日本政府、アフガニスタンの母子保健のため10億900万円の支援を発表
2018年12月3日 アフガニスタン・カブール発

2018年12月3日アフガニスタン・カブール発
日本政府はアフガニスタンの子どもと女性の権利や喫緊のニーズに対応するため、国連児童基金(UNICEF)が国際協力機構(JICA)と協力して実施する子どもたちの命を守る支援に10億900万円(910万米ドル)の無償資金協力を行うことを発表しました。この支援により、UNICEFとパートナーは予防接種拡大計画の一環として140万人以上の乳幼児に予防接種を行い、5歳未満の子ども1,000万人以上をポリオから守り、妊娠可能な年齢層の女性280万人以上に破傷風ワクチンを提供することが可能となります。この支援は、あらゆる年齢の子どもたちに健康と福祉を提供するという持続可能な開発目標(SDGs)の目標3の達成に寄与するものです。そして重要なことに、特に残り3カ国となったポリオ野生株常在国の一つであるアフガニスタンにおいて、世界のポリオ根絶に向けた取り組みに貢献します。
交換公文の署名式では、フェローズディン・フェロズ・アフガニスタン公衆衛生大臣が次のように述べました。「アフガニスタンは5歳未満児の死亡率の低下に著しい前進を遂げており、2001年から2015年で1,000人あたりの死亡数が192人から55人に減少しました。人生の最初の5年間における死亡の大半は予防可能なものであり、すべての子どもたちに質の高いワクチンを提供することは、予防可能な死亡を防ぐために最も費用効率の高い方法の一つです。日本政府は過去10年以上、定期予防接種やポリオの予防接種キャンペーンに必要なワクチンを提供するため、アフガニスタン政府の強力なパートナーとして力を貸してくださっています。」
UNICEFアフガニスタン事務所代表のアデル・ホドルは、「アフガニスタンの最も脆弱な子どもたちの生活をより良いものにするための日本政府と日本国民の多大なご支援に敬意を表します。子どもたちの命を守るだけでなく、ポリオの根絶に極めて重要となる、日本の寛大で継続的な支援に深く感謝いたします。」と述べました。
鈴鹿光次駐アフガニスタン大使は、「子どもたちは国の未来を支える宝であり、我々の希望です。我々は最大限のケアを行い、子どもたちの健康を守らなければなりません。日本にはアフガニスタンにおける感染症対策で長い協力の歴史があります。疾病を根絶するためには予防が最善の方法です。アフガニスタンが一刻も早く赤ちゃんにとって過ごしやすい国となるよう願っています。そのためにも、日本政府はUNICEFと協力し、本事業を継続して行うことを決定しました。」と語りました。
日本政府はアフガニスタンの安全保障やインフラ整備、農業、農村開発、人材育成、教育、保健、文化、人道支援を含む様々な分野でアフガニスタンの国造りを支えてきました。2001年以降に日本がアフガニスタンに対して行った支援は、計約66億米ドルにのぼります。