその周辺の村はケニアの乾燥・半乾燥地域として知られ、推定3,000人以上の人々が暮らしています。この地域では、水は飲用や家庭での使用だけでなく、コミュニティの生計の基盤である牛、山羊、羊、ラクダ、ロバといった家畜を飼育するためにも欠かせません。

「私たち女性は、水を探すためにとても遠くまで歩いていました」と、地域住民のジニ・フセインさんは振り返ります。「とても疲れる仕事で、見つけた水が安全でないこともありました。通る道も、女性や女の子たちにとっては安全とは言えませんでした」

Gini Hussein Kethiye (left) and Makahil Rashid Hilowle at the Elevated Tank in Gunjiya Borehole.webp
Peace Winds Japan 井戸の高架水槽塔の前に立つ、グンジヤ村のジニ・フセイン・ケティエさん(左)とマカヒル・ラシッド・ヒロウレさん。

さらに、度重なる干ばつや鉄砲水により状況は悪化し、生計手段が断たれ、水不足も一層深刻化しました。

そうした中、日本政府からの資金協力のもと、UNICEFおよび日本のNGO「ピースウィンズ・ジャパン」の支援と、ガリッサ郡水道局の協力により、かつては使用不能だった井戸が、持続可能な太陽光発電式給水システムへと生まれ変わり、地域社会に新たな希望をもたらしました。

太陽光発電による水の汲み上げ設備と水中ポンプが設置されたほか、効率的な貯水と配水を確保するため、1万リットルのタンク2基を備えた高架水槽塔も設置されました。配管は新設されたコミュニティ給水所に接続され、各家庭の近くまで清潔で安全な水が届けられるようになりました。家畜や野生動物が水を飲めるよう、家畜用の水飲み場も設置されました。

この地区の長を務めるアブディラフマン・ラシッドさんは、「今では村で水を簡単に手に入れることができ、以前のような苦労はもうありません。井戸が稼働し始めてから、給水車は姿を消しました」と語ります。

地域の井戸を管理する「水利用者協会」の会長であり、尊敬される長老でもあるマカヒル・ヒロウレさんは、この変化を直接目の当たりにして次のように話しました。

「このプロジェクトは私たちの生活を一変させました。以前は、給水車が来ないとき、住民は安全でない水を飲んで多くの人が病気になっていました。今は井戸から清潔な水が入手できるので、病気も減ると信じています。」

女性や少女たちにとって、この変化は極めて大きなものでした。村で水を利用できるようになり、水を汲みにいく必要がなくなったことで、身体的な負担が軽減され、安全性が向上し、尊厳を取り戻すことができました。また、コミュニティの生存に欠かせない家畜も、その恩恵を受けています。

ジニさんは、「もう水を汲むために長距離を歩く必要はありません。今では家族と過ごす時間や、他の活動に充てる時間が増えました。子どもたちも以前より勉強に集中できるようになりました」と語ります。

「家畜も村の中で水を飲めるようになり、水飲み場の設置によってさらに使いやすくなりました」とマカヒルさんは説明します。「家畜は私たちの生計の源なので、非常に重要なことです」

ガリッサ郡グンジヤ村の井戸
Peace Winds Japan ガリッサ郡グンジヤ村の井戸。

また、井戸を持続的に保つため、「水利用者協会」のメンバー10名が井戸の管理に関する研修を受けました。さらに、井戸とソーラーパネル施設を囲う柵が設置され、損傷を防ぐことで、今後長年にわたり清潔な水を利用できるようになりました。

マカヒルさんは、「私たちのコミュニティを気にかけてくれたピースウィンズ・ジャパンとUNICEF、そしてガリッサ郡水道局に感謝します。干ばつや洪水に見舞われた中、この支援が私たちに希望をもたらしてくれました」と話しました。

さらに、地区の長であるアブディラフマンさんは、安定した水供給と農業研修により、住民は小規模農業を始められるようになり、遠く離れた市場への依存を減らし、食料を安定的に手に入れることにつながると付け加えました。

UNICEFは日本政府からの資金協力のもと、ピースウィンズ・ジャパンと連携し、乾燥地帯であるガリッサ郡およびトゥルカナ郡全域において、水と衛生に関する包括的な取り組みを支援してきました。

この支援事業では、4カ所の太陽光発電式井戸の整備・修復を通じて、1万2,000人以上に安全に管理された水を供給するとともに、2万1,000人以上にバケツや給水タンク、石鹸、浄水タブレットなどの水と衛生に関連する製品を配布し、衛生向上のための啓発活動も併せて実施しました。

さらに、7校の学校と1カ所の保健施設において水と衛生サービスの強化に取り組み、子どもたちや患者が安全な水と衛生設備を利用できるよう支援しました。能力開発も本事業の中心的な取り組みであり、給水システムの管理と持続可能性について、水資源利用者協会や地域の保健推進員、公衆衛生担当官などに対し、数多くの研修が実施されました。これらの取り組みは、干ばつの影響を受けるコミュニティにおいて、気候変動の影響を受けにくい水と衛生サービスの構築に寄与しています。
 

給水槽の周りに集まるグンジヤの住民
Peace Winds Japan 給水槽の周りに集まるグンジヤの住民。

グンジヤの井戸プロジェクトは、持続可能な太陽光発電式給水システムが、いかに人々の尊厳を取り戻し、レジリエンス(回復力)を強化し、生活を向上させることができるかを示しています。一方で、持続可能な給水システム、衛生に関する啓発活動、必要不可欠な水と衛生サービスを拡大させ、より多くのぜい弱な人々を支援するためには、さらなる投資が必要です。

UNICEFはコミュニティやパートナー団体と協力し、最も支援を必要とする人々に、持続可能で気候変動の影響を受けにくい水と衛生サービスを拡大していく予定です。

 

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