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UNICEF日本人職員インタビュー

 

第7回 中央アフリカ共和国事務所 子どもの保護専門官 小川亮子

© UNICEF/CAR/2014
© UNICEF/CAR/2014
地方出張ボアリの「子どもに優しい空間」のモニタリング時。パートナーNGO職員とUNICEFの同僚と。

インタビュー実施日:2015311

民間企業に勤務後渡英し、国際開発及び教育の修士を取得。在タジキスタン日本大使館ならびに外務省での緊急人道支援・開発事業担当を経て、20142月より国連ボランティアとしてUNICEF中央アフリカ共和国事務所で、子どもの保護専門官として勤務。

 

いつから国際協力や子どもの保護分野について興味を持ったのですか

大学卒業後、日本語教師のボランティアをハンガリーの首都ブタペストで行っていた時に、クロアチアに旅行しストリートチルドレンを見たことがきっかけです。彼らのような貧困にある子どもたちへの支援に興味を持ちました。その後、民間企業や日本でNGOのインターンをするうちに、さらに幼児教育や就学前教育に興味を持ち始めました。本格的に勉強したいと思い、ロンドン大学の教育・保健衛生・国際開発修士課程(Education, health promotion and international development)で学び、国際開発・教育で修士を取得しました。この時は、エイズ孤児のメンタルヘルスなどのテーマで勉強しました。

大学院卒業後はバンコクにあるUNESCOアジア太平洋地域事務所でインターンをし、さらに2009年にはセーブ・ザ・チルドレンのモンゴル・ウランバートル事務所で子どもの保護の仕事に従事しました。その後は在タジキスタン日本大使館でグラントオフィサーとして助成金の募集や選考を行い、子どもの保護分野だけでなく、タジキスタンで行われる様々な助成事業をみていました。タジキスタンから日本に帰国し2年間外務省に勤めた後、20142月より国連ボランティアとしてUNICEF中央アフリカ共和国事務所で勤務しています。

こうして振り返ると、キャリアを積んでいく段階で子どもの保護分野の仕事に限ったわけではなく、キャリアを積むうちに自然と方向性が定まったと思います。

 

子どもの保護分野の仕事について教えてください

子どもの保護分野でのUNICEFの役割にはいくつかあるのですが、一つには子ども兵士の解放を目指して武装勢力と交渉し、子どもの権利について啓発しています。子ども兵士を解放することができたら、次はその子どもたちに対して医療や心理社会的ケアを提供します。子ども兵士になった子どもたちは日常的に暴力を目にし、また暴力を使うことを強要されてきているため、社会復帰するにはこうしたケアが欠かせません。また、家族やコミュニティに戻れるようサポートします。

心理社会的ケアの提供のために、UNICEFは現地のパートナー団体と協働して、子どもが安心して遊んだりカウンセリングを受けることのできる「子どもに優しい空間」の運営を行っており、UNICEFはその活動のモニタリングやフォローアップも行っています。心理社会的ケアの他にも、ジェンダーに基づく暴力(レイプなど)の被害者への医療・心理社会的及び法的サポートの提供など様々な活動を、国際NGOや地元NGO等のパートナー団体と協働して行っています。

モニタリングやフォローアップをする際には、進捗状況などを確認し、時にはアドバイスを行ったり、パートナー団体職員や地域ボランティアからの相談を受けたりします。

私も子どもの保護の視点から活動モニタリングを担当しています。モニタリング中はパートナー団体の方々が相談しやすいように普段は親しみやすくいようとしていますが、時には厳しいコメントをしたりなど、親しみやすさと威厳のバランスを大切にしています。

 

民間企業での経験など、UNICEF以外でのキャリアはどのように活きていますか

大学卒業後働いた民間企業では、何よりも社会人としての基礎を教えられました。これはUNICEFだけでなく、どこに行っても仕事上大切なものです。また、在タジキスタン日本大使館や外務省では、様々な申請案件を受け付ける側だったので、どのような提案書が効果的なのか、どういった内容が重要視されるのかなど、「審査する側」の視点を身に着けることができました。これは現在の仕事でパートナー団体の活動をモニタリングしたり、ドナーに案件を提示する際に役に立っています。さらに、子どもの保護以外の水と衛生分野や、保健分野など、色々な分野の事業をみていたので、知識の幅が広がったことも現在の仕事に活きていると思います。

 

今後の展望と、日本の皆さんへのメッセージを聞かせてください

20142月から中央アフリカ共和国で働いていますが、今年初めにもう1年契約を更新し、ここで働くことにしました。緊急支援にもう1年携わり、子どもの保護について知識・経験を深めたいと思っています。

今は首都バンギの治安は少しずつ良くなっているのではないかと感じますが、紛争下にあるこの国の治安は決して良くはありません。以前は銃撃戦で空港から出られないということもありました。日本のメディアではあまり情勢が取り上げられないかもしれませんが、「静かな人道危機」と呼ばれるように緊迫した状態が続いています。他の色々な人道危機に隠れて報道があまりされていないためか、2014年には活動の資金に不足する事態に見舞われました。しかし、そのような中、あえて日本政府は20152月に450万米ドル(約53千万円)の支援を決定してくださいました。世界中で資金集めに苦労していた中での決定です。日本政府からのこの支援は非常に重く、不可欠なものです。これからも無駄にすることなく、しっかりと子どもたちのために使っていきたいと思っています。

© UNICEF/CAR/2014
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バンギ市内イスラム教徒が多く避難するモスク周辺の国内避難民キャンプにて。

 

 
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