日本政府、シリアの子どもたちとその家族の越冬支援に200万米ドルの緊急無償資金協力を供与

2022年1月21日 ダマスカス(シリア)発

UNICEF Syria
2022年1月21日
シリアの子ども
UNICEF/Syria/2021/Adel Janji

15万人以上の人々が安全なと衛生設備、改善された保健ケアの恩恵を受けます。

2022年1月21日 ダマスカス(シリア)発

シリアの最もぜい弱な子どもたちとその家族に緊急支援を行うため、日本政府は国連児童基金(UNICEF)に200万米ドルの緊急資金援助を供与しました。この新たな資金協力により、厳しい冬の間、15万人の人々が安全な水や良質な衛生設備、改善された保健ケアを利用することが可能になります。

紛争の影響を受けた多くのシリアの子どもたちとその家族が、自宅から避難し、国内避難民キャンプや非公式居住区での生活を余儀なくされています。仮設テントでは氷点下の気温や激しい雨から身を守ることはほとんどできません。燃料は限られており、暖を取る手段もないため、寒さをしのぐことは非常に難しく、多くの親たちが子どもたちの基本的なニーズを満たすことに苦労しています。そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、悪化する状況がさらに深刻化しています。

「これらの子どもたちとその家族の大半は、安全な水や食料、医薬品、雨風をしのぐ最低限の住まいへのアクセスがほとんどないか、まったくない人々です。断固たる行動を取らなければ、寒さが和らいだ後も、彼らの苦痛はいっそう深まるばかりで、この冬の影響は長期化するでしょう。」と、UNICEFシリア事務所代表のボー・ビクトル・ニルンドは述べました。「日本政府からの継続的かつ時宜を得た支援によって、UNICEFは子どもたち、特に最もぜい弱な子どもたちに命を守るサービスを提供し、この状況を乗り越えるられるように支援を実施することができます。」

本資金協力で、UNICEFとパートナーは、受け入れコミュニティとキャンプやシェルターに新たに避難した人々への緊急給水車による清潔で安全な水の供給や、トイレや給水所の維持管理の強化、必要不可欠な衛生物資の配布、キャンプに下水道網をつなぐ活動を行います。加えて、外来診察や重要な医薬品および医療物資の配布を通じて、保健ケアの改善を行うことができるようになります。これにより、厳しい冬の状況下でも、ぜい弱な子どもたちとその家族がより健康に暮らし、COVID-19や、呼吸器感染症などのその他の命に係わる病気への対応を強化することができます。

「日本政府はシリア及び周辺国において人道危機に直面する、ぜい弱な難民や国内避難民のための緊急無償資金協力の継続を決定しました。本支援で、保健サービスや安全な水、毛布・冬服の提供や、排水網の修繕などの人道支援が行われ、約15万人のシリアの女性や子どもたちが恩恵を受けます。日本政府は、シリアの人道状況の改善を図りつつ、国連の下での政治プロセスを進展させることを通じ、シリア危機の解決に向けて国際社会と引き続き連携していきます。」と、在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官の遠藤彰氏は述べました。

この度の200万米ドルの新たな支援により、日本政府のUNICEFシリアへの2021年の拠出金は計1,090万米ドルに上りました。本案件以外にも、日本政府は、ダマスカス郊外およびアレッポのぜい弱な子どもたちのための、安全な学習環境と質の高い教育へのアクセス改善も支援しています。この支援には、深刻な被害を受けた学校の修繕や、ジェンダーに配慮したCOVID-19パンデミック下でも安全な学校づくりも含まれています。

 

【関連ページ】日本政府の支援によるシリアでのUNICEF支援事業

 


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