ルワンダ:安全な水へのアクセスが人々の暮らしを取り戻す

2026年4月22日 ルワンダ発

UNICEF Rwanda
ルワンダの子どもたち。
UNICEF Rwanda/Iyakaremye

2026年4月22日 ルワンダ発

ルワンダ西部の一部地域では、長年にわたり、水へのアクセスが人々の暮らしや学び、健康を左右してきました。洪水や地滑りの影響を受けたコミュニティでは、多くの家庭で安全な水を得られない状況が何年も続き、基本的な生活のニーズを満たすため、毎日長い道のりを歩いて水を汲みに行かなければなりませんでした。

ルシジ地区ギクンダムヴラに暮らす母親、ンセンギマナ・ローランティーヌさんの一日は、長い道のりを歩くことから始まっていました。空の給水タンクを持ち、最寄りの水汲み場まで1キロ以上歩いて水を汲みに行っていたのです。雨季になると道が悪くなり、水汲み場も安全ではなくなるため、その道のりはさらに厳しいものとなりました。

「給水システムが修復される前は、水を得ることにとても苦労していました。毎日、長い距離を歩いて水を汲みに行くことから一日が始まっていました」とンセンギマナさんは当時を振り返ります。「今ではすぐ近くで水が手に入ります。それだけで安心します」

家の近くで水を汲めるようになったンセンギマナさん。
UNICEF/UNI980126/Iyakaremye 家の近くで水を汲めるようになったンセンギマナさん。服を洗う様子。

長年続いていた「水を手にできるのか」という心配から、ようやく解放されました。水の問題は、彼女の生活のあらゆる側面に影響を及ぼしていました。水汲みに多くの時間を費やしていたため、子どもたちの世話に十分な時間を割くことができませんでした。家を清潔に保つことも難しく、安全な飲み水や調理用の水を確保することも大きな負担でした。洪水や地滑りの影響にすでに苦しんでいた家庭にとって、安全な水がないことで、生活をさらに厳しいものになっていました。

2025年から2026年にかけて、日本政府の資金協力のもと、UNICEFはルシジ地区において、安全で気候変動の影響に強く、安定した水供給を実現するプロジェクトを実施。洪水や地滑りによって給水システムが損傷し、不安定な水供給に長年悩まされてきたギクンダムヴラのようなコミュニティにおいて、水と衛生の改善を支援しています。

かつて水を汲みに通っていた丘を指さすンセンギマナさん。
UNICEF Rwanda/2026//Iyakaremye かつて水を汲みに通っていた丘を指さすンセンギマナさん。以前は毎日、長い距離を歩いて家族のための水を汲みに行っていた。

ンセンギマナさんの経験は、同地区の多くの家庭が直面してきた現実を象徴しています。西部県では現在も洪水や地滑りがコミュニティに影響を及ぼしており、ルワンダ危機管理省は326の災害リスクの高い地点を特定し、そのうち134カ所を高リスクまたは非常に高リスクと分類しています。3万1,000人以上が影響を受けており、ルシジ地区もその一つで、特に水へのアクセスに深刻な影響が及んでいます。

水へのアクセスの不足の影響は家庭にとどまらず、学校にも大きな影響を及ぼしていました。ルシジ地区ンカンカにあるンカンカ中等学校では、5年もの間、安定した水の供給がありませんでした。生徒たちは毎日、授業中に水を汲むために長距離を歩き、コミュニティの人々と共用の水汲み場で列に並ばなければなりませんでした。数時間待つこともありました。

ンカンカ中等学校の生徒たち。
UNICEF/UNI980171/Iyakaremye ンカンカ中等学校の生徒たち。水が安定して利用できるようになり、より勉強に集中できるようになった。

「以前は、勉強に充てるべき時間を、水を汲むために長距離を歩くために費やしていました。その途中も危険が伴うことが多かったです」と話すのは、同校の生徒、ビイシモ・ファブリスさんです。「ちょうど国家試験の前に水が供給されるようになり、おかげでより試験の準備に集中できるようになりました」

水がないことで学びは中断され、生徒たちは勉強時間を失い、学習に遅れが生じ、集中力を保つことも難しくなっていました。地区内では14校、約1万5,000人の生徒が水不足の影響を受けていました。

「安全な水を継続的に利用できるようになったことで、学校の環境が大きく変わりました」とンカンカ中等学校の教務主任は話します。「生徒が学校に通い、学びを中断することなく、集中して学習に取り組めています」

