グアテマラ:未来を築き直す家族たち

2025年8月15日 グアテマラ発

UNICEF Guatemala
2025年8月15日
Unicef staff communicate with a family
UNICEF/UNI/Echeverría

移動する子どもたちや家族への支援

2025年8月15日 グアテマラ発

グアテマラ・ウエウエテナンゴ県のマヤ族コミュニティ出身の母親であるイェセニアさん(27歳)は、マリアちゃん(10歳)、ソフィアちゃん(8歳)、フアンちゃん(6歳)、アナちゃん(1歳半)の4人の子どもたちに、より良い人生を送ってほしいと願ってきました。 

6年前、夫のミゲルさんは家族を支えるため、より良い機会を求めて米国へ渡りました。彼はヤシの葉の収穫作業に従事しながら、仕送りを続けました。「子どもたちが健やかに成長できる未来を望んでいたんです。」とイェセニアさんは過去を振り返ります。 

2年前、家族で一緒に暮らすため、イェセニアさんは3人の子どもを連れて米国に暮らすミゲルさんのもとへ渡る決心をしました。新生活における困難にも見舞われましたが、アメリカでは4人目の子どもであるアナちゃんが生まれました。「一緒にいられた、それだけで十分意味がありました。マリアは教師になりたいと言い、ソフィアは下の子の世話を手伝いたいと言ってくれました。」とイェセニアさんは語ります。 

A UNICEF staff interacts with children and their parents
UNICEF/UNI/Echeverría

彼らの幸せは、数週間前にミゲルさんが国外退去処分にあったことで突然途絶えました。夫の収入がなければ、イェセニアさんは米国での家族の生活を維持することはできません。「子どもたちを飢えさせるわけにはいかないし、家賃を払うお金もありませんでした。グアテマラに帰るしかありませんでしたが、仕事のないグアテマラで私たちの身に何が起こるのか、とても不安でした。」イェセニアさんはこう語りました。 

ウエウエテナンゴ県に戻ったイェセニアさんは、UNICEF移動チームの拡声器から流れる呼びかけを通じて、UNICEFが日本政府の資金協力のもと、パートナー団体と協働して帰還民向けのサービスを提供していることを知りました。 

転機となったのは、イェセニアさんと子どもたちがワークショップに参加したときでした。ワークショップには、同じように移住と国外退去処分を経験した家族が参加していました。「最初はとても緊張しましたが、同じ経験をした人たちに出会えたことで、孤独ではないと感じられました。」とイェセニアさんは振り返ります。 

マリアちゃんとソフィアちゃんは他の子どもたちと友達になり、イェセニアさんは同じ困難を抱える親たちと心を通わせました。「私たちは笑い合いながら、お互いを助け合うことができるのだと気づきました。」と彼女は語ります。これらの新たな友情は、帰還者たちが向き合う孤独や偏見に打ち勝つ助けとなり、地域のつながりを育んでいきました。 

Children dance on the grass
UNICEF/UNI/Echeverría

ワークショップは、イェセナさんの家族を必要不可欠なサービスにも繋げました。UNICEFとパートナー団体の支援で子どもたちは地元の学校に通えるようになり、マリアちゃんは教師になるという夢を追い続けられています。2025年3月から6月の間で、UNICEFとパートナー団体は、4つの自治体において241人(キチェ県で61人、サンマルコス県で84人、ケツァルテナンゴ市で20人、ウエウエテナンゴ県で76人)の子どもや若者たちを支援しました。さらに、335人の政府職員が研修を受け、マヤ族の文化に合った支援を帰還した家族たちに行える能力を培いました。 

「ワークショップは私たちに希望を与えてくれました。他の家族が生活を立て直している姿を見て、私たちもできると信じられるようになったんです。」とイェセニアさんは語ります。 

UNICEFとパートナー団体は継続的に現場を訪問し、農村部のコミュニティで教育や保健サービスにきちんとアクセスできるように見守っています。「マリアは一生懸命勉強し、ソフィアはたくましく育っています。フアンも学校を楽しみにしています。」とイェセニアさんは目を輝かせながら話しました。 

A UNICEF staff and families hold their hands each other and make a circle
UNICEF/UNI/Echeverría

「貧困や暴力、機会の不足、そして家族が再び一緒に暮らすために、人々は移住します。」とUNICEFの子どもの保護担当官であるエストゥアルド・サンチェスが述べます。「日本政府とのパートナーシップを通じて、UNICEFはイェセニアさん一家のような家族が、尊厳を保ち、地域に支えられながら生活を再建できるように支援しています。」 

2024年には、8,400人の子どもを含む7万6,000人以上のグアテマラ人が帰還しており、そのうち51パーセントがマヤ族のコミュニティに属しています。UNICEFは地域との再統合に関するワークショップなどを通じて、連帯のネットワークを築き、帰還した家族が孤立や偏見を乗り越えられるよう支援しています。 

「私たちはもう孤独ではありません。」家族の未来をしっかりと見据え、イェセニアさんが語ります。

 

*個人保護のため、名前は仮名です。 

 

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