サヘル地域の栄養危機

2012年2月6日

UNICEF
2012年2月06日
サヘル地域の栄養危機
UNICEF/NYHQ2011-2174/Esteve

2012年2月6日

 

栄養危機の影響を受けている子どもと女性の緊急ニーズに応えるため、UNICEFは2012年上半期に67百万ドル(51億円)を緊急に必要としています(2012年全体の必要額は120百万ドル(91億円))。

  • 2012年中に深刻な急性栄養不良に陥ることが予測される1百万人以上の子どもに治療を施すため、緊急支援が必要とされています。
  • 栄養危機はブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール、カメルーン北部、ナイジェリア、セネガルの全域に及び、UNICEFの緊急対応もこれらの地域全体を対象とします。
  • 2012年中、UNICEFによる対応の重点は、栄養、保健、水・衛生、HIV、開発のためのコミュニケーションに置かれます。また、教育、子どもの保護、社会的保護のための補完的な活動も行われます。
  • UNICEFはWFPとともに、中程度の急性栄養不良に陥ると予測される子どもたちの治療のニーズについても調査しています。

 地図:深刻な栄養不良の影響を受ける地域(円の大きさが影響を受けている子どもの数の多さを表しています。)

 

全人口と影響を受ける子どもの推定数(2012年)

 

 

 

アフリカ西部・中部の人口は世界の人口の10%にも達しません。しかし、世界の乳児死亡数とHIV/AIDSの小児感染件数の30%は、この地域が占めています。西部・中部アフリカでは、栄養不良が子どもたちの死亡の根本原因の35%を占め、また、それが世界の5歳未満児の疾病原因の11%を占めています。

サヘル地帯に位置する8カ国が、慢性的な食糧不足、栄養危機の頻発に苦しんでいます。これらの地域では非常に多くの子どもたちが重度の急性栄養不良に陥っており、命を救うための支援が急務となっています。カメルーンを除き、対象となるすべての国で、急性栄養不良が10%もしくはそれ以上に達しています。2012年の食糧・栄養危機の状況は、当初2010年の状況に類似していると考えられていました。しかし、作物の収穫が少なくなる時期は通常より3ヶ月早く2~3月には始まり、しかも広範囲に及ぶことが予測されています。収穫高と流通量の観点から、ニジェール、ブルキナファソ、チャド、モーリタニアの政府は、2011年後半には2012年が危機の年になることを宣言していました。

2012年、重度の急性栄養不良に陥る5歳未満児の子どもは、100万人にのぼると予測されています。諸機関の関係者は、各国で実施される緊急への備えを積極的に支援しています。急性栄養不良への対応はニーズの8割近くをカバーする予定ですが、対応能力の限界により100%の対応が難しい国もあります。

UNICEFは、関係機関によるサヘル地域の食糧安全・栄養に関する戦略的準備文書の作成に参加しました。国連世界食糧計画(WFP)は、ほとんどの国で(食糧不足の地点においてのみ)中低度の急性栄養不良への対応を計画しています。UNICEFも中低度の急性栄養不良に陥りそうな子どもたちの治療を行う予定です。

統合的な支援を実施するためには、地域の子どもや女性の短期・中期・長期のニーズを考慮する必要があります。対象となっている8カ国は、貧困、栄養不良、非識字の割合がいずれも高いと同時に、政府、コミュニティ、家庭内における保護のメカニズムが機能していません。そのために女性や子どもたちは非常に脆弱な状態から抜け出すことができないのです。栄養不良は、より大きな開発上の問題の、最も顕著な現れの一つと見なされています。

サヘル地域の栄養危機(日本語版) 2012年2月6日