授業を受けるビイシモ・ファブリスさん。
UNICEF/UNI980164/Iyakaremye 授業を受けるビイシモ・ファブリスさん。安全な水にアクセスできるようになったことで、水汲みのために使っていた時間を勉強や試験の準備に使えるようになった。

保健サービスの現場でも同様の課題がありました。ルシジ地区ンカンカにある保健センターでは、水の確保が難しく、適切な保健サービスを提供することが困難でした。介護者が遠方から治療に必要な水を持参しなくてはいけないこともありました。

「以前は、介護者が患者のために水を持って来なければなりませんでした。大変で、安全でもありませんでした」と、同センターのコミュニティ・環境保健担当官、ニイラバサボセ・ベアトさんは話します。「今では、尊厳を保ちながらケアを提供することができます」

ンカンカ保健センターのニイラバサボセ・ベアトさん。
UNICEF/UNI980135/Iyakaremye ンカンカ保健センターのニイラバサボセ・ベアトさん。施設内で水を確保できるようになり、より安全で持続的なケアを提供できるようになった。

同地区の7つの保健施設も同様の状況に直面していました。信頼できる水の供給がない中で、衛生を保ち、感染を予防することが大きな課題となっていたのです。

こうした状況を打開するため、コミュニティには持続可能な解決策が求められていました。そして今、その状況は変わり始めています。日本政府とUNICEFによる支援のもと実施されたプロジェクトにより、給水システムの修復と拡張が進められるとともに、洪水や地滑りに対するレジリエンス(回復力)が強化されました。当初の計画を上回る多くのコミュニティに支援が届いています。

これまでに50キロメートル以上のパイプラインが整備され、新たな給水所や貯水システムも設置されました。現在では地区全体で約4万3,000人が安全な水を利用できるようになりました。そのうち1万7,416人はそれまで水へのアクセスがなかった人々です。学校の運営は改善され、保健サービスはより安全になり、家庭が直面するリスクも軽減されています。

ンセンギマナさんは、明らかな変化を感じているといいます。「今では水がすぐ近くで手に入ります。簡単に汲むことができ、とても安全です」

かつて水汲みのために費やしていた時間は、子どもたちと過ごす時間へと変わりました。日常生活はより安定し、家庭内の衛生環境も向上しています。

ルシジ地区の給水システム復旧に対する日本政府の資金協力とUNICEFの支援を示す看板。
UNICEF/UNI980156/Iyakaremye ルシジ地区の給水システム復旧に対する日本政府の資金協力とUNICEFの支援を示す看板。

この変化は地区全体に広がっています。ンカンカ中等学校では校内で水が利用できるようになり、生徒たちは教室で時間を過ごし、授業を中断することなく勉強を続けられるようになりました。出席率も向上しています。

「今は学校にいられます。もう時間を無駄にしなくていいんです」(ビイシモ・ファブリスさん)

ンカンカ保健センターでも、保健サービスが向上しました。保健員は衛生な環境を維持し、器具を清潔に保ちながら、より安全な保健サービスを提供できるようになりました。患者のために水を持参する必要もなくなりました。

保健センターの近くの給水所を利用する介護者とニイラバサボセ・ベアトさん。
UNICEF/UNI980138/Iyakaremye 保健センターの近くの給水所を利用する介護者とニイラバサボセ・ベアトさん。

「今では、衛生的な環境を保ち、医療機器を清潔にして、より安全なケアを提供することができます」とニイラバサボセ・ベアトさんは話します。

水汲みを担うことが多い女性や少女にとっても、この変化は大きな意味を持っています。水を汲むために長い時間を移動に費やす必要がなくなったことで、学校に通う時間や仕事をする時間、家族と過ごす時間が増えました。

「水は地域に安定をもたらしました」と語るのは、ムランバ村の村長、ハレリマナ・ジャン・ダマセーンさんです。「人々はより健康になり、暮らしが向上しています」

一方で、多くのコミュニティは依然として洪水や地滑りのリスクにさらされており、給水システムが再び影響を受ける可能性があります。水へのアクセスをさらに拡大し、これまでに築かれた成果を守るためには、継続的な支援が必要です。

安全な水は、教育を支え、保健サービスを向上させ、家族の生活をより良いものにします。安全な水へのアクセスにより、人々が暮らしを取り戻しています。そして継続的な支援によって、依然として取り残されている人々にこの変化を届けることができるのです。

 

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